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信人の餞別

営業課と書かれたドアを開け、部屋に入る。この時間、外回りにでてるやつが多く何人かしか残ってない。僕を見てざわざわしているが、特に何も言ってこない。


自分の席に着いて、私物をまとめようと準備した。まぁ、ペンぐらいしかないのでそれらをカバンに入れていく。そして、パソコンを立ち上げ自分の仕事の引き継ぎを誰にするか、誰が見ても分かるように事細かに整理した。


恐らく係長なら、見て判断してくれるだろう。そして、退職届を書いて最後の確認をしていく。もうすぐ昼休憩だし、ここにも居づらい。信人の所に寄って、退職届をだそうと思い、部屋を後にした。


人事部に顔を出すと、信人しか居なかった。恐らく昼休憩だろう。僕は、信人のもとに行き辞表届をだした。


「もう帰るんだろう?」


「はい。引き継ぎも完了したし。居づらいですから。」


「そっか。寂しくなるな。けど、連絡はくれよ。それと、餞別だ。」


そう言って、信人は箱を机の上にだした。


「何ですか、これ?VR次世代ゲームFAKE of THE EARTH?」


「お前、ゲームしたことないだろ?息抜きにやってみろ。操作は簡単だし、試作品で未発表だから。知り合いから試してくれって言われたけど、なかなか出来なくてな。俺も少ししてみたが、面白かったぞ。」


「はぁ。」


興味ないけど、受け取ることにした。カバンにいれ、


「ありがとうございます。お世話になりました。」


と言った。


「いらなかったら、もってきてくれ。たまにはゆっくり休んでみろよ。」


その言葉を背中に受け、僕は人事部を後にして長年お世話になった会社を出ていった。


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