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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
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捕らえられたゼラ

「へぇ〜モグモグ、、、、なるほど、そんなことがあったんですねぇ、、、ムグムグ、、、」

「ダンゴちゃん、、、行儀悪いでしゅ!」

「まぁまぁ、ルーカス様は食事中に会話は許可なさっていますけど、口の中に食べ物が入ったまま喋るのは不潔かと。。。」


俺はダンゴちゃんにヴァイケンの現状について語った。


ダンゴちゃんの率いるゴブリン軍団によれば、マッスル・ダンジョンで少し変わった魔物の素材が取れたという。


「カメレオンの魔物?」


「はい。ダル・カメレオンという魔物で、擬態して周囲の風景に溶け込むんです。普段は面倒くさがりで高い所から一切降りてこないんですけど、罠に良い感じに引っかかりまして。試しに革を使って鎧を作らせてみたんですが、なかなか面白いんです。魔力を込めたら風景と同化するので、冒険者達が買い求めています。魔力がない者でも魔石を使えば同じ効果が得られます。儲かりまんな〜!」


変な洒落を吹き込んだ俺が悪いのか?

他にも貴族がオシャレのワンポイント素材として買うらしい。


俺の分の鎧も作ってあるようだった。


「ゴブリン達にボーナスでも出しておくか。ダンゴちゃん。バトラーを呼んでジムの拡張について検討させよう。次はボルダリングとアスレチックだな。」


ダンゴちゃんは笑顔が引きつっている。


「もう冒険者からお金取れます、ってくらいの施設になってますよね。子供を連れてくる人もいるので困りますよ。ウチ、一応ダンジョンなんですけどね!!!迷子の案内を大声でしてたら【拡声】のスキル取っちゃったんですけど、どうしてくれるんです?マスタールーカス。。。」


「頑張れ、としか言えないな。」


バトラーを通して聖教会神父にヴァイケンの虐殺については報告が行った。

きっとカッセル伯爵の件が片付けば滞りなく支援されるだろう。


俺は【影収納】に貴重な薬草、鉱石、魔物の素材類や、ダンゴちゃんの売上の一部を収納し、風呂ゴーレムで皆と入浴した。


途中から昂ってイチャイチャしてしまったのはどうしようもない。


ダンゴちゃんはゴーレムだけど、不思議と体は柔らかい素材で出来ているから抱き心地は素晴らしい。


「ふー。さっぱりした!やっぱやることやらないと切り替え出来ないからな!!」

「私はもう寝たいです。」

「同じく。。。」

「久々にマスターの暖かみを感じれて、ダンゴちゃんは満足ですよ〜!!!」


すっかり遅くなってしまった。


「ヴァイケンに転移して宿に戻ろう。暗いから夜道に気をつけような。」

「行きましょうか。」


〜〜〜〜〜〜


隠れ家に転移し、宿に向かう。

宿では俺たちの帰りが遅くて心配されていたようだった。

一言謝ると部屋ですぐに眠りに落ちた。


翌日、宿の前に大量の衛兵が集まっていて物々しい事態になっていた。


「ここに神官とその一行が宿泊していると聞いている!!!通してもらおうか!!!」


どうやら探しているのは俺たちのようだ。


「どうしてこんなところに衛兵が??」

「ルーカス様、わたくしを狙っていた傭兵を倒したのが原因ではないかと。。。」

「あ、アレか。もうそろそろこの茶番に付き合うのも面倒になってきたぁ。旅行に来ただけなのにとんだ邪魔だな。頃合いだ。」

「ではご主人しゃま?やっちまいましゅので?」

「もちろん!!派手にやるぞ!」


俺は宿の扉を開けて女将さんと言い合っている衛兵を派手に蹴り飛ばすと宣言した。


「この街は俺たち『ヴェンジェンス』が貰い受ける!!!カッセル伯爵は死あるのみだ!!!我をと思う者は俺に続けぇ!!!!」


どの道、ゼラは今日決行すると言っていた。

獲物を横取りするつもりはないが少し手伝ってやろう。


「【ゴーレム召喚】!!!いでよコンバットゴーレムMK1!!!|マッドゴーレムMDMK1(マードック)!!!!」


ドン!!!と地揺れを起こして2体のゴーレムが現れた。


「『寂しかったですよ、マスター。』」

「『我、やっと、役に立てる。。。』」


なんか拗ねてるな。


「すまんすまん。雑魚ばっかりだし数もいないから、タイミングが無かったんだ。今日は派手に暴れていいぞ、と言いたいところだが殺生はなるべくナシで頼む。」


「『了解しました、マスター。非致死性武器の使用を推奨。カプサイシンスモークとホットチリウォーターガンにアタッチメントを切り替え・・・換装完了。暴徒を鎮圧します。』」


