頂上決戦③
爆炎と爆音。エルンストが炸裂させた癇癪玉が熱と煙幕を張り、半壊した付近の建物をさらに破壊。崩れる瓦礫を縫って、大剣を携えたエルンストが疾走。
「世の中、何が正解に繋がっているか分かったものじゃないとは、良く言ったものだ」
後を追うようにリグネストが疾駆。低姿勢の突貫から宙に身を躍らせたかと思えば、その先にあった壁を蹴って方向転換。勢いのままエルンストを追い越し、擦れ違い様にナイフを一閃。赤い血飛沫。
エルンストが選んだのは防御ではなく、反撃。剣撃はリグネストの腕を掠めて肉を裂き、ナイフの切っ先はエルンストの肩を割る。
結果を見届けるよりも早く、両者は次手へ。だが空に身を包んだリグネストよりも、地に足を付けているエルンストの方が切り返しの速度は僅かに速い。振り抜き様の一閃がリグネストの鼻先を掠め、振り下ろしに変化した斬撃が残影を捉えて地を砕く。
後退した獲物を追うように、エルンストの拳が伸びる。風圧だけで肉を抉られそうな拳打を、更に大きく後退して回避。エルンストの間合いから抜け出し、手近な壁を蹴って再度の方向転換。
「仮にオレが、傭兵として生きる事を選ばずに、大多数の利益の為に生まれ育った国に奉公する事を選べば、お前との出会いも別の形となっていたか、そもそも出会う事さえも無かっただろう」
「前半は同意だが、最後の部分だけには反論させて貰う。生憎こちとら、強い奴を探すのは上手いんでな!」
追撃するエルンストの、大上段からの強烈な一撃。辛くもそれを回避するも、続く刺突が受けたリグネストの体を宙に浮かせ、払いの斬撃が大きく吹き飛ばす。
進行方向に点在する障害物を次々と蹴り、軌道を変え、勢いを殺し、四足獣の体勢で壁面に張り付き、地に降りる。息をつく間もなく横に跳び、更なる追撃から逃れる。
「そうか? 歩んだ道次第では、お前の眼鏡に叶う事も無いと思うが」
「テメェに限りゃ、そいつはあり得ねえよ。どんな道を選ぼうが、絶対に脱してたろうからな」
理脱者が理脱者足り得るのには、相応の理由がある。その根本的な在り方故にリグネストは理脱者となった以上、どんな道を歩こうとも、理脱者に行き着くという過程だけは変わらない。
「ただ、出会いの形が違っていたっていう点に付いては、全面的に同意だ。釦の掛け違いが生じていりゃ、この場にも、テメェの身内という名の邪魔が入ってたかもしれねえんだからな。それじゃ興醒めだぜ!」
エルンストの瞳に猛々しい炎が燃え盛る。殺意こそ宿れども、怒りや憎悪といった不純物を一切含まない、極限まで純化された闘争心の結晶。それを燃料とした炎が全身を動かす熱となり、力となる。
その熱を相手にも伝えるかのように、剣が空気との摩擦を起こしながらリグネストの影を貫く。返す刺突が心臓を狙い、拳で手首を打ち据えて軌道を逸らす。同時に爪先で水月を狙い、回し蹴りに阻まれる。
しかし更に踏み込んだエルンストの左手が伸び、相手の肩を掴む。強制的にその場に固定したところに、密着状態からの頭突きが繰り出され、互いの額が衝突。
「石頭め……」
皮膚が破け、鮮血が飛び散ったのはリグネストの額の方。一方、エルンストの額の方は無傷。理に合わない結果だが、そんなものは彼らにとって酷く身近なもの。苦痛と脳震盪から膝を付いたリグネストへ剣が繰り出されるも、体を転がして回避。
追い掛ける刃に切っ先を当てて跳ね上げ、身を起こして蹴撃。腕で防がれ、翻った大剣に髪の毛を斬られながら肉薄。体の陰から放たれる腰溜めの刺突はエルンストの顎から頬にかけて赤い線を刻み、通過しきる直前で軌道を変化。
髪の毛を何本か斬られながら、屈む事で回避したエルンストの拳を膝蹴りで迎撃。更なる攻勢に転じようとしたところで、眼前に癇癪玉。咄嗟に封じられている術式ごと斬り裂き、失態に気付き舌打ちをする。
「油断も隙もないな」
「それはこっちの台詞だ」
