討伐終了と、新たなダンジョン
チャイナ娘は顔を綻ばせ、美味しそうにビーフンを掻き込んでいた。
うん。
チャイナ娘は豪快に食べててもめちゃくちゃ美少女だった。
「良く食べる女だな・・・遠慮というものを知らないのか・・・」
ゼラさん、あなたもしっかり茶碗3杯くらいお粥食ってますよ。
「モグモグ・・・ゴクッ!あ゛〜〜〜〜好吃!美味っ!!さっきはヌンチャク謝謝ね!我は王武・風雪ね!もう一個名前あるんだけどフロストね!って言っても分かんないだろうけど、ここでは使い分けないから、どの呼び名でも呼ぶが良いアルよ!ヨロシク!」
「俺はルーカス・ブラックだ。よろしく、深圳市の風雪。それともフロスト・ウォンか?」
「ブフォッ!!??出身なんか言ってないアルよ!?」
風雪は盛大にビーフンを吹き出した。
「姉御がこんなに品の無い食い方するなんて・・・」
「猫被ってたんでやしょうか。」
「でやんす?」
「お前のその変な喋り方、絶対ワザとだろ。この世界では地球のどの言語もこっちの言葉になるように転移者、転生者は調整されてるんだ。」
フェンシェは気にもしない風だった。
「今更止めないヨ。言葉分かんないフリしてれば初心な男達が勘違いして、頼んでもないのに色々助けてくれるアルよ。」
「なるほど。なかなか強かな作戦だな。」
「御使様!この女狐を信用してはいけません!絶対油断しちゃダメです!同業者のニオイがするんです!」
ゼラはさっきから風雪に噛み付いている。
「あ゛?黙れ鬼トウガラシ。さっきから聞いてりゃ吊り目だのキツネだの、我の故郷では最大の侮辱ね!次言ったら殺すアルよ!」
「俺を殺す?フッ、出来るわけないだろ。」
再び女の闘いが始まりそうだったので、2人の頭を撫でた。
「そうカリカリするな。料理が不味くなる。ゼラ、文化の違いってのがあるんだ。これから少しずつ教えてやるから、理解してやれ。彼女も久しぶりに元の世界に居た人間に会って打ち解けたくて砕けた感じになっているんだ。風雪、君はもう少し言葉遣いに気をつけろ。この世界の文化を尊重する姿勢を見せるんだ。せっかく努力してるのに、台無しになっちまうぞ。何でも強気の交渉で済ませるな。ゼラも似たような感じだから、気をつけような。」
ゼラも風雪も急にしおらしくなって顔が赤い気がするんだが。。。
「申し訳ありません、御使様。」
「・・・・好厲害・・・・」
ガヤ三兄弟は哀しげな表情で揚げパンを齧っていた。
「も、もう俺たち空気なんじゃねぇでしょうか?」
「・・・・・」
「儚い夢、でやんす・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜
「怪我人の治療をしていたらルーカス様がまた良い人を・・・」
「節操なさすぎましゅ!!エルメは抗議しましゅ!!!!」
鍛治ギルドに戻ると、とても不機嫌そうな顔でティアとエルメが俺たちを待っていた。
「人聞きが悪いな。俺は別にこのチャイナ娘とは何も致して無いぞ。」
「いいえ、ルーカス様、断言しましょう。貴方様は致すんです。わたしには未来が見えます!」
「おっ!?ティア様開眼!!」
ティアとエルメの仲良し漫才に付き合って場合じゃないな。
「我とルーカスのとこの鬼トウガラシで黄金ワーム倒したアル。冒険者ギルド行くアルけど、鍛治ギルドから討伐依頼出てるなら報酬は折半するアル。」
風雪は俺の顔をきちんと立てるようだな。
もうこれ以上、ゼラと喧嘩しないでもらいたい。
「風雪、お前を信頼しよう。ほら、俺の仕舞った討伐部位も持っていけ。俺はここに用事があるからゼラと一緒に冒険者ギルドに行って報酬を受け取ってきてくれ。くれぐれも喧嘩なんかするんじゃないぞ、2人とも。」
「御意。」
「分かったアル。」
2人は冒険者ギルドへ向かい、俺は鍛治ギルドのマスター、ガンクツと話をした。
「ガンクツ、ポーションは役に立ったのか?」
「あ、あぁ。おかげでたくさんの冒険者が生きて戻ってこれたわい。何体かロックワームを討伐出来たんじゃし、鍛治ギルドも通常通り坑道から鉱石が届くじゃろう。。。」
「それは何よりだ。ちなみに坑道、ダンジョン化してたぞ?どうするんだ?」
「な!?なんてことじゃ!?それではまたすぐに魔物が湧いてしまうじゃろう!?」
ガンクツは再び頭を抱えることになった。
俺はガンクツに提案してみた。
「俺がどうにかしてやろうか?」
「な、何じゃと!?ダンジョンは危険じゃ!!日が浅くとも何十もの階層が作られ、その勢いはもう止められないんじゃ!どうにもできん!!」
「出来るさ、俺が奥まで辿り着いてしまえば良い。」
ドラゴン・スロートにもう一件、物件を確保してやろう。




