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1.信じるということ。

めっちゃ藤井くん見てました(謎報告

ここから第1章。







 土地勘のないボクとニール。

 逃げようとしても、そんな簡単に振り切れるわけがなかった。

 女の子もこの街に住んでいるものの、あまり道に詳しくはないらしい。そんなこんなで、気が付けば仄暗い裏路地に入り込んでしまっていた。


 そうなってくると、追い詰められるのは時間の問題で――。



「く、行き止まり!?」



 ボクは肩で息をしながら、小さく舌を打った。

 ニールは後方を確認してから言う。



「どうやら、もう逃げ場はないらしい……!」



 振り返るとそこには、曲がり角を通過してこちらに駆けてくる男たち。

 行き止まりの壁の高さを、即座に確認した。

 こうなれば、仕方ない……!



「ニールはその子を連れて、この壁を越えて!」

「な……!? お前はどうするんだ!!」

「大丈夫、すぐに追いつくから!」



 三人で協力すれば、二人を逃がすことは可能のように思えた。

 だから、言うが早いか女の子を抱え上げる。それを見てニールも覚悟を決めたのか、壁をよじ登り始めた。そして、男たちが到着すると同時に――。



「良かった……!」



 二人は、壁を越えた。

 ボクは一人残されたものの、これでしばしの足止めができる。



「くそ、一歩遅かったか!」



 男たちの中でも、一番大きな奴が忌々し気にそう言った。

 そして、次にボクのことを見る。



「残ったのは、チンケなガキが一人かよ……!」

「チンケで悪かったな!」



 唾を吐き捨て、悪態をついた男。

 ボクは腰元の剣を引き抜いて、ジッと間合いを測った。

 数的には圧倒的に不利。それでも、以前と同じ三対一だった。



「ほほう? 戦う意思は、あるみたいだな」



 勝算がない、わけではない。

 そう思いながら、ボクは必死に呼吸を整えた。



「いいぜ、それなら――」



 男はガントレットのようなものを拳にはめる。

 そして、ガツンと両拳を打ち合わせた。



「まずはお前を、ボコしてやらぁ!!」









「あのお兄さん、強いんですか!?」



 ニールと共に駆けながら、少女はそう訊いた。

 その言葉に足を止めて、彼は少しだけ難しい顔をする。



「弱くない。少なくとも俺は、そう思ってる」

「少なくとも……?」



 エルフの青年の曖昧な意見に、少女は胸に手を当てた。

 そして、思いつめたような表情になり――。



「やっぱり、このままだと……!」



 踵を返して駆け出すのだった。



「おい、待ってくれ!」

「離してください! 助けに行かないと、あのお兄さん殺されます!!」

「殺される……!?」



 あまりに剣呑とした空気。

 ニールは眉をひそめて、しかしこう言うのだった。



「それでも、キミを行かせるわけにはいかない」――と。



 それを聞いて、少女はハッとした表情になる。

 どうして、と問いかけるように。自分が捕まりさえすれば彼は助かるのに、と。それを察したらしいニールは、真剣な表情でこう答えた。



「ここでキミを返したら、俺がハクノの気持ちを裏切ることになる」



 そこにあったのは、確固たる絆。

 幼馴染であり仲間のハクノを、信じて疑わないニールの決意だった。



「…………!」



 少女は唇を噛み、拳を震わせる。

 その様子を見てニールは、ふっと息をついた。



「キミがどうして追われているのかは知らない。だからこそ俺は、あいつとの約束を優先させてもらうよ」

「分かり、ました……」



 それを聞いてついに、少女は首を縦に振る。



「ひとまず、ギルドに行こう。あそこなら安全なはずだ」




 ニールは少女の手を取って、駆け出した。

 血がにじむほど、強く唇を噛みながら……。



 


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