ガシャンガシャンと小気味の良い音を立ててMK1は真っ赤な銃とグレネードランチャーを敵に向けていた。


「コイツは〝辛そう〟だな。。。南無三。。。」


「『掴んで、捕まえて、手足へし折る。。。』」


MDMK1(マードック)はドロドロの身体に衛兵達を取り込んでボキボキとエグい音を立てている。


MK1がそこに唐辛子水を吹きかけるので阿鼻叫喚だ。

とても良いチームワークだ。

幸い死者はいない。


「適当に暴れておいて、後で追いかけてくれ。」

「「『了解』」」


〜〜〜〜〜〜


カッセル伯爵の城は火の手が上がり、周辺ではヴェンジェンスの一党と伯爵の雇った傭兵、衛兵が入り混じる大混戦となっていた。


「ティア!エルメ!渡した武器を使って戦ってみろ!!」

「「はい!!」」


俺は2人の安全を考えて予め護身用の武器を作っていた。


その名も『石化ステッキ』。


石突はコカトリスの爪、柄頭には『コカトリスの眼』を使っている。


当てれば石になり、離れていても邪眼の影響で石になる。


相手に聖属性の加護がなければ、ほぼ無敵だ。


「え、えげつない武器でしゅうう!!!」

「少なくとも聖教会ではこういった武器を認めてはいないかと!!」


何かいっているが順調に敵を無力化している。


「ヴェンジェンス達から離れないように援護しろ!!!俺はカッセルを探す!」


俺は城の壁を蹴り壊しながら進んでいたがあることに気がついた。


「【幽体化】で壁抜け出来るじゃん。」


俺はスイスイと城の中を障害なく進み、奥の部屋までたどり着いた。


気障ったらしい服を着た青年と、大男、それに捕らえられた1人のヴェンジェンスが居た。


「ハッハー!!!間抜けな子狐が1匹、ボクちんの罠にハマっちゃったねぇ〜〜!!!!」


「このゲス野郎!!!放せ!!殺してやる!!!」


「グヘヘへへ!コイツ女だったのかよ!!揉みがいのあるチチしてんじゃねぇか!!!」


屈強な傭兵がヴェンジェンスの1人を後ろ手に掴み、フードを取ると、迸る炎の様に美しい赤毛の女性が凛とした瞳に憎しみを宿し、カッセルを睨んでいた。


「んん?よく見たらベルーガの娘じゃん?ゼラだっけ??久しぶりだねぇ!」


「黙れカッセル!!!父を殺したお前が俺と父の名を口にするな!!」


カッセルは両耳を押さえた。


「うるっさいなぁ。闇ギルドが義賊ぶってボクちんの奴隷にちょっかい出すから殺したんじゃないか。折角おもちゃにしてたのに逃しちゃったりさぁ。しかも乞食にばっかり金をおとす聖教会の連中とつるんでさぁ。なんでボクちんの喜捨した金をそういう使い方するかなぁ?大人しくボクちんに従って弱者を嬲ってれば良いものを!もう皆殺しだよ皆殺し!!今から目の前の取りこぼしを始末しないとねッ!!!!」


「伯爵様!お待ち下せぇ!オラこの女の身体、気に入っちまっただ!!!穴という穴を塞いで痣だらけにして命乞いさせてから殺してぇダァ!!」


「そりゃあ面白そうだ!今やっちゃおうよボンゴ!!ゼラ、君が壊れていく様子、ベルーガに見せてやりたいなぁ。。。あ、もうボクちんが殺して沼に投げ込んじゃったんだった!!!忘れてたよぉ〜〜〜〜!!!」


