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Re/light  作者: 東雲 仁
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第九話 ~隠しきれない陰謀~

2日後。

離陣街北区出口付近。


「またなアヤ!シズルさんまた来ますね!」

「あいよ!怖い隊長さんによろしくね♪」

「行ってらっしゃい皆♪」

ユウト達は挨拶を交わし検問所へと向かった。


昨日、ユウト達はシンヤから今回の独断の捜査について話を聞いた。

シンヤの説明によると、なんでも今回〝オリハルコン”を表に流した輩は離陣街に潜んでいるらしい。

オリハルコンとは、本来〝魔界”でしか入手できない物質であり現在〝表世界”でこれを管理、保管しているのはリライトのみである。それは確証も取れているし事実裏切り者がいたとしても裏で組織が処理していた。そういった裏で仕事をする部隊もあるので今回の様にユウト達通常の隊員が密売現場に遭遇するという事は、どこか別の組織が動いているという事になる。

これに不信を覚えたシンヤは早速持前のお人好しと頭のキレを駆使して情報を集め、犯人の出所を掴んだのである。


帰り道ユウトはシンヤに問いかける。

「しっかしお前もよくやるよなぁ、そんなの普通検証部隊とか捜索部隊がやるワケで余計な口出ししたら妬まれるってのに逆に認められてるってどういう事だよ!オレ最初この報告受けた時絶対ドヤされると思ったんだからな!」

「大丈夫だよ♪そこら辺はうまくやってる!ユウト達が目を付けられる様な事はさせないよ!」

「あ、そうですか。…ったく。」

そんな話をしながら4人は支部へと帰って行った。




離陣街 東区

廃工場跡

 

「大変ですボス!!例の取引が失敗したようで…!」

「なにぃ!!奴ら口が裂けても言わないようにしっかり調教したはずだろ?!」

「それが…どうやらブツも押収されたみたいで…、しかもリライトの兵士が情報収集に来てるようです…!」

荒れ果てた廃工場の倉庫で男達が集まって何か揉めているらしくそこのボスらしき男が部下に一括する。

「なんだとぉ…!?国家の犬めええ…!どこまでも邪魔しやがって!」

「…まぁ落ち着いて下さい。奴らが攻めてきたとしてもまだこの施設の場所まで嗅ぎつけて無い筈です…先に手を打っておきましょう。」

裏から白衣を着た老人がそう言いながら現れた。

「…おお新田さん、アンタなら何かいい策を練れるはずだ。頼むぞ!」

「かしこまりました。…そこの二人、ちょっと手伝って欲しいんだが付いてきて貰えるかね?」

「…俺らですか?」

「は、はぁ…。」

新田はそう言って部下二人を連れて裏の方へ行ってしまった。

(…あのジジイ、見てくれはアレだが中々使える奴だ…、イカレた研究をしてるみたいだが俺達にも協力的だしな…。俺達〝白夜”の野望にこれからも貢献して貰うとするか…)

ここは離陣街東区外れにある巨大な廃工場跡で今は密売組織〝白夜”のアジトとなっている。元々新田が研究施設として使っていたものをリーダーである〝薊野浩太”が取引をして提供させてもらっている様だった。離陣街の奥で不穏な空気が流れていた…

「…ククク…。この街は俺達が支配してやる…♪ハハハハハハハハ!!」




リライト日本支部

隊長室。


ユウト達は支部に戻り、直行で隊長の所にに向かっていた。隊長室の前に来るとユウトは一つ大きく深呼吸をした。それもそうだ、隊長の性格上入って早々どんな罵倒が飛んでくるかわかったもんじゃない。少し心の準備が必要だ。意を決して隊長室のドアをノックし開ける。

「失礼します!第三班只今戻りまし…。」

「おぅ!シンヤお前前に出ろ!」

ユウトが言い終わらないうちに早速ドギツい声が指示を出す。

「…ハイ♪隊長この度は自分の勝手な行動で班員に負担を掛けてしまい申し訳ありませんでした!他の隊員にも示しがつかず隊長にも苦労を掛けてしまい大変反省しております!」

「当ったり前だ!!いいか?隊って言うのは全員が統率を執れなきゃ意味がないんだよ!!班だって同じだ!お前だけが命を落とすならまだいい!それが原因でユウトタクマケンジが死んだらどうすんだ?!実際そういう目にあった奴らを何度も見てきたんだよ俺は!お前ら今の生活に甘んじてんじゃねえぞ!」

「はい、以後気を付けます…!」

よかった。テンプレ通りだ。ユウトは素直にそう思いホッとした。

ユウト達第三班は他の隊員から少し特殊な目で見られている。ユウトとシンヤなんかはまだ14才の時に当時はほぼ成功例のなかった組織(リライト)からの脱走に成功しているし、ケンジとタクマは幼少の頃から実践してないとまずついていけない過酷なトレーニングに入隊した次の日から平気でついていけていた。

極め付けは四人共獣眼と自然術が使えるという事だ。

普通この能力は片方でも持っている事すら希少だ。それですら一班に一人いればいい方であり二つ共使用できる人物なんて全支部合わせても10人もいなかった。さらに任務の功績も高く信頼もあるので一目置かれていた。

「それで、向こうの様子はどうなんだ?」

「ハイ♪わざと目に付きやすい様に行動してたんでしっかり釣れました!シズルさんがすでに警戒していたんであまりデカい動きは出来なかったみたいですけど返って特定できました!」

ヨシキもシンヤの考えを理解しているので早速本題へと話を移す。

「よしわかった!早速第三班に任務を言い渡す!」


ヨシキの声にユウト達は自然と体を強張らせ任務の内容に耳を傾ける。隊長直々に言い渡される任務はランク上位のものだ。そしてこのタイミングで指令を出されるって事は大体の内容も検討が付いていた。


「明後日より離陣街〝東区”に潜伏している密売組織〝白夜(びゃくや)”の討伐に取り掛かれ!任務ランクはAとする!B級のお前らにとってランクは上だが離陣街の現状や地形に詳しい事、内部でのツテがある事を踏まえてお前らが適任だ!さらに実力もA級の域に達していると判断している!さっさと殲滅して来い!というか潰すまで戻ってくるな!!」

「「「「ハイ!」」」」

 

四人はそろって返事をすると早速任務に向かっての準備に取り掛かった。








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