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40才で会社をクビになり、バーチャル世界の中で就職しました。  作者: ジッパー
如月、プログラマー攻略編
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如月、思い出にひたる

「しかし、変な名前よねぇ。田中一郎太なんて。写真見てもそんな名前なんて想像つかないよ。」


如月は、少し笑う。


「確かに名前だけは変かと思いますが、スキルはとてつもない持ち主かと思われます。プログラミング言語は全て習得していますし、マスターとスキルは比較しても見劣りしないでしょう。」


「確かに。まぁこの人が例のプロジェクトに参加してくれれば、効率はあがるでしょうね。で、作戦はこのままで大丈夫?」


「99.99%問題ないかと。」


「100では無いのね。」


「100だと油断しますから。最悪のパターンもいくつか考えています。」


「分かったわ。じゃあ、この場所に向かえばいいのね?」


「はい。まもなく作戦開始の合図があるので、それから向かっても間に合います。」


「おっけー。じゃあ久しぶりに体を動かしますか。」


「やりすぎないようにお願いします。」


「それは、分からないよ。3週間引きこもってたし、なまってるからね。」


そう言いながら、如月は体を伸ばしたりしてストレッチを始めた。


「今回は、中野さんの時と違いますから。簡単に考えないでくださいね。」


「まぁね。中野くんは私の信者だから簡単だったからね。ヤバイと判断したらうちの会社の例の部隊を出動させてね。」


「問題ありません。手配済みです。あなたの親会社の社長にも連絡しています。」


「そう。何か言ってた?」


「特に何も。無理しないでくれとのことでした。」


「優しいのか冷たいのか、分からないわね。」


少しだけ、如月は悲しい表情を見せる。


「どうかしました?」


その表情を見てマイは言う。


「何でもない。少しだけ思い出に耽ったの。心配しないで、大丈夫だから。」


「ならいいのですが、よろしかったらデータを出しましょうか?あなたの成長記録は10才から保存しています。時間もありますから思い出に耽りたいときは、映像を見て思い出に浸りましょう。」


「マイは、やっぱり人間じゃないのね。」


「当たり前ですよ。で、どうします?見ますか?」


如月は、マイの言葉に感傷にも浸れないと思いつつも、マイの提案に


「見ようかな。」


と、言った。それから、しばらくは如月はマイが保存している、自分の写真や動画そして、記録を見せてくれた。それを見ながら2人は、話をして盛り上がっていった。


しばらく話していると、マイが


「時間です。懐かしい思い出はここまでにして仕事に戻りましょう。」


と、言った。


「オッケー。じゃあ、行ってくるよ。」


「忘れ物は、ありませんか?」


「大丈夫よ。マイがくれた資料に書かれてたやつは全て、車の中にあるから。」


「かしこまりました。では、気をつけて。インカムは忘れないでくださいね。」


「分かってるよ。それが無いとマイの指示が聞けないからね。しかし、懐かしかったよ。ありがと、マイ。」


そう言うと如月は、電気を消して外に出ていった。



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