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6話 主をギルドに持って行ったら大儲けと思ったんですが…

20話まで行ったらサブタイを変えます

目をさますと朝日が昇り始めていた。まだ時間的には早いようで、昨日の賑やかな声はまだ聞こえない。

俺はそっとベッドから起きるとライターに火をつけ精霊に挨拶をすると、眠そうな目をこすりながら挨拶する精霊を見てほっこりする。火を消し階段を降り宿の一階に降りる。すると、すでにマスターは起きていたようで何かを煮詰めていた。


「おはようございます」


「おう。昨日奴か、朝が早いんだな。朝食にするか?」


「ええ、お願いします。それと、もう一泊します」


「まってろ」


俺は3枚の銀貨をマスターに渡す。マスターはポケットに銀貨をしまうと何やら作業をしている。朝食を待っている間、今日やることを考えてく。まずは商業ギルドで登録しておくか。んで、金を稼ぐために何かの依頼を受けて…それから市場を見て回るか。


「できたぞ」


マスターはポトフに似た何かを出してきた。黄金色のスープに鶏肉らしき肉、人参など結構あっさりしてそうでがっつりだ。恐る恐る口にしてみると、薄口ながら素材の味がしっかりしていたとても美味しかった。


「ごちそうさまでした。」


「食器はそこに置いておけ。」


食器をそのまま残し、宿を後にした。宿から出て、まっすぐ門に向かっていく。

正直開いているか心配だったか、いつも通り開いていた。それにしても知り合いがいないというのはかなり寂しいな。それにこの世界に詳しい仲間を見つけたいな。まあ、とりあえず今は金か

門に近づくと、昨日もあったあの門番が立っていた。


「おはようございます。」


「おう。こんな朝早くから何の用だ?」


「狩りですよ」


「そうか。無理するなよ」


短い門番との会話を終えた俺は、森までの道を急ぐ。蜜草の畑に手入れをしている老夫婦などがいた。農家の朝が早いのは世界共通なんだな

さて今日は鎌以外の武器を試してみようと思う。昨日ゴブリンを倒している最中、イノシシや巨大な鹿などがいたし、鎌でイノシシなど討伐できるか不安だしな…

そうだな…これでいいかな…『備品発注召喚』

手にずっしりとした重みがかかる。金槌だ。金槌なんて中学校の技術科の授業以来か…案外小さいんだな。まあ、いい。ギルドで見たが巨大なハンマーを持っていた男がいて思ったのだが、巨大なハンマーはその重さを生かした振り下ろしが強い。しかし、俺がそんなハンマーを持ったところで振り回すどころか、振り回されるだろう。しかし、このサイズの金槌の場合軽いため、この俺でも振り回すことができる。それにサイズが小さいことで一点集中というか、破壊力はあると思う。まあ、欠点はリーチが短いんだが…まあ、そこは俺の機動力を生かしてかわすとして…まあ、試してみるか

しばらく歩いていると、単独と思われるゴブリンがいたので、すぐに距離を詰め頭に金槌を振り下ろしてみた。すると、ボゴっと鈍い音と共に頭が陥没した。どうやら骨は余裕で折れるようだ。次は金槌をひっくり返し釘抜きの尖っている部分を構える。


「ギギッ!ギ…うぐっ!ガ!」


頭を必死に抑えているゴブリンに、釘抜きの部分を振り下ろす。頰に当たった金槌は貫通し、そのまま引っ張り頬骨を無理やり破壊する。血が噴き出し、肉のついた皮が垂れ下がり血で染まった真っ赤な歯が見える。

痛みでもがくゴブリン。そのまま何度もゴブリンに金槌を振り下ろし続け殺した。結果だが、疲れた。やはり打撃は殺すまでが長いな…やはり一気に息の根を止めることができる刃物系がいいだろう、じわじわ弱らせていく時用でとっておくか…

金槌を一旦腰に戻し、鎌を構える。やはりこっちの方が手になじむな…


『レベルアップしました。ステータスが変化しました。表示しますか?』


どうやらレベルが上がったのか…


「ああ、頼む」


名前 ボルト

年  27

レベル 57 up!

筋力  650 up!

知力  590 up!

魔力  400 up!

運   2000 up!


☆スキル

・鎌術 lv3

・金槌術 lv1

・虚言 lv1

・殺傷探求 lv2



☆特殊スキル

・備品召喚発注

・電気魔法


ほぉ…ステータスは、まあまあだな…上がり値はそこまで高くはないが、『運』の上がり方は異常だな…次に魔力も異常だな。なんでだ?…


『運が運を呼び込んで行った結果です。魔力については多くの発注をしたので、本人確認として一定の魔力を使っていたので上がり値が高いのでしょう。』


そうなのか…そういえば、スキルってなんだ?この前まではなかったよな?


