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145 場所取り合戦(1)

「今回の場所取りのお知らせを持ってきました」


 会議室に訪ねてきた文化祭実行委員が置いて行ったものは、場所取りのお知らせだ。


 アカデミーの中は広い。

 文化祭の使用範囲は決まっているとはいえ、それでも端から端までは回りきれないくらい広い。

 文化祭当日の立地も、集客にかなりの差が出るというわけだ。

 舞台なら、大ホール、小ホール、野外ホール。

 展示も、玄関ホールから屋外まで様々。

 出店に至っては、飲食物も雑貨も全てがごちゃ混ぜに店を並べられるものだから、そこには生徒達の手腕が掛かっている。


 基本的に、場所取りは“話し合い”となる。


 話し合いと一言で言えば聞こえはいいが、譲り合いなどではない。

 基本的にオークション形式で場所取りが進む。

 そんなわけで、実際にオークションが行われる当日までに、何処と隣り合いたいか、何処と結託するか、競争相手は居ないかの情報戦が行われるのだ。


 それも、ただ上級生を敬えばいいわけではない。

 言葉巧みに行われる話し合いで、下級生に優しくしなくてはいけない場面も出てくる。


 アカデミー内であるがゆえに、爵位の高さも関係がない。


 実際にあるのだ。

 何処かの中等科の子爵家の息子などが、誰よりも目立ち、そのままヒーロー街道を駆け上がってしまう場面が。


「私達の希望店舗はもう決まってるわ」

 アリアナが言うと、アイリの目がキラキラと輝いた。

 アリアナが文化祭用の学内地図を広げる。

「文化祭当日、正面玄関に一番近い屋外店舗は、飲食店が並ぶの」


 文化祭で使われる屋外店舗は、木製のコンテナのようなものだけれど、どれだけ飾り付けても問題はないので、町で出せそうな店舗に仕上がるのが一般的だ。


「それよりも西側。高等科のカフェの方に歩いて行く途中の店舗。明るくて、既存のカフェも近い。それに、ここは正面の店舗より大きな店舗が多いの」


 店舗のサイズは、大まかに3種類。

 小さいタイプは、ジュースや軽食を窓口で売るような店向きだ。

 真ん中のタイプは、店舗に入って色々と眺める雑貨屋などに向いている。

 一番大きいタイプの店舗は、テーブルを沢山置かなければならないカフェなどが使う事が多い。


 アリアナが狙っているのは、真ん中のタイプだ。

 生徒達が作ったカフェもいくつか出るけれど、それだけでは来場者を賄う事はできないので、既存の学内カフェも通常営業する。カフェへの通り道にあるのは利点だと言えよう。

 ホールとは逆側だけれど、それだけ人混みで見落とされる心配も少ない。


「ここを取れるように行動していくわよ」

「おー!」

 アイリとフリードがぐーにした手を天井へ突き上げた。

4人とも仲良くなってはきましたが、ドラーグはどうしてもわちゃわちゃに入ってきてはくれません。

フリードの方はけっこうノリがいいです。

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