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夏の空へ……  作者:
第1章 1年目夏
3/78

第2話 どこにありますか?

「えっと…。資料室…資料室っと……。ここだな。」


生徒手帳の地図を見ながら4階の資料室にやって来た。


いかにも使い古してますよー。って感じの教室だ。


比較的新しい校舎なのに使い古しているような感じが漂うのは掃除が行き届いてないか様々な資料とかで独特の雰囲気が出ているのか……。はたまた別な理由なのか……。


まぁでも考えてもしょうがないな。


「失礼しまーす……っと。」


スライド式のドアを開けて赤いファイルを探すが、目的のものはすぐに見つかった。


「んだよ……。こんな浅いところにあるなら今の時間でも取りに来れるんじゃねぇのか?」


「あ…あのっ……!!」


「ん?」


オレは資料室のカギを閉めながら少しだけ先生への愚痴を溢していたら、後ろからキーが高い声がかけられたので後ろを振り向いた。


さっき新入生代表の挨拶をしていた滝沢っていう娘だった。


どうやら困っている様子だけど、今から口に出そうとしていることは何だが言いづらそうだ。


「どうかされました?」


一応助け船を出す。そしたら滝沢は少し恥ずかしそうに…そして困ったように口を開く。


「あ…あの……!!……職員室ってどこにありますか?」








「どうもありがとうございました!」


「いいよいいよ、オレも職員室に用事があったから。」


オレは滝沢と一緒に職員室に行き、それぞれ用事を済ませた。


オレが用事を済ませ、職員室から出ると滝沢が律儀に待っていてオレに深々と頭を下げる。


「ホントにありがとうございました!……えっと。」


「楠瀬 拓海。」


「拓海くんありがとうございました!」


滝沢はすごく可愛らしい笑顔を浮かべ、再度お礼をする。


おう……。たった今まで名前を知らなかった異性をいきなり君づけで呼ぶのかこの娘は。


ましてや同級生の中でもレベルの高い容姿にモデルさんのようなスタイルを持っている女の子から君づけか。


何だが照れるな……。


「おう。しばらくは生徒手帳の中に記載されている地図を見ながら行動するといいかもな。今日みたいに道に迷って授業遅れたら新入生代表の面目が潰れちゃうかもな。」


オレは照れ隠しの少しだけ皮肉を交えて滝沢にアドバイスを送る。


「はいっ!ありがとうございました!」



オレは滝沢のお礼を右手を挙げることで答え、何処にも寄らずに直帰し制服を脱ぎ捨てベッドにダイブした。








「んがっ……」


家に帰ってからいつの間にか眠っていたみたいだ。


気づけば午後7時を回っていて、台所から発しているであろう1階から夜メシのいい香りがしている。


「拓海ー、ご飯そろそろできるから起きてー。ってなんだ、起きてるじゃん。」


雪穂がオレの部屋のドアをノックもせずに開け放つ。


「おー。さっき起きたばっかだ。オレいつから寝てたか分かるか?」


「わたしが拓海の家に来たのがだいたい5時くらいだけどそのときにはもうぐっすりと眠っていたかな?……寝起きだけどご飯食べれそう?」


「おう。もう腹ペコだ。」


「じゃあご飯にしましょ?」


テーブルにはサバの塩焼きにほうれん草のおひたしに肉じゃが、白米に豆腐とワカメの味噌汁が2人分置かれている。


オレと雪穂は綺麗に食べ終えたところで、雪穂は家に帰ったので皿を洗ったり明日の準備をしたりしてたら寝る時間になったので明日に備えて眠りについた。



次から野球のお話も入りますよー

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