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42話 ヒーローの憧れ…

長い時間が空いてしまい申し訳ありません。

書き方が変わっていたり矛盾していたら教えてください。

短くて本当申し訳ない


「仲間思いなのですね…転移してきた時ボルトさんに会えていれば少しは変わったかもしれませんね…」


「仲間思いねー……さあな。今からでも間に合うんじゃねーか?」


「それは…!「さ、長話はさすがにまずいだろう。城に入ってから、あんたとは話をする。」


俺はタバコをふかす老人を見つめると、老人も俺の考えがわかったのかニヤリと笑うとサリバンから腰を上げ出口に向かっていく。何か聞きたそうな表情のカエデを無視する。


「おっと、この眠っている連中じゃがワシが離れればすぐに目覚める。適当にやっておいてくれ」


「丸投げだな……まあ、いい。」


そういうと、老人はニヤリと笑い馬車の扉を閉めた。さて、俺の隣におとなしく座っているマグネをどうするかだ。子供は基本黙っていることができないだろう。俺はマグネの顔を見つめる。マグネは俺を睨むような目つきだが、真面目に話を聞こうとしているのがわかる。


「マグネは今年いくつになる?」


「12…」


小さな声で俺に答える。まさか答えてくれるとは思ってなかったが、ちゃんと会話をするつもりはあるようだ。


「そうか。マグネは俺たちと出会った時「人攫いどもめ」といったのを覚えているか?」


「うん…」


マグネは俺から視線を外しながら小声で答える。悪いことを言ったと思っているのだろう。まあ、事実だしな…


「それはさっきのおじさんが言っていたことと合わせてみろ。それが真実だと俺は思う」


「難しくてわからない…」


「いや、わかるはずだ。12になるのだろ?逃げようとせず、自分で考えろ」


俺はマグネの視線が揺らいでいたのに気付き、冷たく言い切る。この年の子供は何かと理解できないと口には出すが、きちんと理解はしているものだ。それはまだ誰かがなんとかしてくれると考えてる証拠だ。俺の言葉にマグネは一瞬俺の目を見た後すぐ視線を外しながら答える。


「ウゥ…帝国は自分たちを守る為悪いことをしてる…それに巻き込まれてる…勇者様も…英雄も…」


「そうだ。わかってるじゃないか。その帝国の悪いこととやらにマグネもマグネの母さんも巻き込まれている」


「いやだ!なら、俺は戦う!」


俺の言葉にムキになったマグネを俺を睨み付けてくる。母さんを出したからか。まだ子供だな…

ガタガタと馬車の中の金属がガタガタと音を立てる。マグネの感情によって能力が勝手に発動しているようだ。制御はまだ甘いのか……


「そうだ。さっきのおじさんは一緒に戦ってほしいと言っていた。」


「それはあんただけだろ…?」


俺の言葉に怒りを忘れてマグネは一瞬口をぽかんと開けすぐに俺に睨み付けてくる。まあ、一瞬の間のおかげで興奮が収まったようで金属の揺れがなくなった。


「ああ、だから俺はお前も……俺と一緒に戦ってほしいと考えてる。」


「そ、そんなの!…む、無理だ。俺より強いあんたがやればいい!」


「戦うのだろ?それにお前を倒せた俺が、今度は仲間だ。どうだ?ヒーローになってみないか?」


「ヒーロー?」


ヒーロー……子供の頃は誰もが憧れる存在だ。俺も昔はそうだった。


「そう、悪い人間を倒して、みんなを幸せにするのがヒーローだ。どうだ?」


「ヒーロー……悪者を倒す…みんなを幸せに…」


「俺と一緒に来い。母さんも、村の人も全員守れるようなヒーローにしてやる」


「わかった。俺…いや、僕やるよ!」


「ふふ、ああついてこい。」


俺の目を見つめながら硬く握りこぶしを作るマグネ。その目には俺への敵対心は無いように感じた。俺はそっとボルトの頭を乱暴に撫で回す。


「や、やめろ!」


マグネは俺の手を払いのけようと必死になる。俺は適当にその手を躱していると、寝ていたサリバンがピクリと動くと、起き始めてきた。気配察知から、一番最初に起きたのはサリバンのようだ。復活するまでの時間は、個人差があるのか。サリバンは頭を振ってから、すぐに落ちていた盾を拾い上げ辺りを確認する。


「ぼ、ボルト…すまない…気を失っていたみたいだ…って、この状況は何だ!?」


「何でもない…俺もさっき起きたばかりだ。な?マグネ」


俺はマグネにそっとウインクをするとマグネは大きく頷く。


「ああ、何もなかったぞ!ああ!本当だ!」


「そ、そうか?…と、とりあえずみんな起こすぞ」


「ああ、そうだな」


俺とサリバンとマグネは手分けして倒れている全員を起こす。一番面倒なエリカは一番最後にしたのは仕方ないだろ。絶対に喚くからな……

しばらくは混乱していたが、もう直ぐ帝都ということでここはひとまず、帝都に行くことを優先するようだ。



しばらく進んでいくと、窓から大きな壁が見えてきた。遠くから見てもその大きさがわかる。それにしてもこんな壁を立てるだけの技術力に財力があると思うと帝都が強くなってきたな。


「なあ、あんた、名前は?…」


「何だ、マグネ急に」


「うっせー!いいから答えろ!」


「こら、マグネ!そんな口の利き方はダメってお母さん言ってるでしょ!」


母親がすぐに間に出てきて、マグネの頭を押さえつけ頭を下げさせる。俺が気にしないというと、すぐに解放されたがマグネはバツが悪そうな表情で俺を見てくる。


「名前を…教えてください…」


「ああ、自己紹介してなかったか。俺の名前はボルトだ」


「ボルト…師匠?…」


「ん?何かいったか?」


「何でもない!」


こんな会話をはさみつつ俺たちは帝都の中に入っていった。

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