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1 公爵令嬢は前世を思い出す

 エンファウスト王国。

 小さいながらも、妖精が住むというほど美しい森を讃える、唯一無二の国だ。

 エンファウスト王国には、国を治める王家以外に、公爵家が二つ存在する。

 一つは、代々王に仕える大魔術師の家系、ルーファウス家。

 一つは、代々王に仕える騎士の家系、サウスフィールド家。


 何を隠そう、アリアナはサウスフィールド家の長女だ。


 上に兄が。

 下に弟と妹がいる。


 そんな、王宮近くの大豪邸の、一際明るい陽が入る南向きの部屋。

 爽やかな白とピンクを基調としたベッドで、アリアナは目を覚ました。

 ピチュピチュと庭園の小鳥が鳴く。

 いつもの風景。


「痛……っ」

 頭を押さえる。


 夢を、見た……。


 そう思った。


 ううん、違う。


 寝室にある、大きな金縁の鏡を覗き、少しの違和感と向き合う。


 蜂蜜色のふんわりとした長い髪。

 ヴァイオレットの瞳。

 それは、見慣れた自分の顔。


 アリアナ・サウスフィールド。

 15歳。


 夢の中の自分は、この顔ではなかった。

 けど、それが自分であると認識していた。

 そう。あれも自分だった。


 あれは……。


「本当に、あったこと……」


 前世?

 前世なんて、本当にあるの……?


 でも、そうじゃないと説明がつかない。


 長い夢の中で、私はこことは違う世界に居た。


 雑居ビルに囲まれた繁華街。

 行き交う人々。

 眩しいライト。

 電車が走る音。


 私は、そんな世界に居た。


 確かに、居た。


 鏡に映る自分を眺め、頭の中を整理していると、


 ガシャン!


 と音がした。


 顔を上げると、金で細工がしてある扉が開き、侍女のサナがまじまじとこちらを見ていた。

 足元に水の入った器が落ちている。

 サナは涙を浮かべると、早足でこちらへ駆け寄ってくる。


「アリアナ様!お加減は大丈夫ですか」


「え……?」


「今、主治医をお呼びしますね」

 そう言うと、サナは、扉の外へ、

「ジェイリー!主治医をお呼びして!」

 と声をかけた。


「サナ?私……どうしていたの?」


「アリアナ様……。アリアナ様は、1週間も目を覚まさなかったんですよ」

「そんな……に」


 その間、ずっとあの世界の夢を見ていたというの……?


「覚えていらっしゃいますか?泉に落ちられて、熱を出して……」


 そうだ……。

 猫を助けようとして、そのまま落ちて……。


「あの猫は大丈夫だったの?」


「ええ……!」

 サナは心底ほっとした顔をした。

「今は、庭師のサムが庭で世話をしております」


「そう……。よかった」


 猫を助けたのが、ついこの間のような、ついさっきのような気がする。

 ううん、待って。

 確かに、さっき猫を助けたわ。

 そうだ。

 私の前世は……猫を助けてトラックに轢かれ、それきり……。


 けど、今は、アリアナとして、私が存在している。


 夢を思い出す。

 まるで、長い長い映画のようだった。

 くっきりとしているくせに、そのくせおぼろ気で。


 その日、アリアナ・サウスフィールドは、前世を思い出した。

 異世界の、日本という国。


 雑居ビル街の片隅で、ホストをしていた。


 それが、私の前世だ。

今度こそ、人が死なないほのぼの学園ラブコメを目指して!

イケメン多めで頑張りたいと思います。

どうぞよろしくね!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! [一言] 追ってまいりますので、執筆頑張って下さい!!!
2023/06/06 22:16 退会済み
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