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夏の空へ……  作者:
第1章 1年目夏
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第21話 試合後と次の日

Side R.Tachibana


9回のマウンドに上がる前にふとバックスクリーンを見てみる。


ライトで照らされた甲子園は、とても鮮やかだ。


特に外野なんて天然芝がライトの光を反射しているように見えるし、内野に至っては形容し難い光景だ。


きっと夜景で有名なデートスポットよりキレイ何だろうな。


彼女と一緒に夜景なんて見に行った事ねぇからその辺よく分からんがな。


さて9回のマウンドだ。


最近見たアニメの1フレーズを使うとするならば…、



見たことない景色…、見に行こうか。


その景色を見に行くため、オレはゆったりとモーションに入り力強くボールを叩くようにキャッチャーに向かって投げ込んだ。



Side out




「ゲーム!!!」


主審が試合終了を告げるコールをすると、それに伴ってサイレンが鳴り出す。


オレたちはそのまま1対0で勝った。


立花さんの完全試合パーフェクトというオプション付きで…。


あーあ。オレもカクテル光線に照らされた甲子園のダイヤモンドに立ちたかったなぁ…。






宿舎に戻った後、ミーティングをしてメシを食べ終えたオレらは寝るまで少し時間ができて、立花さんの完全試合とカクテル光線に照らされた甲子園を見て興奮してしまっているのか夜中にも関わらずシャドーピッチングをするためタオルを持って出ようとしたが、松平さんに何故か止められた。



「なんで止めるんすか?」


「外見てみろ。」


外?


オレは松平さんの部屋から宿舎の入り口に目を向けた。


そこには人、人、人。


まるで人がゴミのようだ。


きっと史上数人しか達成していない大記録を打ち立てた立花さんへの取材なのだろか、マスコミの人たちがわらわらと群がっていた。


「こんなんで出ていったら…後は分かるだろ?」


きっと立花さんのことについて何かしらのアクションが起きるのが容易に分かる。


オレはカクカクと頭を激しく縦に振った後、大人しく部屋に戻った。









次の日の練習も報道陣を始め、人だかりがすごかった。


スポーツ新聞やテレビ局を始め、プロ野球やメジャーリーグのスカウト…、挙げ句のはてには昨日の激闘甲子園を見たファンでごった返っていた。


警備員の人たちの制圧とかで何とか事なきことを得たが、この熱が収まるのはもうしばらくかかりそうだ…。



Side out




ーーその頃の甲子園球場。



昨日の試合で立花 亮介が完全試合を達成し、ますます今年の甲子園が盛り上がる。



そして今日も、また一人甲子園のスターが誕生しようとしていた。



ーーーバキィィィン!!!



『打ったぁ!真芯で捉えた打球は甲子園の浜風をもろともせず伸びていくー!ライト下がる!ライト下がる!入ったぁぁあ!!……、3打席連続ホームラーーーン!!昨日の光南高校の立花に続き、今年の甲子園は何が起きているんだぁ!!』



甲子園で3打席連続ホームランを打ったバッターは選手たちに出迎えられ、年相応の照れた笑顔を浮かべながらベンチに下がる。



この時はまだ、楠瀬の最大のライバルとして何度も対決することになるとはまだ誰も知らない…。




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