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4話 街に到着してギルドに登録しましたが…

更新は不定期です

最後の方には少し戦闘が入ってます


「えーと、ボルトさんの出身ってどこなんですか?」


「俺の出身は日本って国のグンマって所なんだけど、知らないかな?」


「聞いたこともないです。どんなところなんですか?」


「グンマは気候の差が激しくてね…夏はとても暑くて、冬は凍るほど寒いんだよ。」


「そうなんですか…行ってみたいです!」


のんびりと馬車と一緒に歩いていくと、街が見えてきた。巨人のでてくるアニメほどではないが、立派な石製の壁で囲まれている。しかし、どうやってここまでの高さの壁を建てたのだろうか。どうせスキルやらのおかげだろうが

街の入り口には、多くの馬車がすれ違っている。かなり栄えているのだろう。ちなみにツノの生えた兎は面倒だったので、馬車にツノを深く突き刺しておいた。最初は抜こうと必死だったが、途中で諦めたようで今ではおとなしい。


「さあ、お前ら。ギルドカードを準備しておけよ」


ハッシュが背後から叫ぶ。サーとザックはポケットから小さなカードのようなものを取り出している。


(カードなんて俺は持ってないんだけど!通れるものか?)


街の入り口には、あの像に殺された兵士と同じ紋章が刻まれた胴装備をした門番らしき男が立っていた。


「身分証の提出をしろ」


ザックとサーは先ほどのギルドカードを門番に見せる。すると、ろくに確認もせずカードを返す。


「通っていいぞ。お前もだ」


「あ、ギルど「すまない。こいつは転移陣に巻き込まれたみたいなんだ。入国審査をやってくれ。メル、そいつらをギルドに連れてってくれ」


「了解だ」


「わかった。こっちに来い。」


門番がどこかに行くので、その後についていく。なぜか、ハッシュ同じようについてくる。冒険者見習いの二人とメルは馬車と一緒に先に進んでいる。

すぐに門の近くにあった小屋に案内される。小屋の中は非常にシンプルで机が二つあるだけだった。


「そこに座れ。これに触れ」


門番に言われ、席に座ると綺麗な人の頭ほどある大きな水晶を指差す。

ボルトがそっと手を水晶に乗せると水晶が青く発光する。


「どうやら犯罪歴はないようだな。まあ、いいだろう。名前は?」


「ボルトです」


門番は机の上にあった紙に何やら書き込む。しばらくして書き終わったのか、書いていた紙を俺に渡してくる。


「それは仮入国証だ。それを持ってギルドにでも行ってカードを再発行してもらえ。以上だ。」


そういうと門番は小屋から出て行った。ハッシュは満足そうな顔で、俺を見る


「どうかしましたか?」


「いや、なんでもない。さあ、今からギルドに行くぞ。」


「ええ。案内してくださると助かりますね」


「無論、そのつもりだ。ついてこい」


ハッシュが背を向けて歩いていくので、その後を追いかける。街はそれなりに賑わっており、市場のように小さな店舗が一列に並んでいる。野菜を売る女性、大きな魚をさばく男性。見たこともない魚や植物ばかりかと思ったが、前世でも馴染みのある食材も売られていた。周りをキョロキョロしながら歩くボルトは完全に旅行者のようだ。

しばらく歩いていると、人気は大きな建物が見えてきた。扉は常に開いており、武装した男女が真剣な顔で入ったり、出たりしている。


「ここがギルドだ。冒険者ギルドだ。ここでも登録していけ…さっきの角兎を換金するにも必要だからな」


「わかりました。あの、お金を持っていないんですよ」


「なら、さっきの手袋を買おう。いくらだ?」


「えーと…あの兎はいくらなんですか?」


「普通は銅貨3枚だが…鮮度がいいし、生けどりだったしテイマーに売れば銀貨まで行くんじゃないか?」


「なら、ギルドに登録するのにいくらかかりますか?」


「なんだ?そんなことも知らないのか。銀貨1枚だ。」


「そうですか。では、ハッシュさんはあの手袋にいくら出しますか?」


「それは俺を試しているのか?」


なぜかハッシュさんがものすごく睨んでくるが、目をそらさずその目を逆に睨むように見る。


「ははは!わかった。銀貨4枚出そう」


「あー、その半額の銀貨2枚でお売りしましょう」


「なぜだ?」


「いえ、なんでもありません。」


「よくわからんやつだ。ほら」


ハッシュはポケットから銀色に輝くコインを2枚渡してきた。銀貨がちょうど100円ほどのサイズで色味も同じため200円の手袋で400円も受けるのは気が引けた。それを受け取ると、ボルトはポケットから先ほど出した手袋を渡す。


