新たな奴隷の登場~記憶喪失の魔剣少女~
遅くなりました!新たなヒロインの登場です!
勇者達が魔神を倒すことを決意している時、元凶の魔神ユウトは……
(どうしようかな~この世界のことを俺はまだよく知らないから、奴隷は買ったほうがいいんだが……まぁ奴隷だったら気軽に質問できるし、旅の役に立つだろうからな。で、でも……)
奴隷商店の前でかれこれ15分間も悩んでいた。
こういう時だけはチキンな男である。
(そ、そうだ……この世界を知るためだから大丈夫……決して邪な気持ちで奴隷を買うわけではないんだ……だから大丈夫!)
とてもダサい言い訳を心の中で呟きながら、奴隷商店へと入っていった。
………
……
…
「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
中に入ると入って来たことに気づいたのか見覚えのある男性がこちらに向かってきた。
「ん?お前……」
「おお!ユウト殿ではないですか!」
そう裕翔を出迎えてくれたのは盗賊に襲われていたライックだった。
「もう来てくれたのですね。お目当ては奴隷ですな」
「ああ、旅で必要だと思ったからな……」
ライックと頷きながら共感し、盗賊のアジトを突き止めた等の話を話した。
――何故かライックは顔が引きつっていたが何故だろうか?
「まさかユウト殿はそこまで強かったとは……」
「腕にはかなり自信があるからな……それよりも奴隷を見せてくれないか?」
「わかりました。条件は?」
「戦闘ができ、常識がある娘にしてくれ」
「わかりました。どうぞこちらへ」
一回だけユウトは頷き、先導するライックについていく。
割と冷静にしているが内心では……
(あ~あホントどうしてこうなった。俺の青春が!平穏な人生が!そして俺の童貞が!まさかの奴隷で卒業してしまうのか!?あぁ~パソコンを!ゲームを!今頃してたんだろうな~)
軽く現実逃避をしていた。
ちなみにだがこの男、学校ではかなりモテていた。ただ彼は自分をかなり卑下しているため、好意に全く気づかないのだ。つまりこの男、告白されるまで全く好意を認識しないタイプの男である。
ライックについていくと応接間らしき場所にたどり着いた。ソファが二つにそれらを挟むかのようにテーブルが置いてある。
「ではそちらにお座りください」
案内されたソファに裕翔は座ると、ライックは裕翔が座ったソファとは逆のソファに座った。
「ユウト殿、奴隷の説明はいるでしょうか?」
「あぁ、頼む」
ライックは一度咳をし、淡々と説明を始めた。
「奴隷は基本的人権はなく、物で扱われます。何をされても罪には問われませんが奴隷が主人の命令で罪を犯すと、罪は主人が罰せられます。奴隷は《隷属契約》というスキルで奴隷になります。奴隷にされたものは主人に対し絶対命令を義務付けられています」
「もし命令に背いたら?」
「それはありえません。奴隷になったものがいくら拒否しようとも体が勝手に動きますし、場合によっては……」
「心すら支配することができる?」
「はい、そのとおりです。では質問は?」
「宿代などはどうなるんだ?奴隷も一人と数えられるのか?」
「いえ、奴隷は物扱いなので一人分と数えられます。ほかには?」
「……亜人たちとヤったら……その……生まれるのか?」
現在17歳の健全な男子高校生、まだ若くして父親になる覚悟は持っていなかった。
ライックはその質問をすると……ニヤっと笑った。この時、裕翔はうぜぇ、なめてんのか、と思っていたそうだ。
「大丈夫です。『避妊魔法』という対象を一定時間、生殖機能を停止させる魔法があります。なんならその魔法をあげましょうか?」
「いいのか?」
「ええ、命を救ってもらったお礼です」
そういいライックは、テーブルに巻かれた紙を置いた。
「広げてみてください」
裕翔は命じられるままに紙を広げてみると、中には謎の紋様が書かれており、紋様が光り輝き、少し経つと消えていった。
「これは?」
「『魔法スクロール』です。魔法を覚えることができるんですよ。一度だけですが」
裕翔は試しにステータスを開いてみた。
ユウト・アマヤ
年齢17歳
種族 魔神 人間
LV6
ステータス
HP 54700/54700
MP 124970/124970
STR 5320
DEX 5140
VIT 5340
ING 4990
AGI 5450
MND 5290
LUK 510
スキル
言語理解
神眼
神隠し
剣術LV13
刀術LV5
体術LV6
槍術LV3
弓術LV2
盾術LV1
料理LV5
HP回復速度上昇LV1
MP回復速度上昇LV1
スキル強奪
無限収納
レベルアップ時ステータス倍アップ
必要経験値1/100
避妊魔法
etc……
*
《避妊魔法》
MPを5使い、12時間生殖機能を停止させることができる。
(確かにスキルとして表示されているな。てか、魔法なのになんでスキルの所にあるんだ?)