頭の打ち合いまでは、エルンストが優勢に立っていたのは、誰の目にも明らかだった。それが瞬間的に逆転し、エルンストの方が追い込まれる状況に変化していた。
もし仮に、直前のブラフに引っ掛からなければ、決着とまではいかないにしても、痛烈な一撃をその身に受けていた事は想像に難く無い。
至近距離で癇癪玉を炸裂させる事など、無謀極まりない。もしリグネストが術式ごと破壊せずに炸裂していたら、双方に被害は避けられなかっただろう。そしてリグネストよりも、投じられたそれに近いエルンストの方が、より被害は大きかっただろう。
だからこそのブラフ。リグネストが反射的に対処してしまう事を宛てにした、酷く危うい綱渡り。そしてそれを成功させた事に対する、皮肉を交えた賞賛。
その賞賛を受けたエルンストの表情は、酷く苦いもの。
例え歴戦の――それこそ同じ【レギオン】の団員であっても見逃す間隙であっても、リグネストは格好の隙と見做して突く。
それと同様の芸当を可能にするが故に、エルンストとリグネストの条件は一見すると互角に見える。だが1つ組み立てを間違えれば死に直結する状況下において、思考に割ける持ち時間は、有する能力故にリグネストの方が圧倒的に多い。
その思考時間は戦いの方程式を解く時間に繋がり、導き出した解の正確性をより高める。直前まで押していたのは確かにエルンストだったが、次の瞬間に出した解はリグネストの方がより正解に近く、それ故の形勢の逆転を許していた。
(読み合いじゃ、あっちに一日の長があるか。さすがだな)
単純な膂力差で言えば、身体強化魔法を施した今でも尚、エルンストに僅かな分がある。だが無能者であるエルンストには無い、リグネストだけが持ち得る【超感覚】の能力は、リグネストに一瞬の時間を何万倍にも引き延ばして与える事を可能とする。
双方の戦闘の方程式を読み解く能力そのものは、ほぼ互角と言っても差し支えない。しかし考える時間の圧倒的なまでの差は、本来互角の筈の両者の天秤を、残酷なまでに傾けて行く。
体勢を低くしてリグネストが突進。迎撃の為に剣を振ろうとして、手に鈍い痛み。地を蹴る瞬間に弾き出した指弾が右手を撃ち据えており、対応が半瞬だけ遅れる。
その瞬間を突いて刃を掻い潜り、リグネストの手元でナイフが煌めき、動脈の通う手首が狙われる。素早く剣を手元に引き寄せてそれを避けるも、途中で目を狙う刺突に変化。至近距離での変化を超反応で回避するが、首を振った方向に待ち構えていた膝に顎を打ち抜かれる。
「エルンスト、お前は確かに強い。だがその真価が発揮されるのは、あくまでその長大な得物が最大限に振れるの間合い内での事だ」
不意打ちで顎を打ち抜かれた事による、微かな硬直。そこに間髪入れずリグネストのナイフが襲い掛かる。
咄嗟に腕を犠牲にしようと構え、眼前にナイフが投げ出される。反射的にそれを払った直後に、ナイフを自ら手放したリグネストの拳が叩き込まれる。
「互いの拳が届き合う密着戦闘、その間合いにお前は完全には対応し切れない。当然だ。大抵の奴はその間合いに踏み込む事なく、斬られて終わるからな」
恐ろしいまでの正確性でもってこめかみを打ち抜いた拳は、その下の脳を的確に揺らす。視界が揺れ、ふらつきながらも後退しようとする体が不自然に支えられる。
一瞬だけ意識が白く染まる間に、リグネストがエルンストの腕を掴んでその場に固定。放った拳を引き戻し、再び頭に放つ。
「だが生憎、ここはオレの間合いだ」
宣告と共に更にもう1度拳が炸裂。合わせて三連撃の直撃を喰らったところに、腕を掴む腕に力が込められる。殴られた衝撃とリグネストが引っ張る力が掛かる事により、エルンストの体が引き倒され、そこに一切の容赦無くリグネストが足を持ち上げられ、顔面へと踏み降ろされる。
「――ッ!?」
足を伝わって来る確かな手応え。その一方で、名状し難い違和感。
