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ゴブとチートとダンジョンと  作者: 青もんた
25/50

ヒアリマン

「ザコばかりだ。それに、おそらくだがコイツらは残党だな。」


俺はヒューマノイド型蟲魔獣ヒアリマン数十体を気付かれる事なく捻り潰した。


鈍重な人型モンスターは素手で簡単に倒す事が出来る。


「ルーカス、片付けるのが速過ぎるだろ!!」

「ヒアリマン硬いなぁ!!」

「ピナの羽根全然効かない!!」

「あたし、虫とかキモいの無理だから、マサルとルーカスでなんとかして。ぎゃあ!!?キモッ!!マジ無理死ねッ!!」


勇者パーティは苦戦している。

若干やる気のないギタリストが近付くヒアリマンをエレキギターで張り倒している。


ギターで物理攻撃とは如何に。



「フシュルルルル」


カマキリ型蟲魔獣フィアーシザーが金色の剣士、ローガンに立ちはだかった。


「おや?おやおやおや?拙者、昆虫採集の趣味は無いんだが、やる気があるならば名乗らせてもらおう!いざ尋常に勝負!ン、ンン!拙者の名は、、、、!!」

「ギチギチギシャァアア!!!」


フィアーシザーが鎌を振り上げた瞬間に白刃が一閃した。


「無粋な、、、名乗りの最中に不意打ちなど、下衆の極み。だが!あえて!それでも!名乗らせてもらおう!拙者の名は!」


「ローガン!!もうそいつ倒したんだろ!?早くあっち手伝えよ!!」


とっくに絶命したフィアーシザーを見て王子アーロンがツッコミを入れる。


さっきから魔物一体ずつにこんな事をしているローガンに、最初は口上を聞いてワクワクしていたアーロンだったが、そのスピード感の無さにウンザリし始めていた。


アーロンはローガンの強さに憧れはあるが、それだけギャップに戸惑っている様だ。


「聖教会最強の聖騎士がこんなに癖が強いとは思わなかったな。」


マサルも思わず愚痴る。


「素材に見向きもしないし、全て決闘口調だからな。ハーベストゴーレム、フィアーシザーの鎌、魔石の素材回収は任せたぞ。」


「『『ハ〜イ!マスター』』」


俺の命令でゴーレム達が動き出す。


ブチブチブチィッ!!


MK1がヒアリマンを掴んで頭を捻じ切って放り投げる。


「『ゴミばかりで歯応えがありませんね、マスター。四天王はここには居ないのでしょうか。』」


「そうだな。バトラー、もう一方の調査場所でMDMK1(マードック)とゴブリン調査隊の方から何か成果はあったか?」


バトラーゴブリンが応える。


「こちらのゴブリン伝令から四天王らしき魔物の足跡あり、との事。武器を使う巨大な人型魔獣である可能性が高いですな。周辺には幽鬼が大量に発生している様子です。」


「それならば好都合!!拙者、ローガン・カーティスが参ろうではないか!!」


ローガン・カーティスが意気揚々とゴブリン調査隊に参加したがった。


蟲魔獣に飽きたなコイツ。


金色の鎧を着た聖騎士は颯爽とゴブリン達がいる洞窟へと歩んでいった。


「俺達はローガンを支援する。ルーカス達はそのまま行くんだろ?」


勇者マサル達も蟲魔獣にウンザリし始めていた。


「ああ。そっちはそっちでやってくれ。俺はそろそろ、本来の姿でやらせてもらう。」


【変化】を解くと俺は流れるような銀髪と甘いマスクを晒した。


「むほぉぉおお!!イケメンご主人様降臨ッ!!」

「まぁ!ルーカス様ったら!あまり他の乙女達には見せたくありませんわ!」


ティアとエルメのベタ褒め攻撃はいつもの事だ。


「なんか全て負けた気がするわ。」


マサルは俺の顔を見てボヤいた。


勇者パーティの女性陣が初めて俺の素顔を見て驚いているからだろうな。


急に居住まいを正したり、彩音はギターの音色が急にクラシカルなクリーントーンになっている。


まぁ、美女ならいつでも大歓迎だ。


妙な事になる前にマサル達はローガンを追った。


「俺はルーカスの闘いを見て、技を盗ませてもらう!」

「その意気ですよ!アーロン王子!」

「王子、お気をつけ下さい!!」


アーロンは俺と探索したい様だ。

お付きの女性騎士もそれなりに修練に励んでいる様だが、果たして大丈夫か?



ダンジョン奥から更にヒアリマン・ブルートが現れた。


マッチョなシックスパック。


俺様のやり方にダンジョンコアが寄せて来たか???


「では派手に行くか。『悪夢の散弾銃』とミートフックで!」


ドウンッ!!ドウン!!

シャラシャラシャラ!!!


俺は鎖で敵を絡めながら散弾銃で一体ずつ確実に撃破していく。


ついでとばかりに伸縮ミスリルアームブレードの斬れ味を試したが、硬いヒアリマン・ブルートにも通用した。


「ふん、カッコだけか。ウチの鍛えたゴブリン達でも十分闘えるレベルか。」


『鑑定。『魂魄』を吸収しました。』


オーガキングを瞬殺出来るんだからヒアリマンなんて余裕だ。


大量のヒアリマンを倒し続けると、ある一帯で急にヒアリマンが現れなくなった。


正確にはヒアリマンは居たのだ。


石になっていたが。


「これは、、、」

「どれも結晶化した様に見えます、、、」

「皆さん、おそらくこの敵は、、、」



「MK1!ティアを載せ、エルメと共に王子達を守れ!!」


「『了解。ミ・レディ、こちらへ。御三方は決して私の前に出ないで下さい。エルメ、よろしくお願いします。対象の驚異度をスキャン。確認。緊急回避プロトコルに該当。搭乗者の『固有スキル』にリンク。聖魔法結界【セイント・サンクチュアリー】発動。あらゆる攻撃と状態異常をキャンセルします。結界終了まで残り2分30秒。』」


「ご主人しゃまの足手纏いにはならにゃい!!【イリュージョン】!!」


エルメはMK1の前方に幻影を発生させた。


ダンジョンの壁だ。


「コケェェェェェェ!!!」


奴と眼と眼が合った瞬間に俺は邪眼を発動させた。


「【石化の邪眼】!!!」


「コケェェェェェェッッ!!??」


俺の方が速かった。


奴は俺に左眼を石化させられたのだ。


コカトリス。


奴の『固有スキル』は【石化の邪眼】である。

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