「ユウト殿」
「……」
「ユウト殿!」
「ん?なんだ?」
「他に質問はありますか?」
「いや、ない」
「そうですか。ではもうすぐ奴隷の準備ができるのでもう少しお待ちください」
そう言い残し、ライックはここから出て行った。
(さて、ここからどうするか……おそらくこのステータス、割とチートなんだよな……目をつけられたくないからある程度の地位が必要だな。この世界は冒険者とかはあるのだろうか?それなら高位の位置につくことを検討するべきだな)
テーブルには紅茶らしきものがあったので神眼で一応安全か確認してから一口飲み、美味しいため一気に飲む。
(あとはこの世界のことだな、できれば元の世界に戻りたいかな。パソコンやスマホを取りに行きたい)
飲み終わった紅茶をテーブルに置き、一息つく。
(まとめるとこんな感じか、面倒事に巻き込まれないようにある程度地位をつける。この世界の情報を集め、パソコンの為に元の世界に戻ることが出来る方法を考える。
そして……秋斗達の存在の確認。俺の近くにいて俺が異世界に飛ばされたのなら秋斗達もいるんじゃないだろうか)
考えをまとめているとドアからノックが聞こえ、ライックが入ってきた。
「ユウト殿、準備が出来ました。どうぞこちらへ」
「ああ」
裕翔は少しノリノリでライックの後ろについて行った。
………
……
…
「こちらです」
カリックに案内されたところは地下室だった。
(いるのは……猫耳に犬耳の獣人、人間もいるな。あまり食ってなさそうだ)
「じっくり見て言っていいか?」
「ええ、気が済むまでどうぞ」
裕翔は気に入った容姿から、一人ひとりステータスやスキルを見る。
一人ひとり見ていると気になった娘がいた。
白に近い銀色の長髪にピョコっと生えているアホ毛、炎よりも真っ赤な紅の瞳、身長は160cm程度で胸は中々あり、体型は大した飯を食べていないからか少し痩せていた。
裕翔はその娘に神眼を使ってみることにした。
魔剣レーヴァテイン
年齢500歳
種族 インテリジェンス・ウェポン(状態:人化)
LV20 封印 LV1/100減少 スキル大半使用不可 魔法使用不可 ステータス激減 状態異常耐性低下
HP 300/300
MP 340/340
STR 54
DEX 57
VIT 60
ING 63
AGI 73
MND 65
LUK 90
スキル
剣術LV10(LV減少)
体術LV3(LV減少使用不可)
状態異常耐性LV5(使用不可)
HP回復速度上昇LV3(使用不可)
MP回復速度上昇LV3(使用不可)
再生能力(使用不可)
不朽
縮地LV6(使用不可)
疾走LV6(使用不可)
超解析《使用不可)
超隠蔽
隠蔽LV20
魔剣召喚
魔法属性
極炎魔法LV1《ユニーク魔法》(LV減少使用不可)
火属性LV1(LV減少)
称号
《人になりし者》
《記憶喪失》
《始まりの魔剣》
(どうゆうことだこれ?なんだ魔剣って?それに封印に記憶喪失?こいつは何者だ?)
裕翔は神眼でより情報を見ようとする。
《魔剣》
聖剣と対なる魔法の剣、この名前を持ったものはその剣ものだけの属性を持つことができる。魔剣は聖剣とは違い、所有者と認めなければ所有者を乗っ取り体の自由を奪われる。
《インテリジェンス・ウェポン》
特殊な製法で作られた剣や何百年の時間がたっても壊れず、残った武器のみ持った種族。意思や思考を持つことができる。
《極炎魔法》
火属性の魔法よりも何倍も力を持った炎魔法。
《人になりし武器》
長い年月が経ちかなりの力を持った武器が自らが戦うために体を持った時に現れる称号。人の肉体を持ち、人間のように生きることができる。
《魔剣召喚》
人の肉体を持った武器が持つことができるスキル。魔剣なら《魔剣召喚》、魔槍なら《魔槍召喚》として持つことができ、自分の本来の姿を召喚でき、それを武器に戦うことができるが本来の姿より微小弱くなる。
《始まりの魔剣》
一番初めに作られたといわれる魔剣の一つ、製作者は誰もわからず、神々が作ったと言われている。魔剣の中で神剣に昇華することができると言われている。
《記憶喪失》
何らかの理由によって記憶を封印されている状態。この称号の所有者に関連する事が起これば封印が解け、記憶がもどる。なお、封印されているのは記憶だけで知識は残っている。
(…………やべぇ、全然わからねぇ)
神眼でいくらみてもこの子がどうして封印などの状態になったのかは裕翔はわからなかった。
神眼はあくまで見るだけ、その経緯などはわからないのだ。
「あ、ユウト殿、その娘に目をつけられましたか」
「この娘は?」