気付いたのは結果を目で確かめようと、足を戻そうとして失敗した時の事だった。
「どこが……」
顔を踏み付けるリグネストの靴底を噛み、その場に固定。リグネストが振り払おうと足に力を込めても、驚異的な顎の力がそれを許さない。そして靴底を捕らえたまま、エルンストがくぐもった声音で言い放つ。
「誰のだって!?」
上体を浮かせて、首と凄まじい咬筋力でリグネストを持ち上げ引き倒す。
倒れるリグネストと入れ違いで起き上がったエルンストが、遅れて跳ね起き、距離を取ろうとした相手の腕をお返しとばかりに掴み、離脱を許さない。
「ありがとよ。お陰で目が覚めたぜ!」
宣告するのと拳が炸裂するのは同時。渾身の力が込められた拳が左頬に埋まったリグネストは、その衝撃のままに吹き飛び、途中にあった廃屋や壁の残骸を幾つも貫通し、ようやく地面に転がる。
「怪物、え……」
リグネストにできたのは、遅く流れる時間の中で、拳が突き刺さる瞬間に首を捻り、威力を最小限に収める事のみ。それをして尚もこの威力であり、顎が外れて言葉を上手く紡げない。
怪物……そう他人を評する事は、理解する事を放棄する怠惰の表れであると公言して憚らない彼自身が、エルンストをそう評する。
ただ単に力一杯相手を殴りつける、エルンストが行ったのはそれだけの行為であり、それを彼自身も理解していた。その上でそれがこれ程の威力を発揮する事、それを無能者であるエルンストが成し遂げたという事が、理解の域を完全に超えていた。それ以上に、エルンストのその強さは彼の理解し切れるものではなかった。
それ故の怪物という評……まさか似たような事を周囲の者に抱かれているとは欠片たりとも思わず、一方で理解できない事に対する恐怖など微塵も感じ得ず、起き上がって外れた顎を嵌める。
しかしそこで動きが止まる。殴られた衝撃によって脳が揺れ、直立し続ける事さえも困難な為だった。
「今のは礼だ。頭の揺れを止めてくれた事に対するな。効いたろ?」
揺れる視界を叱咤し、目を凝らすと、リグネストの様子を嘲笑うかのような笑みを浮かべたエルンストの姿。
戦いは未だ継続しており、即座に対応できるよう体勢を整えなければならないのにも関わらず、揺れた脳は命令を受け付けない。その危機に対して、やり返すようにリグネストも笑う。
「強がるな」
本来ならば、彼が起き上がるよりも前に追い付き、容赦なく追撃を掛ける事が可能だった筈だ。にも関わらずそれをせず、余裕を見せ付けるようにゆっくりと歩いて来て見せたのは、直前に喰らったダメージが原因であると容易に想像できる。
事実巧妙に隠してはあるが、微かに重心がぶれているのが見て取れる。大抵の相手ならば見抜けないだろうが、リグネストの洞察力の前ではその努力も無意味でしかなかった。
「そういや、テメェは俺が何で【死神】なんつう、失笑ものの呼ばれ方をしているか知ってるか?」
リグネストの指摘に対して、話を逸らすかのように肩を竦めながら、そう問い掛ける。その問いの意図がダメージから回復するまでの時間稼ぎにある事は、誰の目にも明らかだった。
「確か、どれほど過酷な戦場であろうとも、必ず敵を皆殺しにして生還するから……だったか?」
「それじゃ半分だな。より正確には、それは後付けの理由だ」
「……そう呼ばれるようになった理由は他にあると?」
「ああ。それが何なのかは……」
だがその思惑は彼にとっても都合が良く、あえてその話に乗る。秒刻みで意識が覚醒して行くのを感じながら、話が途切れないように問い返す。返答は下手投げ。
相手に命中させる意図を感じさせない、緩やかな軌道で投じられたのは、リグネストの得物であるナイフ。反射的にそれを受け取ろうとして、一瞬だけ空中で不自然に停止。直後に段違いの速度で、直線で跳ね戻って行く得物に僅かに気を取られる。
(しまった――!!)
