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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
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落盤事故

「ここらに鍛治ギルドがあると聞いてるんだが、知らないか?」

「あぁ?オメェさん、この辺初めてか。興味本位で聞いていいか?鍛治ギルドにゃあ何の用事で来たんだ?」

「もちろん、登録する為だ。」

「はぁ!?オメェさんが鍛治師!?その良いとこ出のナリに、女連れでか?まじかよ。。。」


俺達は鍛治ギルドを探して鍛冶屋を3軒回ってみたが、何処でも似たような反応をされた。


「そうか。オメェさん、まさかとは思うが、〝おさげの女〟の一味、じゃねぇだろうな?」


「ん?誰だその女は?おさげなんてどこにでもいるだろ?」


鍛冶屋の親父が言うには最近、配下3人を引き連れた黒髪おさげの超絶美女の冒険者が、『鍛冶屋に舎弟を弟子入りさせろ!』『もっと強い武器は無いのか!』などと無理筋を言い放ち、トラブルを連発。


衛兵と冒険者ギルド職員が毎回出動し事を収めるが、かなりの確率で男連中は言いくるめられてしまうらしい。

概ね胸ぐらを掴まれてその美しい顔立ちに引き寄せられて強気の眼で恫喝されるという。


「いやぁ!あん時はいい匂いがしたもんだ!だがダメなもんはダメだ!まぁあの娘はウチのカミさんに耳をつねられて説教されていたがな。。。」

「男ってのは大概スケベだからな。わかりみが深い。そしてオバちゃんに勝てないのは世界共通だ。たとえ異世界だろうともな。」


グラナパイアの遥か東にある島国トキムネ出身者の様な顔立ちながら、奇妙な言語を喋り、腕っ節はめっぽう強くこれまで採掘場に出現する魔物を多数討伐しているという。


「それなりに街に貢献はしてくれてるんだがなぁ、、、」

「ふむ。遠目で見る分には面白そうだが、関わりたくはないな。」

「ルーカス様、珍獣少女などに関わってはいけませんよ?」

「うへぇ〜!ティア様の眼が邪眼に!!」

「俺が御使様を守らなければ。。。」


ウチのガールズが何だか騒めいているな。


「まぁなんだ。俺達にも門外不出の技や素材とかってのがあるんだよ。ここに骨を埋めるつもりの奴だったり、ここが生まれの奴らがほとんどなんだ。お貴族様に武器や防具は売るが、いくら積まれても技とここの素材は渡せねぇな。」


職人気質で閉鎖的だったな、鍛治ギルド。

もう独学でやろうかな。


「せっかく錬金術ギルドにも加入したんだがな。」

「何だよ兄ちゃん。先にそれを言えや。だったら鍛治ギルドにも案内するし、素材融通するぞ。」

「ずいぶん手のひら返しだな?」

「当たり前だ。鍛治仕事では火傷が多いし、素材だって見つけるのも取ってくるのも大変なんだ。錬金術師はいくらいても足らん。冒険者はほれ、その、何だ。」

「物の価値が分からない?もしくは見分けられない?」

「そうだ。可哀想な話だが、これで武器作ってくれ、ってタダの石ころを持ってこられるこっちの身にもなってみろ?相手してられるほど暇じゃあねぇんだ。」


俺は親父さんに紹介してもらい、ドラゴンスロート鍛治ギルドの扉を開くと沢山の冒険者が集まっていた。


「被害はどれくらいだ?」

「冒険者が数人、生き埋めだ。指揮してた錬金術師も大怪我だ。」


どうやら坑道で事故があったらしい。


「この騒ぎは何だ?」

「あ、アンタは宿にいたワイバーンの!」

「ケッ!貴族が何の用だ!」


冒険者が苛立って此方に詰め寄ってきた。


「おい貴様!この方に失礼をすれば、首を刎ねるぞ!!」


ゼラが短剣を抜いて冒険者の首に当てた。


「ヒィ!?ま、魔族!?」

「み、見えなかった。この女、つえぇ。。。」


元闇ギルドでヴェンジェンスのリーダーだったんだからその辺のごろつき冒険者に遅れを取るわけないだろ。


「落ち着けゼラ。お前ら冒険者もだ。俺は鍛冶屋の親父さんに紹介されて来た錬金術師で、ルーカスという。ほら、会員証。」


「あ、あんた錬金術師だったのかよ。どっかの放蕩貴族じゃなかったのか?」

「どうでもいいだろう?今はそれどころじゃ無いんじゃないか?」


実際はもはや貴族みたいなもんだが面倒だから出自は説明しない。


「わたしはティア。ルーカス様の妻で、聖教会の神官です。 怪我人の元へ案内してください。私も治療をします。ルーカス様よろしいですよね?」


ティアは事故に遭った者を放って置けないようだ。


「分かった。何かあったら転移の腕輪を使うといい。エルメ、護衛としてティアと一緒に動いてくれ。」

「はいはーい!!」

「ありがとうございます!ルーカス様!」



鍛治ギルドのマスターが場を収めた俺に礼を言いに来た。


「本当なら冒険者ギルドのマスターを呼んでお前さんに詫びを入れさせたいところじゃが、すまんな。ワシはここのマスターやっとるガンクツじゃ。」

「鍛冶屋の親父さんの紹介できたルーカスだ。会員証で示した通り錬金術師なんだが、ここにも登録に来たんだ。」

「悪いがその話は後にしてくれ。お前さんポーションはどれくらいある?」


俺は【影収納】からミドルポーションを30本ほど出した。

暇すぎて旅の途中、馬車の中で量産してしまったのだ。

作ってるうちに上達してハイポーションも作れる様になった。


「全部じゃ無いんだが、足りるか?」

「足りるし、買い取る!!!これで奴を倒せるかもしれねぇ!」

「奴って?」

「ロックワームだ!坑道を掘って貴重な素材を取り込んで移動しちまう魔物じゃ。ここ数日落盤が多くてな。困ってたんだが遂に怪我人が出ちまってのう。もう討伐するしか解決策は無いんじゃ。」


思ってたより深刻な事態だな。

俺の大好きな厨二病武器の製作が滞ってしまう。


「ロックワームを殺してこよう。」

「いや、お前さん、錬金術師じゃろ?どうしてそうなる。」

「別に錬金術師が魔物を倒しちゃダメなんてルールは無い。」

「いやいやいや、ちょっと何言ってるんだか分からないんじゃが?」


痺れを切らしたゼラが一喝した。


「おい!いいかげんにしろ!御使様が行くと言ったら行くんだ!行きましょう、御使様。」

「ま、待ってくれ!!いったい何者なんじゃ!?お主ら!?」


俺達は先程の冒険者の襟首を引っ掴み事故現場に向かった。

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