『スキルとはある基準を満たした行動です。熟練度のようなものです。レベルによって威力が上昇したり補助などがついたりします。

どうやって倒そうかという思想により得たスキル『殺傷探求』により、戦闘スキルが入手しやすくなっています。代償に生き死について感情が薄くなります』


ウゲェ!?いいのか悪いのかわからないな…まあ、いいか…どうせ帰れないと思うしな…

スキルか…ちょっと気にして行動してみるか。しばらくステータスを見ていると、時間が切れたようで消えてしまった。いつでも見えるようにならないのか?

俺の問いかけにあの謎の声は返答してくれなかった。ステータスを出した時のみ返事をしてくれるのか?…よくわからん…

そういえばあの象の死体は近くだったよな…持っていけるか?…まあ、全部持っていかなくてもいいんじゃないか?…多分ゴブリンみたいに部位証明でいいだろう。ツノでも持っていけばいいだろう

適当に歩いているとハッシュたちに出会った道に出ていたのでなんとか記憶を呼び起こし、あのエルフの居たところに出れれた。象が暴れたところは未だひどい有様だ。死んでいた騎士は、ところどころ食いちぎられていた。食物連鎖だ、仕方ないだろう…


「なんか、懐かしく感じるな」


たった数日いなかっただけで、こうも寂しく感じるものなんだな…

未だに象の死体はそのまま残っている。どうやら象はまだ食われていたりしていないようで綺麗な状態だ。えーと…そうだな…どうやって持って行こうか…

俺は象の立派なツノに触れる。触っただけで重量感を感じる…しかし…なんだろう…

象の鼻を肩に乗せ、双角を両脇に挟みこみ引っ張ってみる。めちゃくちゃ重いが、運べないほどの重さではないようだ。ずるずると引きずりながら、象を運んでいく。地面がひどいことになっているが…気にしない。

それから1時間ほど…ずるずると運び、なんとか門が見えてきた。あと少しだな…

すると、門から誰かがかけてくるのが見えてきた。結構必死な表情だな…あ、門番だ。


「こんにちは…えーと…討伐したんですが」


「お、お前…これは…森の主だろ?そ、その前によく運んで来れたな…」


「すいません。えーと…こいつ、門に入りますかね?」


「大丈夫だとは思うが…解体してから運んでくれないか…」


「あ、はい…でも一人じゃ無理ですよ」


「待ってろ、ギルドに連絡してやる。はぁ…」


門番は再び門に向かって走っていく。俺は象に寄りかかる。それにしても俺はよく一人で運べたな…

呑気に空を見上げていると、畑作業をしていた老夫婦が俺に近づいてくる。


「お、お前さん…森の主でねぇか…」


「こんにちは。えーと…はい」


なんだろう少し変なきがするぞ…この夫婦。なんていうか…漂う空気が違うというか…


「主を殺したと言うことは…バランスが崩れる…」


「どういうことですか?」


「主とは頂点であり、秩序を守る重要な役割…バランスが崩れると、魔物が動揺する…暴れる」


「え?…それって「連絡してきたぞ。ここに置かれると馬車の邪魔になる。門の付近まで持ってこい」


「わ、わかりました」


老夫婦のしがれた顔にある瞳は、何か恐怖を感じた。詳しく話を聞こうとしたが、門番がうるさく先に象を運んでからにしようとし一瞬視線を象に向け、再び老夫婦を見ると老夫婦の姿はなかった。気味が悪い…


「早く運べ!」


俺は再び、双角を両脇に挟むと象の死体を移動させる。10分ほどで何とか門のあたりまで持ってくることができた。その頃には人通りがいつものように多くなってくる。自然と、俺の倒した象に視線が集まってくる。

しばらく待っていると、ゴブリンの耳を渡したあのマッチョな男と態度の悪かった受付嬢…それと、その後ろから見たことのない若い男が続いていた。綺麗に整った顔に綺麗な金髪…イケメンだ…くそ


「連絡をいただいたギルドのものです…こ、これですか…」


「おお!確かに主だ!討伐できるものなのか…!全身真っ黒だな…」


門番に向かってイケメンが話しかける。若干ビビってるだろう…まあ、俺が倒したわけじゃないし大きな顔はできないんだけどな


「おお、ギルド長が来てくださるとは…これが連絡したモンスターです。討伐者は…おい!」


門番が大きな声で俺を呼ぶ。名前教えなかったけか?…まあ、いい。

まあ、腹は立つよな…いいけど。態度に出てしまう俺は若干、門番を睨みながら近づく。


「君が主を?…」


「ええ、そうです」


「そうか…私は嘘が見抜ける能力がある。嘘は通じないよ?」


そういうと、イケメンは俺に顔を近づけてくる。いや、嘘を見抜けると言われても…確かに殺したのは精霊だけど…あれ?精霊って言った方がいいっぽい?いや、共闘したってことでいいよね…?


