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121 賑やかな陽光

 夏休みが明けて、久しぶりの昼食は、アイリの提案もあって、外で食べることにした。


「ここのサンドイッチも久しぶりだわ」


 ワクワクと昼食の入ったバスケットを手にする。

 シシリーとアイリ、それにドラーグとエリックも一緒だ。


 草原に大きなシートを広げ、居場所を確保する。


 アカデミー生のみんなは、久しぶりに家から解放された食事にワクワクしているのか、その日の草原は、シートをひいてお昼の時間を過ごす生徒が多いようだった。


「ごきげんよう、アリアナ様」


 声をかけてきたのは、フリードだった。


「ごきげんよう」


「学校で会うとは珍しいね」


 確かに、いつも会う時はパーティー会場だ。

 こうした長閑な情景の中で見るフリードも、なかなかにキラキラしい。

 煌びやかさではエリックも負けてはないけれど、フリードはどこか、磨き上げられた煌びやかさに見える。

 立ち居振る舞いも全て、自分を綺麗に見せる為に全力を注いだ結果なような気がするのだ。


 純粋に綺麗さや洗練さでレイノルドに敵う者はないけれど、その分、近くにいると居心地の悪さを感じるご令嬢は多い。

 フリードの磨き上げられた宝石のような姿を眺める方が好きなご令嬢も居ることだろう。


「友人を探しているんだけれど、居なくなってしまってね」


 困った笑顔。

 その困った笑顔ですら絵になるのだから。


「では、ここで食べませんか?」

 声をかけると、フリードがふんわりと微笑む。

「じゃあ、お邪魔させていただきましょうか」



 それからも、立て続けに訪問客がやってきた。

「アリアナ!」

 と気軽に声をかけてくれたのはアルノーだったし、

「アリアナ様!」

 と尻尾を振って走って来たのはシャルルだった。


 アルノーは、レイノルドが一人で行ってしまったので、アリアナと昼食を食べようと探してくれていたらしい。

 シャルルは、夏休みが終わって、中等科の中でも剣術で優秀な生徒が選ばれる、高等科の剣術訓練の見学会に参加しているので、近くの訓練場に居たという事だった。


 思った以上に大勢で食べる事になっちゃったわね。

 それも、ハーレムに入れようとしていたメンバーばかり。


 アリアナは、周りを見回す。

 ノーマン伯爵家のシシリー、ヒロイン気質のアイリ、タイリウ商会のドラーグ、王子様のエリック、スレイマン伯爵家のフリード、それに、魔術師のアルノーと、バーガンディ侯爵家のシャルル。

 ハーレムに入れようとしている全員ではないものの、まさに、豪華な顔ぶれだ。


 ねえ、左門。

 ほら、見て。

 私、なかなかこの場所に似合ってると思わない?

 あなたが見た夢は、馬鹿にされる理由もない、素敵な夢だと思わない?


 私なら、きっと叶えられると思うの。


 あなたと同じ魂で。

ちょっと一息な昼食風景でした〜。

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