1.信じるということ。
めっちゃ藤井くん見てました(謎報告
ここから第1章。
土地勘のないボクとニール。
逃げようとしても、そんな簡単に振り切れるわけがなかった。
女の子もこの街に住んでいるものの、あまり道に詳しくはないらしい。そんなこんなで、気が付けば仄暗い裏路地に入り込んでしまっていた。
そうなってくると、追い詰められるのは時間の問題で――。
「く、行き止まり!?」
ボクは肩で息をしながら、小さく舌を打った。
ニールは後方を確認してから言う。
「どうやら、もう逃げ場はないらしい……!」
振り返るとそこには、曲がり角を通過してこちらに駆けてくる男たち。
行き止まりの壁の高さを、即座に確認した。
こうなれば、仕方ない……!
「ニールはその子を連れて、この壁を越えて!」
「な……!? お前はどうするんだ!!」
「大丈夫、すぐに追いつくから!」
三人で協力すれば、二人を逃がすことは可能のように思えた。
だから、言うが早いか女の子を抱え上げる。それを見てニールも覚悟を決めたのか、壁をよじ登り始めた。そして、男たちが到着すると同時に――。
「良かった……!」
二人は、壁を越えた。
ボクは一人残されたものの、これでしばしの足止めができる。
「くそ、一歩遅かったか!」
男たちの中でも、一番大きな奴が忌々し気にそう言った。
そして、次にボクのことを見る。
「残ったのは、チンケなガキが一人かよ……!」
「チンケで悪かったな!」
唾を吐き捨て、悪態をついた男。
ボクは腰元の剣を引き抜いて、ジッと間合いを測った。
数的には圧倒的に不利。それでも、以前と同じ三対一だった。
「ほほう? 戦う意思は、あるみたいだな」
勝算がない、わけではない。
そう思いながら、ボクは必死に呼吸を整えた。
「いいぜ、それなら――」
男はガントレットのようなものを拳にはめる。
そして、ガツンと両拳を打ち合わせた。
「まずはお前を、ボコしてやらぁ!!」
◆
「あのお兄さん、強いんですか!?」
ニールと共に駆けながら、少女はそう訊いた。
その言葉に足を止めて、彼は少しだけ難しい顔をする。
「弱くない。少なくとも俺は、そう思ってる」
「少なくとも……?」
エルフの青年の曖昧な意見に、少女は胸に手を当てた。
そして、思いつめたような表情になり――。
「やっぱり、このままだと……!」
踵を返して駆け出すのだった。
「おい、待ってくれ!」
「離してください! 助けに行かないと、あのお兄さん殺されます!!」
「殺される……!?」
あまりに剣呑とした空気。
ニールは眉をひそめて、しかしこう言うのだった。
「それでも、キミを行かせるわけにはいかない」――と。
それを聞いて、少女はハッとした表情になる。
どうして、と問いかけるように。自分が捕まりさえすれば彼は助かるのに、と。それを察したらしいニールは、真剣な表情でこう答えた。
「ここでキミを返したら、俺がハクノの気持ちを裏切ることになる」
そこにあったのは、確固たる絆。
幼馴染であり仲間のハクノを、信じて疑わないニールの決意だった。
「…………!」
少女は唇を噛み、拳を震わせる。
その様子を見てニールは、ふっと息をついた。
「キミがどうして追われているのかは知らない。だからこそ俺は、あいつとの約束を優先させてもらうよ」
「分かり、ました……」
それを聞いてついに、少女は首を縦に振る。
「ひとまず、ギルドに行こう。あそこなら安全なはずだ」
ニールは少女の手を取って、駆け出した。
血がにじむほど、強く唇を噛みながら……。
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