「これで成立ですね。」


「ああ。ギルドの中に入って受付で、ギルドカードを作りたいと言えば作れる」


「ありがとうございました。」


「たまたまだ。じゃあな…」


ハッシュにお礼を言い軽く頭をさげ、ギルドの中に入る。中は多くの冒険者が大きな板の前に集まっている。

その中の奥の方にカウンターがあり女性が退屈そうに暇をつぶしていた。


(えーと受付だったか?…いいのか?…あれで…あれだよな?…)


「あのぉ…すいません」


「何?何のよう?…え?黒髪?…」


「いえ、あのギルドカードを作りたくてですね。髪色がどうかしましたか?」


「脅威にはならそうね…。はいはい。銀貨1枚よ。はい、これを横から持ち上げるように両手で触って」


受付嬢は黒いテッシュボックスほどの箱を取り出す。銀貨を1枚机の上に置きそっと箱を持つように手を添えると箱がどんどんと折りたたまれるように形が小さくなっていく。

数分後、箱は小さなカードのような形になる。


「はい、これを握れば完了。死なない程度に頑張りなさい」


「は、はい。ありがとうございました。」


態度の悪い受付嬢から真っ黒のカードを受け取る。そっとカードをそっと握ってみるとカードがどんどんと白く変色していった。

カードの裏表などを見ていると、突然声をかけられた。振り返ると、冒険者見習いのザックとサーが笑顔で俺を見ていた。


「カード作ったんですか!何かクエストでもやるんですか?」


「そうだね。でも、宿をとりたいかな?ここって宿の相場って1日いくらくらいかわかる?」


「そうですね…確か銀貨3枚で1日が相場だったと思いますよ?泊まるなら、門の近くにあった「ミルクティー」っていう宿がいいみたいですよ。」


「わかった。銀貨3枚か。よし。お金になるようなクエスト行きたいんだけど何かある?」


「それなら、角兎とかゴブリンくらいじゃないですか?」


「そっか。なら、その二つを受けたいんだけど…どうすればいい?」


「いや、多分クエストがないんで、そのまま森まで狩ってくるといいですよ」


「わかった。」


「あ、角兎は売れますけど、ゴブリンは売れないので耳だけ切ってきてくださいね!」


「わかった。」


二人と別れると、急いで来た道を戻り門まで戻ってきた。門には先ほどの門番が通行人をさばいていた。人数が多く忙しいみたいだ…だから、さっきも適当だったんだな…

しばらく待っていると、通行人が減ってきたので門番に話しかける。


「あの!ギルドカード作ってきました」


「そうか。見せてみろ…よし。出て行くのか?」


「ええ。」


「そうか、気をつけろろよ。」


門番に短い挨拶をすると、門から出てそのまま森に向かっていく。森に入るとゴブリンを探す…冒険者見習いの二人が簡単に倒していたし…余裕だろう…

森をぶらぶらと歩いていると、すぐに緑色の肌をしたゴブリンが三匹で大きな切り株でウロウロとしていた。

さあ、殺るか…『備品発注召喚』…お…これがいいかな…

二本の草刈り鎌と軍手を発注し、すぐに装備する。近くにいたゴブリンを狙い…後ろを向いた瞬間に草原から駆け出しゴブリンの首に鎌をかけ、右足で背中を抑え左手で頭を掴み…一気に鎌を引く。返り血がかかると嫌なので右足でそのままゴブリンの体を蹴り倒しておく。

一匹がやられたことで、残った二匹俺に襲い掛かってくる。子供ほどの身長のおかげでちょうど蹴り上げると顔面にヒットする。一匹は蹴り飛ばし、もう一匹の攻撃をかわす。かわすと同時にゴブリンの伸ばした掴み、肘に鎌を当て…肘を曲げさせながら鎌を引く。返り血がかかる前に一歩前進し片手の鎌で首を切り裂く。

最後に蹴り飛ばしたゴブリンがまだ息があったので首を刈り取った。


「フゥ…終わったな。なぜか、殺しても何も思わないな…確かゴブリンは耳だったか?」


鎌だと耳が切りにくいので、万能ナイフを発注しナイフで耳を切り裂く。

プニプニとしていてたが…気持ち悪いな…

ゴミ箱として使っていたポーチに耳を放り込んでおく。さあ、まだ、3びきだ…もっと倒さないとな…

そういえばあの象をギルドに持って行ったらどうなるんだ?…明日持って行ってみるか…

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