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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
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ヴェンジェンス

「ようこそ。此処が俺たち『ヴェンジェンス』の拠点だ。そして俺はこの小さな反乱軍のリーダー、ゼラ。」


案内された場所は粗末なベッドが並んだ暗い長屋だった。


「元々は闇ギルドの拠点だった。全員、カッセルに殺された。俺以外は。」


長屋には沼の近くで見た孤児達や老人、目を虚ろにした男性や女性などがベッドで寝転がったり蹲ったりしていた。


「此処はあのイカれた伯爵に家族や友人を殺された遺族が集まる場所さ。種族とかは関係無い。自然と集まるのは生計を失った孤児や浮浪者なんかになるな。聖教会の神官まで遊び半分に手をかけやがった。そのせいで教会が面倒を見てた孤児までこっちで受け持つ羽目になった。人殺しを楽しみ、弱者をいたぶり、神にも仇成すサディスト、それがカッセルだ。活きの良いやつは捕まってワニの餌食になったり、傭兵どもに殺されたりして困ってたんだが、お前があっさり手練れを捕獲してくれたおかげで〝決行〟が早まった。明日にでも伯爵の城を血に染め、奴を捕らえてデモンバイツフィッシュの餌にしてやる。。。」


相当恨まれてるな、伯爵。

やってることがクズすぎるので同情心も湧かないが。


「ゼラさん。わたしはルーカス様のお側を長く離れるわけには参りませんが、直ぐにでも教皇様にこの現状を報告して頂くようにしましょう。ルーカス様、転移先は此処でよろしいでしょうか?」


ティアは凄惨なヴァイケンでの虐殺を許せないようだ。


「ああ。良いぞ。次の街に行くまでに終わらせよう。その前に、

この孤児達は何だ??」


長屋に居た孤児達が俺達を囲んで物欲しそうに見つめていた。

ゼラは言いにくそうに言った。


「お前らは身なりがいいし、1人は神官だろ?つまりは、、、」


「食い物か。いくらでも出せるぞ。【料理召喚】。」


俺は目の前に大量の瓶牛乳とパンを召喚した。

孤児達は目を輝かせて腹を満たすのに夢中になった。


「・・・あ、貴方は神の遣いなのか???今までとんだご無礼を、、、」


ゼラは突然片膝をついて首を垂れた。


「ご主人しゃま、またやらかした。」

「はぁ。無自覚に奇跡を行使しないように言っておきませんと。。。」


ティアもエルメも呆れ顔である。

俺の『固有スキル』ってそんなに珍しいのか?


「まぁ良いさ。毎回飯の無心をされても困るが、カッセル伯爵が消えれば厄介事も無い。まぁ頑張れ。」


俺が出来るのはここまでだ。

後はダンジョンに戻り、物資を受け取ったら夜になる前に宿に戻ろう。


長屋の地面に魔法陣を描く。


「ここにゴブリン、蝋燭、リンゴ、蜂の巣を模したユニークな転移魔法陣を描いてみた。あとは俺の魔力を込めれば完成だ。」

「〝導きの光〟に魔族の合言葉、遊び心があって良いですね。」

「ゴタゴタした魔法陣は模倣しづらいですからねぇ!流石はご主人しゃま!」


俺は予めこの場所に突然現れることをヴェンジェンスの者達に承知してもらうようにした。


「ゼラ。よろしく頼んだ。」


「御使様のお心のままに。。。」


俺たちはマッスルダンジョンに転移した。

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