「わかった…どうやら嘘ではないようだね…ヘルッツさん。どうですか?」


「毛皮はダメだが、角は綺麗だ。毛皮も後ろの方なら状態はいい。前は焦げちまってるが、皮だけでも十分価値はある。討伐難易度とこの状態から見て…金貨80枚ってところだな!それで、討伐依頼は出ているのか?…しっかし、こんなもん化け物を一人で討伐したとなると、問題だぞ!」


「あ、ありえないわ…」


「しかし、目の前が現実であり事実です。ベレッカ、討伐依頼はありますよね?」


「あ、あります。「森の主 エレファウストの討伐」クエスト報酬は王金貨50枚です…」


「そうですか…ではクエスト達成としてあとで登録しておいてください。彼はギルドランクをAAに昇格します。おめでとう…えー…」


「ボルトです」


「ボルト君。私はギルド長をしているデューガです。よろしく頼む…」


「はい…えーとでは、こいつどうすればいいんですか?」


「こっちで解体します。申し訳ないが全てギルド買取する。了承してくれ」


「構いません」


「では、このままギルドに顔を出してくれ。」


「わかりました。」


「ヘルッツさん、このエレファウストの解体を任せます。人ではいくつ募集をかければいいですか?」


「おう!任せておけ!…そうだな…このサイズだと…Bランカーの短剣使いを7人くらいだな」


「わかりました。大至急募集をかけましょう。では、我々は一度ギルドに帰ります。」


「おう!ここまでの快挙だぁ!テメェーも本部に帰れるんじゃねーか?」


「ははは…期待しておくと、外れた時ショックですから、期待はしませんよ」


軽くムキムキマッチョにデューガは頭を下げると、すぐに門に入っていく。門番はすでに通常勤務に戻っている。俺はテューガの後ろに続いていく。しばらく歩いていると黒い馬車が停まっていた。テューガと受付嬢は黙って乗り込む。俺も後に続いて乗り込む。テューガと受付嬢は隣同士。自然と、俺は向かい合う席に座ることになる。


「ハンターの募集ですが、緊急で依頼書を発行します。報酬はどうなさいますか?」


「そうだな…Bランカーとなると金貨3枚でいいだろう。」


「失礼ですが、それは高すぎませんか?解体業務ですよ?」


「解体と言っても、あれは素材としてかなりの価値がある。値段の分丁寧にやらせるさ。」


「わかりました…」


受付嬢はシュンと大人しく、黙り込んだ。なんかギルドで見た態度と違うな…まあ、上司の前だからか


「君は炎系の魔法が得意なのかい?…見た感じ炎で殺されている感じだったが」


「えーと…まあ、少しありまして」


嘘でもついて合わせてやろうかと思ったが、こいつは嘘を見抜けるなどと言っていたし警戒はするべきだろう…

俺が黙っていると、何かを察したのかテューガがフォローしてくる。


「大丈夫だ。手の内を明かすことになってしまうのを恐れているのだろう。私も配慮が足りなかったな」


「すいません」


「では、報酬の件だが額が額だ。一括で支払うことはできない。まずはギルドで王金貨50枚を渡そう。あとは解体が終わりオークションに出してからになる」


「わかりました」


「ランクだが、今日から君はAAとなる。一気に上げてしまうと問題があるのだが…君は今のランクはいくつだ?」


「テューガ様!こいつは昨日作ったばかりです!」


「なんだと!?君は傭兵か何かだったのか?…」


「まあ、いいじゃないですか」


「ま、まあいいが…そうだ。君はこれからAAランクとなる。ギルドの要請にはなるべく出てもらうことになる。街を出る際も、一言声をギルドにかけてくれ」


めんどうになったな…まあ、しばらくはこの街にいて情報を収集するからいいか…


「申し訳ない、身分を隠しておきたいので公表などはやめていただきたい…」


(っ!…そうか…やはり、隠さなければいけない身分か…「…わかりました。公表はしないとします」


何か小声で聞こえたが…無視だな。まあ、ギルドの長ともあろう方だ嘘はつかないだろう。

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