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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
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地上進出、いざヴァイケンへ

「ここがバーバノン王国ピアース街か。この世界に生まれてから朝日を拝むのは初めてだな。」


ダンジョン外部の丘に出た俺たち3人は、壮大な自然に囲まれた、賑わう前の微睡みから未だ目覚めない街を眺めながら呟いた。


「ご主人しゃまって、ダンジョンの外から来た異世界人では無いのでしゅか??」

「ルーカス様、それは初耳ですわ?」


ティアとエルメも驚いている。


「言ってなかったからな。ちなみに俺は元は魔物だ。生まれも育ちもダンジョンだ。だが中身については異世界人だ。そうとしか説明のしようが無いからな。」


「ルーカス様の数々の発明を見れば、異世界人なのは間違い無いです、、、が、、」

「魔王的発想に目を瞑れば、でしゅか?」


「だーれが魔王だ、エルメ。尻揉むぞ!」

「揉んでから言わないでくだしゃいよ〜!あ!むぐ!」

「あ!エルメ!ずるいですよ!ルーカス様ったら!!」


それからしばらく外でイチャコラしていたら、街では店が開く時間になった。


「ふぃ〜。まさか早速外で風呂ゴーレムさんのお世話になるなんて、ご主人しゃま積極的しゅぎましゅ。」

「わたしはいつでもルーカス様を受け止める準備が出来ていますわ!月のものがある日以外は、ですけれど。」


妙にツヤツヤした2人を連れて屋台メシを買い漁りに来た。


路銀は十分にある。


ついこの間、間抜けな貴族が俺のダンジョンを狙って配下のゴブリンを襲い、返り討ちに遭った。


数千ものマスキュリン・ホブ・ゴブリンに捕らえられた貴族は俺に命乞い。


だが俺は国王にダンジョン内での裁量を認められている事を、国内に知らしめる為にそいつらを処刑した。


不法侵入に殺人未遂に強盗未遂だ。

過剰防衛もへったくれもあるものか。


今持っている路銀はその貴族達から奪った物だ。


こんな金は市井に返してやるのが道理だろう。


「店主、この串焼き6本くれ。」

「銅貨2枚だ。ほれ。冷めないうちにな!」


「焼き立てのライ麦黒パンだ!今はカッチカチだが、昼前にはガッチガチになっちまうぞ!!その前に食いたいお客はいないか!?誰か買わないか!?」

「買うぞ。」

「毎度ありぃ!!」


俺は出店にある食い物を片っ端から買い集めては、ずた袋に突っ込んでいた。


通りを歩く人も俺の爆買いっぷりに眼を丸くしている。


「あ、あのルーカス様、、、買い過ぎなのでは??見本市でも開かれるのですか?」

「ご主人しゃまは【怪力】の持ち主ですから、、、それにしても、、、」


「ティア、エルメ、旅は長いんだ。金を使い切っても大丈夫なくらいの実力はあるんだ。冒険者になるのは後からでも良いさ。なるべく俺は働かずに生きていきたいから、ダンジョン・マスターになったんだからな。」


「神は労働を尊ばれますよ?ルーカス様?」


「優秀なゴーレムが働いてるんで、労働の対価なら受け取る。幾らでも。」


俺は粗方食べ歩きしながら爆買いを済ませると、エール樽を小脇に抱えて遠馬車の所まで歩いた。


ピアース街から定期的に各街へと出ている馬車だ。


無愛想な御者が人数と荷物の量、予約の有無を聞いてきた。


「あんたら、予約は??」

「してない。」


御者は俺達の小綺麗な身なりを見て少し足元を見たようだ。


「ふん。運が良かったな。この馬車はカッセル伯爵領ヴァイケン街行きだ。客の頭数が揃わなくて出発が長引きそうだったんだが、金払いが良さそうなあんたらを合わせてこれで3組。見たところ3人と荷物がたんまりだから運賃が金貨10枚に護衛料の分割分で金貨5枚。併せて金貨15枚だ。ほれ、出しな。護衛がそわそわしてるからな。直ぐにでも出発出来るぜ。」


俺は面倒なので言い値を支払おうとしたが、すぐにエルメがゴネって金貨10枚に値下がりした。


護衛料の5枚は通常は成功報酬なので後払いが常識らしい。


危うく御者にネコババされるとこだったわ。

ふてぇおっさんだな全く。


「よろしく頼む。」


「けっ。にしてもすげぇ馬鹿力だな。どんだけ手搬で持ってきてんだよ、、、」


無愛想な御者は俺の担いできたビール樽やずた袋を見て思わず呟いた。


このおっさんにエールの中身抜かれない様に気を付けよう。


ダンゴちゃんからの定時連絡も来た。


「魔道具はちゃんと繋がってるみたいだな!!」


「『マスタールーカスの見ている景色もこっちから幽体化でくっきり見えてますよ!!もうピアース街を離れるんですか?』」


「あぁ。もう出発する。ヴァイケン、って街に行くみたいだ。どんな街か知らんが。」


「ヴァイケンの街はワニが有名ですわ。」

「ワニ?」


ティアが言うにはカッセル伯爵の私有地にある沼に、数年前から巨大ワニが居着いて、死刑囚が吊るされそれを餌にするのをショーにし、野次馬が沢山いるという。


「悪い意味で有名な街だな。」


「彼の伯爵には注意が必要かと。カッセル伯爵領には聖教会がほとんどありません。草の根運動の様に細々とやっている、荒屋の様な建物で主神に祈っている事が多いです。原因は分かりませんが、伯爵本人は口では聖教会を褒めますが、裏では聖教会を憎んでいるのは関係者の間では公然の秘密です。本人はかなり猟奇的な性格であるとされています。」


「王はそいつを野放しなのか??」


「前当主が善政を敷いていたのですが、現当主になってからはあまり覚えがめでたくありません。しかし、税収は滞りなく、この処刑方法も犯罪防止に一役買っているそうです。ですが、このワニが居着いてしまったのも、現当主が激昂して沼に人を突き落としたのが始まり、とも噂されていますが。。。」


なんかやばい奴だな現カッセル伯爵。


「まぁ伯爵はどうあれ、街は盛り上がりがあるんだろ?馬車の中でエールでも飲みながら、着くのを待つとしますよ。」


信用出来ない御者と知らない2組の団体で馬車が3台、人食いワニを飼うヴァイケン街へ向けて動き始めるのだった。

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