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夏の空へ……  作者:
第1章 1年目夏
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第7話 そっくりそのまま返してあげるよ

あの後オレはお詫び(?)と言うことで晴れてスポーツドリンクを買った。


何でも滝沢も部活が終わってジュースを飲んでから帰るところにオレを見つけたらしい。


ちなみに部活はバレー部でポジションはセッターだそうだ。


話を聞く限りだと滝沢は電車通学で終電に乗れなかったりしたら親に電話して、迎えに来てもらう……らしい。


んで、部活の影響で終電を乗り逃してしまったため今車を待っているとのことだ。


「部活もやって勉強もやってか……。」


「最初はキツかったけど慣れたら楽なもんだよ。」


オレはというとさすがに暗い学校に女の子を残しとくほど薄情ではないにで一緒に待っていることにしている。


「それはそうとインターハイ予選ってそろそろじゃなかったっけ?」


「明後日からだよー。」


「メンバーには?」


「控えのセッターとして入ったけど……。」


「出番が来るまで気持ち切らさないようにしなきゃな。」


「そうだね。たしか野球部はまだ1ヶ月も残ってるんだよね?」


「監督やコーチがドS過ぎて毎日毎日ハードだよ。」


あとはピッチング練習とかなんだけど、ピッチング練習は自分からやってるから別に何とも思ってない。


「そっか……、あ。親が来たみたいだからわたしはこれで。」


話し込んでいたら滝沢の親の車のライトらしきものがこちらに向かってきていた。


「おー。」


「送っていこうか?」


「いんや。寄るところがあるからいいわ。」


「そう。じゃあまたお昼の学校でね。」


そう言って滝沢は車の中に入り、娘を乗せた親の車は瞬く間に消えていった。


そんじゃ帰りますか……。







『拓海へ

晩御飯は作っておいたので

食べたらお皿を洗って早く寝てください

練習お疲れさまっ 雪穂より』



家に帰ったら雪穂の書き置きとラップしてある今日の晩御飯がテーブルの上に置いてあった。



「……美味い。」



オレは雪穂が作ってくれた晩御飯を味わいながら食べ終え、洗濯や洗い物等を済ませさっさと床についた。






……はずだったんだけど。






寝れない……。



身体は疲れてんのに頭が物凄く冴えてしまって寝れねぇ。


寝るまでどうしようかと考えていたら、ケータイのイルミネーションが緑色に光っているのに気付いた。



ったく……。誰だよ……。


『こんばんはっ滝沢です ユキちゃんから連絡先教えてもらいました。もしかして寝てます?』


相手はつい数時間前まで話し込んでいた滝沢だった。


メッセージを見てしまった以上、返さないというわけにはいかない。


『いや、何だか寝れなくなっちまってどうしようかと思ってたところだ。』


『そうなの?寝てたらどうしようかと思ったよー』


『そういう滝沢こそ何してんだ?早く寝ないと肌に悪いぞ?』


『そうデリカシーの無いこと言わないでよ!(笑) 明日の授業の予習してて、もうちょっとで寝るところ!』


『明日も早いんだからはよ寝ろ』


『その言葉そっくりそのまま返してあげるよ(笑)おやすみなさい!』


……なんだったんだろうか。


考え事してたら何だかまた寝れる気がしてきた。


重たい瞼を閉じ、毛布を無造作に被る。




……甲子園予選開幕まで残り1ヶ月。




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