血の上に
吐き出してしまいそうな血の腐ったような臭いが鼻の奥を刺激する。目の前の憎い肉塊の周りに半径100センチほどの血溜まりが出来ていた。
それは今も広がりつつある。踏みつける度に血が出てくるのだ。気付くと、重厚感のある鉄の扉がキィキィと耳鳴りな音を出しながら開いた。そこには、俺のよく知る人の姿があった。
「おい…?何をした、んだ、蛍?」
俺を見る父さんは声が震えていた。
「殺したんだ、こいつらを。これで、復讐は成されたんだ」
俺はもううこ動かなくなった肉塊を踏みつけてみせる。肉塊から血が激しく出てきて俺の頬に跳ねた。
「そこまでしな、くても、良かっただろう!??!」
父さんは叫んだ。
「へぇ?俺がまだ正常な人間だと勘違いしてたんだ?それなら御愁傷様、俺はもうこのとおり殺人鬼だ。」
俺は嘲笑うように言った。
「なぁ、父さん、俺達がこの腐りきった世界を作り替えようぜ?俺が、俺達が神になるんだ!」
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「んぁ…、まぶしっ」
強い日差しに耐えられず目を開けると妙に新しい天上が目の前に広がっている。ああ。
「何だ、ゆ、めか。ッ良かった、っ」
体は、震えていた。
昔の夢を見た。