裕翔はこの子がどうして奴隷になった経緯を知りたかった。
「すみません、ユウト殿その奴隷のことは全くわからないのです」
「わからない?」
「ええ、その奴隷は最近手に入れたのですが、記憶喪失らしく何者かわからないのです。鑑定や超解析のスキルでみてもらっても、何もわかりません、せいぜい自分の名前をレインと名乗るぐらいです。どうしますか?」
(なるほどな、超隠蔽や隠蔽のおかげで魔剣のことがわからないのか、俺は神眼を持っているからわかるということか)
「そうだな、この娘面会させてくれ」
「かしこまりました」
………
……
…
裕翔は先ほどいた応接間らしき場所にライック共にいた。
そこで裕翔はライックにレインという名の少女のことを教えてもらっていた。
「ユウト殿、レインはこの世界に疎くはありません、剣術や体術はかなりでき主に両手剣と片手剣を戦況によって変えながら戦います。ですが代わりに魔法の才能がありません。容姿はかなりよく美人の部類に入りますがどうしますか?」
「そうだな、ひとまず面会してみたい、ここに連れてきてくれないか?」
「かしこまりました、面会しているあいだは私は席を外しておきましょう」
「すまないな」
こうしてライックがドアから出るとそれと入れ替わるかのようにレインが入ってきた。
「ご指名……ありがとうございます」
「ああ、俺はできれば君を買いたいと思っている。その前に訊きたいことがあるんだ……いいか?」
レインはソファに座り、コクリ、と頷いた。
「君は記憶喪失と聞いたが本当か?」
「……はい」
再びコクり、と頷いた時の表情が哀しみに染まっているように見えた。
――まぁ普通記憶喪失ならそうなるだろう。気がついたときには自分が何者かもわからないのだから。
「なぜそうなったかはわかるか?」
「……わかりません」
「…そうか」
(さて、この娘がなぜ記憶喪失や封印されているのかがいくつか仮説が浮かんだな。)
裕翔は彼女がどうしてこうなったかを考える。
仮説1 誰かに記憶と力を封印された。
この可能性は少しありえないな、まずそんなものかけられるぐらいならまず殺せるはずじゃないか?
仮説2 何かトラウマがあり、一時的な記憶喪失や力の封印
これはないな、まずトラウマなら、力は封印されていないはずだ。
(まぁ別にいいか、別に知りたいわけでもないしな)
裕翔はそう思い、レインをじっと見つめる。
(可愛いいから買おうっと)
決めるの早!、という声が聞こえたような気がするが裕翔は空耳として聞き流すことにした。
こうして面会は終わった。
「どうでしたか?」
「そうだな、買いたいとは思うが値段にもよるな。いくらだ?」
「そうですね……30万リルでどうですか?」
(ヤバッ!この世界の奴隷はこんなにも安いのか?1リル=一円らしいからたった30万!)
「ああ、それくらいなら払える。だが少し安いな、奴隷はいつもこの程度の値段なのか?」
「いえ、本来は100万リルです。ですが彼女は素性は不明、それに道で拾っただけなんで、損はしません。それにユウト殿には助けられた恩があります」
(だからって30リルはどうかと思うが……)
「そうかでは言葉に甘えさせてもらう」
「お買い上げありがとうございます」
こうして裕翔は銀貨30枚をライックに渡した。
「そういえば、奴隷の契約は解除できるのか?」
「ええ、ですがする人は極少数です。解除するのに《隷属契約》を持ったものに金貨一枚渡すことになりますから。大半は殺してしまいますね」
「……そうか、ありがとう」
こうして裕翔は初めての奴隷を買った。
………
……
…
レインと隷属契約をしたあと、奴隷商店から出た。
「まずは宿を確保するか」
「はい、マスター」
こうして宿を探し、10分程度で見つけた宿に入ることになった。
「いらっしゃいませ。お泊りでしょうか?」
「ああ、一部屋頼む」
宿に入ると20代程度の男性が受付にいた。
「わかりました。お風呂はいりますか?」
この宿にした理由はOHUROだ。一応共同風呂らしいのだがあまり気にするところではない。こちらは地球人だ清潔は未だに心がけている。
「ああ、頼む」
「かしこまりました。ではこの宿の説明をしてよろしいですか?」
「ああ」
「この宿は朝と夜に食事をとることができますが昼は別料金となります。それでは何日泊まりますか?」
「二週間で頼む。すまないが早速昼食をいただきたい」
「わかりました。何人前で?」
「おすすめを二人前で」
「わかりました。宿代を含めて63000リルです」
裕翔は銀貨6枚と銅貨30枚を渡し、個室の鍵をもらい、食堂らしき場所の席についた。