起きた事は単純。本来の持ち主が手元から放った時に、回収する為に使用している極細のワイヤーを手繰り寄せただけ。わざわざ得物を渡すという、不自然極まりない行為に警戒していれば、即座に看破できるであろう小細工にも満たないくだらないもの。
だが直前に受けたダメージの大きさの為に、気付けた筈のそれに気付くのに遅れた結果、次の行動までに一手の遅れが生じる。
その隙を逃さず、エルンストが間合いを狭める。まるで居合いのように右手に握る剣を左腰に持って行き、切っ先を後方に。体で大剣の全体を隠し刃を相手に見せない為の構え。そのまま姿勢を低くして行き、中越しの状態で突進。
(速い――ッ!?)
一手の遅れこそ許したものの、それ自体は彼の能力の前には小さな穴以上にはなり得ない。その穴をエルンストは、それまでとは一線を画する速度の突撃で抉じ開ける。その速度は明らかに魔法による身体強化を施したリグネストに並ぶか、凌駕していた。
さらに遅れを拡大された失態を噛み締め、予備のナイフを引き抜く。本来の得物よりも短いそれで迎撃する為に、自身の間合いを脳内で修正。平行してゆったりと進む時間の中で、急激な加速の理由を探求。即座に目に付いたのは、粉々となった注射筒の残骸。
直前まで踏まれて隠されていたそれを目にして、彼の脳裏に、弟子のエルジンが使うドーピングの情報が駆け巡る。それと同様のものだろうと推測する。
事実その推測は正解であり、エルンストは促進剤を使い内圧を高める事で、大幅に身体能力を引き上げていた。
本来ならば、いくら劇的な効果が望めると言えども、同格の中でも驚異的な五感を持つリグネストのような者を相手に使用するのは賢いとは言えない。どれほど上手く使っても、30分に満たない制限時間が生じるのに対して、過去の対戦では2日2晩という終わりの見えない戦いを繰り広げたリグネストが相手では自分の首を自分で絞めるようなものだからだ。例え身体能力で勝っていても、【超感覚】の能力はその優劣を埋める事を可能とする。そして効果が切れれば、碌に戦えない体調に引き摺り落とされ嬲り殺しとなる。それゆえに過去の対戦でも、それが使われる事は無かった。
だが毒による制限時間が生じた今ならば、そのリスクについても考慮の必要は無い。ならば使わない理由は無く、また互いが直前に負ったダメージも、痛みが完全に消えたエルンストにとって優位に働く。
それら全てを分析し終えた上で、リグネストは動く。後の事を考慮せず、莫大な魔力を循環に回して瞬間的に身体能力を更に押し上げ、前進。あえて致死圏に足を踏み入れる事で間合いに捉えて一閃。直前にエルンストがそれを掻い潜るよう、更に身を低くし、直後に身を起こすと同時に後方へと跳ね上げる。
わざわざ自分を間合いに捉えたのにも関わらず、自らそれを手放すような想定外の動きに、リグネストのナイフが空を切る。その結果に僅かに目を見開くと同時に、エルンストの右手が抜き放たれる。即座にナイフを引き戻して迎撃しようとして、その手に何も握られていない事に、更に目蓋を広げる。
(フェイント? 後ろ手で持ち変えたか……)
単純な小細工と即時判断を下し、視線を次に来るであろう左手へと向ける……直前で違和感。焦燥感にも似たそれの理由を探ろうと更に時間の経過を遅くしようとして、耳に届く不穏な音。
(待て、本当にそうか?)