ゼラは涙を流しながら拘束からもがいた。


「カッセルゥゥゥゥゥゥ!!!!地獄に堕ちろぉぉぉ!!!」


「堕ちるのは君だよ、バカだな。」


ボンゴがゼラの腹を殴り、衣服に手をかける。


「さ、触んじゃねぇ!!」

「グヘヘへへ!!もっと叫べ!!喚けぇ!!!」


ゼラに反撃の一手はない。


もう見てられんな。


「婦女暴行の現場を目撃した。現行犯逮捕してやる。」


「!?誰だてめぇ!!?邪魔しやがって!とりあえず死んどけやぁ!!!」


ボンゴと呼ばれた傭兵が俺にモーニングスターを振りかぶったが、華麗にいなし首元に一撃を入れて意識を刈り取る。


「がっ!?」

「ふん。口ほどにもない。」

「おいおいおいおい、ちょっと待っ、う!?」

「お前もそろそろ黙れ。もうゼラに触れることすらできん。次起きた時は、お前が死ぬ時だ。」


カッセルの腹をモーニングスターで軽く殴ると気絶した。


「ゼラ、立てるか?助けに来た。もう大丈夫だ。」


「うぅ、、、御使様、、、助けに来てくださったのですか??」

「まぁ、そんなとこだ。コイツらとお前を連れ出す。生き残りはいないのか?」


ゼラは力無く否定した。


「奴隷達は皆酷い死に方をしていました。ここはもう。。。」

「分かった、他のヴェンジェンスと合流しよう。」


俺は【影収納】でカッセルとボンゴを収納し、ゼラをお姫様抱っこして城を駆け降りた。


途中で沼に居た演説してた男が、でかい壺に隠れていたので壺ごと【影収納】した。


なんだか腕の中で「恥ずかしい。。。」とか「逞しすぎ。。。」とか「イケメンすぎて死ぬ。。。」とか聞こえるけど、気にせず行こう。


残党も粗方片付け終わり、ヴェンジェンスのメンバーも死者はいたが大部分は生き残っていた。


ゴーレム達も辿り着いた。


ティアとエルメも傷一つない。


「ティア、エルメ、怪我はないか?」


「無事です。その女性はどなたですか??」

「あーーー!!??ご主人しゃまが無自覚ナンパしてるッッッ!!」


ゼラは顔を真っ赤にしながら小声で「お、下ろしてくれ」と言った。


ヴェンジェンスの女性メンバーが俺にキラキラした眼を向けるのはなんでなんだ!!


「やはり石造りの城なだけはある。燃え移らなかったな。お前ら!!この城をどうしたい!!!」


俺は大声でヴェンジェンス達に聞いた。


「壊せぇぇえぇ!!!」

「皆殺しだぁ!!!」

「消し炭にしてやれぇぇぇ!!!!」


うんうん。

やはり禍根が残らないように一切合切無かったことにするのが1番だな。


「ゼラ、見ていろ。お前を苦しめたこの城を、俺が消してやる。MK1!この城を吹き飛ばせ!」


「『了解、マスター。ドローンを射出。コンポジットC4爆薬を構造物の脆弱部に設置中・・・・設置完了。効果範囲から退避してください。芸術的解体になるでしょう。』」


「吹き飛ばす!!離れるぞ!!!」


俺達は錬金術ギルドの傍まで退避して、爆薬を起爆させた。


ドガァン!!!!


爆音とともに城のレンガがクルクルとドミノ倒しのように下から崩れ、周辺に被害はほとんど出さずに更地になった。


「もうちょっとドカーン!!!といくかと思ったんだけどな。」

「『マスター、それでは周辺の建物や一般市民に被害が出ます。言ったでしょう?芸術的解体になるでしょう、と。』」

「う、うむ。まぁ良いか。ゼラどうだ?今どんな気分だ?」


ゼラは目を輝かせて俺に抱きついた。


「どんな気分かだって!?最っ高だよ!!御使様、本当にありがとう!!」


「随分仲が良いですわね、ルーカス様。」

「また増えそうでしゅ。」


何がだよ。

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