「……で、どうして俺の足元に座るんだ?」
「……すみません、邪魔でしたよね。マスターのおこぼれを頂けると思いまして……」
「お前……何か勘違いしていないか?」
「……え?」
キョトンとし、困惑しているレインに裕翔はいつもより少し優しい声色で言う。
「ちゃんと席に付け、お腹すいているだろ」
「…ですがマスターと同じ席に座るなんて……」
「じゃあ、初命令だ。席についてご飯を食べることを拒否するな。」
「マスター……!?」
「レイン、君に飢えで倒れられては洒落にならないだろう。あと昼飯が終わると服などを買いに行くからな」
レインの目が驚愕で見開き、しばらく口をパクパクさせて、顔を俯かせた。
「…………どうして」
「ん?」
顔を俯かせたせいで表情が見えなくなり、ボソボソとした声が聞こえてきた。
「どうして、そこまでしてくれるんですか?私は記憶喪失なんですよ?どこの馬の骨とも知らない私をどうしてそこまで……」
――すみません、知ってます。あなたの正体魔剣ってこと知ってしまってます。
そんなことは言えるわけないため、咄嗟に言い訳を考える。
「別に、お前が何者だろうが俺の知ったことじゃない。だがまずお前は俺の奴隷なんだ、別にお前を物として扱ったりしないし、お前が何者でも別にいいさ」
「は、はい。あ、ありがとうございます!」
ガバッと上げたレインの目には涙が滲んで歓喜の表情をしていた。その姿に少し裕翔は見惚れてしまった。
「とりあえず座れ。食べるぞ」
「はい!」
ご飯の会計は2000リルだった。まぁ彼女の笑顔が見れただけでよしとしようか。
………
……
…
裕翔たちは昼食のあと、服屋へ行きレイン用と裕翔用の下着や服を数着買った。レインは白を基調とした服に着替えた。
その姿を見たとき、裕翔は鼻血が出そうになったのは余談である。
次に武器屋へと向かった。
レインの武器を買うためだ。自分の武器も新調したほうがいいかもしれないがステータスがおかしいためある程度大丈夫だろう。
「レインは剣を使うんだっけ?」
「はい、剣術はかなり得意ですから」
剣術はLV10だったため武器は剣でいいだろう。
「すみません。この店に剣はありますか?」
裕翔は武器屋の店主に聞いてみる。
「ああ、あるぞ……で、お前らのどちらが使うんだ?」
「この子です」
「はぁ?こんな子が剣を使えるのか?」
「はい、剣術スキルもありますから」
「まじか、そんな子が……まぁいい、これだ」
そう言って、店主が取り出したのは裕翔の剣と同じ長さの剣だった。
名前:鋼鉄の剣
分類:片手剣
レア度:一般級
備考:鉄の剣より鍛錬された剣。鉄の剣よりよく切れる。
「レイン、これでいいか?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあこれください」
「お前は買わないのか?」
「ええ、あまり金がありませし、武器には困っていませんから」
「そうかい、5万リルだ。」
銀貨6枚を払う。
「多いぞ」
「剣を選んでくれた礼です」
「これも営業なんだが……まぁいい、ありがたく受け取っておこう」
そう言って裕翔たちは店から出ていった。
こんな感じで靴も買っていき、食料や旅に必要な必需品を買った。寝袋や食器、料理スキルを持っているので調理道具等の個人単位で必要なものぐらいしか買わなかったのだが、買い終わるといつの間にか日が落ちていたため、宿へと戻っていった。
………
……
…
夕食をレインと食べ、銭湯に入り指定された部屋へと入っていった。
部屋に入ると同じく銭湯に入ってきたらしいレインがいた。
「えっと、マスター」
「なんだ?」
「私、覚悟できていますから!」
レインが超ド級の爆弾を投下した。
正直に言えば裕翔は今すぐ魔剣だろうがレインを押し倒してしまいたいのだが……
(レインもまだ記憶喪失だからなぁ、もし記憶が戻った時に殺されたりしたら困るし……)
という理由で押し倒すことはしなかった。
「レイン。こっちおいで」
「は、はい」
ベットで寝そべってレインを手招きする。
顔を赤くしたレインがそばに近づいた。
裕翔はレインを抱きしめて、ベットに横になった。
「ふぇッ!?」
「レイン、今日は疲れた。暫くこのまま寝かせてくれ」
レインは驚いたような、少し残念そうな表情となりすぐに笑みの表情を浮かべた。
「はい、わかりました。マスター」
裕翔は女の子特有の匂いが鼻孔をくすぐるなか、裕翔は目を閉じ睡魔に身を委ねる。
こうして初の女の子と同じベットで寝る夜はゆっくりと過ぎていった。
武器名やスキル名、魔法属性、称号など常時募集しています!