黄金とチャイナドレス
俺とゼラは崩落した坑道の中に入ったがすぐにこの場所の異変に気が付いた。
「ゼラ、分かるか?どうも魔素の量が多い。」
「ええ、俺もそう思います。坑道がダンジョン化している様ですね。」
俺はロックアームが通ったとみられる場所の穴を土魔法で塞いだり、岩を取り除いたりしていった。
「御使様の魔法は、、、ずいぶん強力ですね。詠唱もなく、これほど強固な支柱や岩盤を均一に生み出せるなんて。」
「ゼラも魔族なら出来るだろう?」
「とんでもない!鬼人族は繊細な魔力制御が苦手なんです。俺なんてハーフだし、剣に属性を纏わせるくらいが精一杯です。火と雷だけですが、、、」
実はゼラは魔族でも3属性操れれば宮廷魔導士になれると言われるところ、若くして2属性も操れる秀才であった。
それに『固有スキル』が加わればかなり強い。
それでも油断すれば力の強い傭兵に不意を突かれて押し込まれたりしてしまう時もあるが。
「そう卑下するな。ん、こいつらは生き埋めになっていた冒険者達か?」
崩落した岩を取り除いたら、怪我をした冒険者達がいた。
「呼吸はあります。身体中骨が折れて、意識がない様ですね。」
俺はハイポーションを使って怪我を処置すると、後続の冒険者達が担架で怪我人を運んでいった。
「何だ。あいつらロックワームを討伐しに来たんじゃないのか?」
「御使様、きっと高ランク冒険者でなければ歯が立たない魔物です。普段、ツルハシしか振るわない彼らの敵う相手ではないかと、俺は思います。」
その後も何度か散発的に魔物に遭遇したが戦闘にはならなかった。
何かに怯えて逃げている様に見える。
広い空間に出たかと思うと、地震の様な揺れが起きた。
「近いな。来るぞ、ゼラ!!」
「はい!!」
ゼラが剣を抜いた瞬間に別の坑道から冒険者が現れる。
「ハッハァッ!!クソッ!あの金ピカの芋虫はどこに逃げたアルか!!!」
「あ、姉御ぉ!?もう止しましょうや!?」
「あんな化け物ほっといて逃げましょうよ!」
「でやんすでやんす!!!」
ド派手で際どいスリットのチャイナドレスに、おさげの黒髪が映える超絶美少女、そして盗賊風の子分が3人。
「ゼラ、もしかすると、もしかしてだな。」
「無視です無視。俺は何も見なかった。」
「おい!そこの男!!無視するなアル!!」
うわぁ。見つかっちゃったよ。
ゼラが俺の前に出た。
「御使様に何の用だ?吊り目女。」
「あ゛?なんか言ったアルか?トウガラシ頭。今ここで死ぬアルか?」
両名視線がぶつかり合い、怒りのオーラに俺も子分達もタジタジだ。
「た、たいへんだぁ!あ、姉御が2人に増えちまいやした!?」
「ど、どうしやしょうか?」
「逃げるでやんす!でやんす!」
「気持ちは分からんでもないが、、、始まるぞ!!!」
ドゴォン!!!!
ギュエーーーー!!!!
巨大な金色のロックワームが坑道に大穴を開けて襲いかかってきた。
チャイナ娘と子分達が喚き立てた。
「ここで会ったが3000年目アルね!!!この金塊を持って帰ってウハウハね!」
「姉御ぉ!!」
「やっちまってくだせぇ!!」
「ガッポリでやんす!!!」
「ゼラ、気をつけろ。あの1匹だけじゃないぞ。俺はザコを抑える。ゼラはあの黄金ワームをやれ。」
「御使様の意のままに!」
俺達とチャイナ娘達とのロックワーム討伐が始まった。




