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しるし2(詩集)

梅雨花火

作者: さゆみ


ふとした瞬間、飛びたいという

そう今、飛びたいという

聳える塔の息、煙る闇の破棄

そう今、飛びたいという

湿り気のスパイラル、しの(きわ)のトライアル


なにもいらない

翼も武器も、鋼も自棄も、茜も想起も

なにも持ち合わせやしない


この彩りの不透明さに

伝わりたいと肉体がすける

この束の間に、飛びたいという

堕ちる気がしない、堕ちるはずがない

意識を暮れさせる


線香花火が湿気っている

降り出した霧雨は

パチパチと靡いて空中を舞う

肉体を啄ばんで意識を明ける


冷たくもなく、愛しくもなく

激しくもなく、哀しくもなく

肉体に纏わり付く

傷つけることなく、痛むことなく

美しくもなく、しみてゆくのみ

濡らしてゆく花火、花火





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