中華料理にはトウガラシ
「【空転千脚】!!!ハァッ!!」
「【鬼雷閃】!!!」
ドガッ!!!
ガキィンッ!!!!
「!?硬い芋虫アルね!!」
「クソッ!!短剣が!」
ギュエーッ!!!!!
ゼラの短剣は黄金ワームに攻撃を当てた衝撃で根元からボッキリ折れていた。
俺はそれを見てすぐさまダンジョン産のミノタウロス斧を【加工】して、ゼラに放り投げた。
「ちょっと重いかもしれんが!受け取れゼラ!」
黄金ワームがうねらせる体当たりをうまくかわしたゼラは俺の作った武器を掴んだ。
「!?御使様!これは!?」
「そういう敵にはお誂え向きの武器だ!」
ミスリルと鋼を混ぜ込んで作った即席の軽量化金棒だ。
ゼラはクルクルと体を回転させ空中に跳び上がり、金棒を黄金ワームにぶち当てた。
「【旋雷棍】!!!!」
ボグッ!!!!!
ギョエーーーーーーーッッッ!!??
「御使様!凄いです!軽いのに面白いぐらいに攻撃は重い!!!」
波に乗っているのか、ゼラはバチバチと放電しながらさっきとは比べ物にならないスピードで戦っている。
俺は引き付けられた大量のロックワームに囲まれていた。
「さぁ、ドラゴン・スロート・ダンジョン前哨戦といこうじゃないか。【ヌンチャク術・極】!!」
ヒュンヒュン!!ヒュンヒュン!!!
ドグッ!ボガッ!ズガッ!
俺はヌンチャクを取り出し、あらゆる方向から襲いかかるロックワームを叩きのめしまくった。
「ちょっ!?ズルいアル!!銀髪男!!私にも同じのを寄越せ!!!!」
俺は土魔法で作った即席ヌンチャクをチャイナ娘に放った。
「・・・なんか粗末ないアルか???」
「じゃあ返せ。」
「謝謝你!!」
なんだかんだ言って使い始めるチャイナ娘。
うまいこと黄金ワームにダメージを与えている。
「なぜあの女が御使様と同じ武器を・・・」と寒気のする恨み節が聞こえてきたが、俺はあのチャイナ娘が異世界転移者だと『鑑定』で見抜いた。
おそらく前世の大陸出身者だろう。
しかも結構なアニオタコスプレイヤーと見た。
俺は早々にロックワーム達を片付けてしまったので、2人の援護に回った。
「鬼トウガラシ!お前の主人、なかなかやるアルね!!」
「うるさいぞ吊り目珍獣!!御使様を上から目線で!タダで済むと思うなよ!!」
「おい、『核』が露出してるぞ?どっちがトドメ刺すんだ?」
ギョエーーーー!!!!
玉砕覚悟で突っ込んでくる黄金ワーム。
「俺が叩く!!」
「吃我的脚!!!」
ゼラの金棒とチャイナ娘の蹴りの一撃がほぼ同時に黄金ワームの核を破壊した。
ゴロゴロと金塊などの希少鉱石に姿を変える黄金ワーム。
『鑑定。2人とも経験値を獲得しました。転移者と共闘することで、この世界の人間は経験値に補正がかかります。』
なるほど。
勇者マサルやそのパーティメンバーがあの強さなのは意外にもマサルが一緒にいるだけで、って事もあるのか。
そういえば最近ティアもエルメも戦闘時の動きがやたら良い様な?
「やったアル!!!これで大金持ちアル!!」
俺はすぐさま金塊を【影収納】に半分ほど入れた。
「ちょっ!!!???と待つアルね!」
チャイナ娘は俺に突っかかってきたがすぐにゼラが止める。
「さっきから聞いておけば・・・御使様への無礼!ここで謝罪しろッ!!!」
「ハァ???金塊泥棒が何言ってるアルね!!!獲物を横取りするな鬼トウガラシ!!」
「黙れ!!珍獣吊り目!!!」
ゴン!!ドガン!!バキッ!!
ちょっと激し目のキャットファイトを尻目に、俺はどんどんロックワームの素材を集める。
「おお!!翡翠に瑪瑙にルビーにラピスラズリ!!お!?これはターコイズ!!!儲かりまんなぁ〜〜〜!!!」
「お、おい!!銀髪のおにーさん!?アンタなんてことを!?」
「どどど、どうしやしょうか???」
「に、逃げるでやんす!でやんす!!」
「おい盗賊風三兄弟。今から飯作るからちょっと手伝え。」
「「「俺達は兄弟じゃねぇ!!!!(でやんす!!!)」」」
そうは言ったが押しに弱い従順なガヤ三兄弟(?)は俺の土魔法で作ったテーブルにちゃんと配膳してくれている。
「おにーさん、コレなんて料理やしょうか?」
「これか???コレはあのチャイナ娘の故郷の料理だな。屋台飯ってやつだよ。あいつら、朝飯は屋台で食う、って習慣があるんだ。ピータン、お粥、ビーフン、饅頭、腸粉、豆乳に揚げパン、そういえば秋刀魚も人気だったな。地方によっても違うが、色々あるな。」
「すげぇ美味そうだ。。。」
「神!!!でやんす!!!」
ぐぎゅるるる〜〜〜
闘っていたゼラとチャイナ娘の腹から間の抜けた音が聞こえてきた。
「ハァハァ・・・金塊については半分は諦めるアル・・・今はあのゴマ油芳ばしいのが冷めないうちに食うアル!」
「ゼェゼェ・・・当たり前だ・・・俺だってちゃんと闘ったんだ・・・御使様の料理を逃したとあってはこのゼラ、生きる価値もない!さっさと席に着くぞ!」
喧嘩を収めるために料理を召喚したが、後でティアとエルメにも恨まれないようにたんまりと中華料理と宝石を渡そう。




