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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
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女子会と変態貴族

「ルーカス様が喜ぶ様な贈り物、ですか。護符以外だと確かに贈っていませんね。」

「そうでしゅ!いつもご主人しゃまに貰ってばかりでは奴隷として申し訳ないでしゅ!」

「ふむ。一理あるな。俺も御使様に命を捧げているが、それとは別の捧げ物が必要に思える。風風(フェンフェン)はどう思う?」

「いちいち鬼ゼラは重いアルね。悩む事なんか無いヨ。皆好きなもの好きなように贈れば良いネ!男は廻りくどいの嫌うアル。」


姦しい美女4人衆はドラゴン・スロートの街を練り歩きながら、土産物や服屋などを物色していた。


「あの鬼人族、べっぴんだなぁ。俺、ナンパしてみようかな?」

「バカ!あの女はこないだ賊崩れの冒険者をギルド前で何人も返り討ちにした『赤鬼』だぞ!ヤバイって!」

「しかも、あの4人、全員1人の貴族の連れだって噂だ。。。」

「羨ましすぎるだろ、ソイツ。」


振り返る男達は彼女達に見惚れながらも声をかけられずにいた。


圧倒的実力差もそうだが、冒険者にしては豪奢な装飾品を身に付けているからだ。


(フェン)ちゃん、最近それお気に入りですわね?」

「ルーカスから貰った青龍を象った髪飾りネ!綺麗アルな!」

「全員、御使様から一生かかっても買えないような宝石で髪飾り作ってるからな。俺のは虎の爪を模した装飾だ。」

「ティア様が不死鳥の羽根のデザインで、エルメのがハートでしゅ!」


どれも家一軒買える値段がする装飾品を惜しみなく与えるルーカスは既に前世であったはずの金銭感覚が崩壊していた。


ティアとゼラがその崩壊に歯止めをかけようといつも奮闘しているのであった。


「ルーカス様って、大雑把な性格ですから、良く物を散らかすんです。」

「それにすぐラクしようとしましゅ。」

「そうだな。御使様は安易に奇跡を使おうとなさる!これでは市井の者に神の力が侮られてしまう。俺達に任せて貰えば、下の世話から何から何までやるというのに!」

「アイヤー鬼ゼラ。。。言っとくアルけど、ルーカスがやってる奇跡ってのは半分悪ふざけみたいなものネ。。。」


熟考の末にティアはからくり魔道具を、エルメは魔族達の住むレダニマギス大陸名産のデモンアザミの花、ゼラは古本屋で見つけた魔導書、風雪(フェンシェ)はドラゴン・スロート特産の火竜模様のマフラーを買った。


「どれもルーカス様が喜びそうです!」


ティアはキラキラと子供時代に戻ったようにからくり魔道具を見つめていた。


そんな彼女達のショッピングに水を差すような連中が現れた。


「おやおや、こんなところに美女が揃っているな?お前達、この我輩にぴったりの娼婦だとは思わないか???」


でっぷりとした体格のいかにも下品そうなデブ貴族が大勢の子分を引き連れてティア達の目前に立ち塞がった。


「へ、へへぇ!もちろんでさぁ、って!?タロン様!?あの方は聖教会のシスターですぜ!?」


デブ貴族はティアを舐め回すように(主に顔と胸と臀部と脚を)見ると問題ない、と言葉を続けた。


「気にするでない。聖教会の女など、どうせ孤児員出身であろう?少し弄んだくらいでどうということもあるまい?おい!そこの女!我輩に服を脱いで尻を見せろ!今すぐだ!」


ティアは突然の事に怖気で身体が震えて声も出なくなった。


ブチッ!!!という何かが切れる音と共に、ゼラの周囲が帯電し始め、地面の小石が浮き始める。


灼熱のオーラを纏った燃える赤髪を逆立たせたゼラがデブ貴族の前に立ち、金棒を肩に置いた。


「誰が娼婦だって????んん?尻がどうとか言ったな?お前の汚ない尻ごとあの世へ吹き飛ばしてやろうか???」


危機感の無いデブ貴族は相変わらず人の話を聞かず、傍若無人な発言をした。


「おお!なかなか活きの良い態度と身体をした赤毛ではないか!よいよい!お主も早く我輩に尻を見せんか!」


デブ貴族がゼラの臀部に手を伸ばし、ゼラの眼からハイライトが消える瞬間に風雪(フェンシェ)が横から割り込んで貴族の手首を捻り上げた。


「イダダダダダ!!!何をするか!?そういうのが好きなのか???お主も我輩に尻を見せたいのか?熱心な娘だな!?どうなのだ?」


風雪(フェンシェ)は完全に呆れ顔だ。


「ハァ。ルーカスも尻フェチだからスケベ心ということで許すアルよ。でもそれはルーカスだけネ。お前は病気ヨ。という訳で喰らうアル。」


ドムン!!!!


風雪(フェンシェ)の蹴りがデブ貴族の股間に当たり、身体が空中に浮いた。


野次馬の男達も悲痛な顔で股間を押さえている。


「アッ!?アッ!?グァァァァァ!!!!」


デブ貴族は地面に蹲り、醜い苦悶の表情で呻いた。


(ウォ)の温情で玉片方だけにしといたアル。(ウォ)は病人には優しいので3回だけチャンスやるネ。次来たらもう片方ネ。その次来たら目玉(メンタマ)取るネ。その玉は医者行って治すアル。話は終わりヨ。」


振り向きざまに風雪(フェンシェ)はゼラに囁いた。


(鬼ゼラ、このデブ殺したらマズいアル!落ち着いて、服の紋章見るネ!)

(ッ!?)


紋章に気づいたゼラは驚いた。


何故ならこのデブ貴族タロンはバーバノン王国の隣国、ガーガンド帝国の高位貴族だったのだ。


「や、やべぇ!!!タロン様がやられた!」

「ズラかるぞ!!」

「テメェらちょっと顔が良いからってタロン様に舐めた真似しやがって!!次会ったら必ず全員ひん剥いて犯してやる!ヒヒヒ!待ってろよぉ!?」

「フヘヘへへ!!待ちきれねぇなぁ!?」


デブ貴族の取り巻き達は余裕の表情で引き下がっていった。


「・・・・厄介な奴に絡まれたアルね。とりあえず宿に戻るヨ!!」


新たな波乱がルーカス達に襲い掛かろうとしていた。

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