時間の流れは停止しているに等しいものとなる中で、止めかけた抱いた違和感への考察を再開。
目に入ったのは、割れた注射筒の残骸。その正体ではなく、何故そんなところにという点が妙に気に掛かり、即座に答えを出す。
投与するのは良いとしても、その場に捨ててある事は、冷静に考えれば明らかに奇妙だった。再び相対するまでにそれなりの距離を歩いているのは間違いない。それだけの距離を彼は殴り飛ばされており、殴り飛ばした直後に投与して捨てておけば、さすがにそれだけ離れた距離に転がっている残骸など目視する事は叶わない。
直前まで踏んで隠していたとはいえ、接近されるまでの一瞬の間は、彼の能力にかかればその何百倍にも引き伸ばされる。それだけの猶予があれば視認するのはおろか、その正体に考えを巡らせるのにも十分過ぎる。そしてそれが分からないほど、マヌケな相手では断じてない。
(わざと見せるためにその場で投与して捨てた? ならば、これは……!?)
確信は皆無の、ほぼ勘に等しい感覚に従って、エルンストに続いて後方に跳ねる。両者の距離が開く事で相対的に視野が広がる。視認できた左手には右手と同様、何も握られていない。いや、それは不正確な表現だった。
(馬鹿な……)
時間が置き去りにされ、更に加速した思考が生み出すのは混乱。その元凶はエルンストの振り抜かれた右手。そこに握られている、彼の得物である大剣。
いつの間に握られていたのか、その瞬間をいくら思い返しても捉えることはできなかった。本来それはあり得ない筈だった。彼の【超感覚】の能力を欺けるものなど、例え固有能力であっても無かったのだから。
だが事実として剣はそこにあり、そこから過程を想像するのも容易であり、それによる最終的な結果も簡単に導き出せる。
「なん……」
紡げたのはそこまで。いくら思考を加速し、体感時間で訪れる結末を先延ばしにしようとも限度がある。
(来る……!)
現実世界に換算して瞬きの間ほどの時間でできたのは、覚悟を決める事のみ。それの前兆を感じ取った直後に右の脇腹から逆袈裟に、心臓を跨いで熱が走る。遅れて鮮血が噴出。誰が見ても致命的な量で、受けた傷は致命傷だった。
それでも保有する莫大な魔力が、即死する事を許さない。そしてすぐに治療を受ければ、死は免れるだろう。だがリグネストに、属性の適性は皆無だった。当然の帰結として、数十秒後には訪れるであろう死は免れない。
そんなどこか実感の欠如した、客観的過ぎる自己分析を終えたところで両足から力が抜け、意図せず膝を付く。その間にも声が投げ掛けられる。
「死神の一振り、と言うらしい。誰だか知らんが、名付けた奴はセンスが無いな。本来は格上を葬る技で、俺の名前が広まり始めた頃にはほぼ使う必要も無くなった、錆切った技だ」
次回予告
決戦の傍らで魔人が遅参し戦いを見守る少女との邂逅を果たし、言葉を遮る。竜の主と老将は互いの譲れない意思を翳し、生死を賭けた激闘に身を投じて行く……みたいな。
前話あたりでアベルとの戦いは次話に回すみたいな事を書きましたが文字数があり得ない量になったので分割し、今話ではエルンストとリグネストの場面だけを送ります。次話は両者の出番はない形になるかと。