勇者パーティの実力
「せい!やあ!どりゃあ!!」
ザシュッ!!!
「ワゥゥゥ!!!」
コボルトが首から血を噴き出した。
勇者マサルの武器は両手剣。
一見普通の剣に見えるが、どこで入手したか知らないがアダマンタイト製だ。
目立つと盗難に遭いやすいから敢えて地味な拵えにしているらしい。
【剣術】は俺と比べると教科書然とした動きだが、闘いの流れにメリハリがあって良いなと思った。
なんだかんだで基本に忠実が最強なのである。
マサルの【異世界転移者】としての『固有スキル』は【猛虎】。
敵を倒せば倒す程に彼の攻撃は一定時間、威力が増し、速度が上がる。
耐久力とスタミナも上がり、倒す敵が強くなれば更に強化がエスカレートするチートスキルだ。
「あー臭い臭い。風呂入ってないコボルトは激臭なのでさっさと処分します。ハナパンチ!!」
ズドゴォーーー!!!
「キャゥン!!」
ドガッ!!バタッ!
ぶっ飛んで壁に激突して伸びるコボルト。
犬獣人のハナは『戦闘スキル』【魔空打矛】での突きで、直接触れずにコボルトを吹き飛ばしている。
瞬間的に魔素を高圧圧縮して繰り出す衝撃波で、リーチを見誤った敵は無防備に攻撃を喰らう事になる、なかなかチートな近接戦闘スキルだ。
更に火属性の武器を持たせるとスキルの相乗効果で手出し不可能の爆風少女が完成である。
初見ならマサルより強いんじゃね?
「まとめてピィしてやるの!!!」
ザクザクザクッ!!!
「「「クゥ
〜〜ン、、、」」」
ハーピィのピナは翼から毒を含む鋭い羽根を射出して攻撃出来る。
『戦闘スキル』【ポイズンフェザー】には遅効性の毒が含まれていて、獲物の動きを鈍らせるデバッファーの役割がある。
上空から【風魔法】による遠距離攻撃、急降下からの爪による近接攻撃もこなせるオールラウンダーである。
「踊りなさい!【キネティック・ノート】!!!!」
ギュイーン!!♪キュイキュイ!リラリラリロリログヮワワワ〜ン!♪
「グバッ!?」「ワォン!?」「ギャッ!!」
【異世界転移者】高崎彩音しか発現しないであろう唯一無二の『固有スキル』【常時エレキギター召喚】【速弾き】【キネティック・ノート】【魔力アンプリファイ】は生粋のハードロッカーである彼女のプレイスタイルに合わせて精霊を使役する世界最凶のチートスキルである。
以前から愛用しているエレキギター、○ックワイルドモデル・フライングVから奏でられる魔力で増幅した奇怪な音色で周囲の精霊がモッシュ状態。
味方は力が増し、いつのまにか怪我も回復。
暴れる精霊はワイバーンの群衆を壊滅させ、火龍をタコ殴り。
彼女が弾き終わって満足した頃には周囲は世紀末状態。
本人はそれが気持ち良いらしい。
もちろん周囲はドン引きだ。
「うるせーな、この女!ダンジョンだと更に迷惑だな!」
もうこいつら多彩過ぎて俺のスキルがすげー地味に見えてくるぞ。。。
見せ場あるのか?
「『まるで壮大な演劇でしたわ!』」
MK1のスピーカーからティアの興奮した声が響いた。
MK1は剣を抜く事もなく拳とストンプでコボルトを倒している。
「ふえぇぇぇ、、、ご主人しゃま、、あの彩音って娘は魔王じゃないでしょうか、、、、」
エルメが化け物を見る目だ。
「エルメ、、、彼女は吟遊詩人なんだ、、、ああいう演奏なんだよ。」
「ふぇっ!?吟遊詩人、怖い。。。」
エルメが吟遊詩人に対して変な先入観を抱かない事を祈るばかりだ。




