設定集(ネタバレあり・随時更新)
・エルジン・シュキガル/エルジン=ラル・アルフォリア
性別:男
肩書き:アルフォリア家嫡男→傭兵
異名:【死神】
適性:皆無
容姿:元々は大陸でも一般的な黒髪黒目だったが、レヴィアタンとの取引に伴い髪は灰色に、右目は赤くなった。全身は鍛錬の積み重ねによって戦闘に特化した筋肉をつけているが、無能者故に抵抗力が無く、治癒魔法を一切疎外しない為に傷跡は殆ど存在しないが、唯一右目の下にのみ、どれほど治療しても消えない傷跡が残っている。
固有能力:【願望成就】→無
詳細:元アルフォリア家宗家の嫡男であり、無能者の烙印を押され存在を抹消された少年。【願望成就】の固有能力の本来の持ち主であり、アキリアに固有能力と魔力の一切を明け渡した事により無能者となった。
追放された後はエルンストに拾われ戦い方を教わり育ち、傭兵として生きる。無能者ではあるが、同時に【災厄の寵児】という特性を持つ者。魔力を持たないにも関わらず発動するその特性は、本人の意思に関係なく周囲に災厄を引き寄せるという最悪とも言える代物。
エルンストの死後に【死神】の名を受け継ぐが、呼ばれる理由はエルンストとは違い、エルジンが関わった仕事は高確率で地獄と化す事から付けられた。
・エルンスト・シュキガル
性別:男
年齢:30代後半(享年)+α
肩書き:傭兵
異名:【死神】【最凶】【最悪】【魔王】【生きとし生ける者たちの悪夢】【動く災厄】【世界の敵】【人類史上最悪の狂人】【神に対する反逆者】etc.
適性:皆無
容姿:黒髪黒目に右目の下にピアスを持ち、エルジン以上に戦闘に特化して鍛え込まれた体躯と、長身とそれに見合った横幅を持つ。全身から常に暴力を具象化したような雰囲気を漂わせており、一切の魔力も持ち合わせていない筈にも関わらず、肉体は20代の全盛期のままで、老いとは無縁だった。
詳細:無能者でありながら能力者をも圧倒する実力を持った傭兵。エルジンを拾い、戦い方を教えた張本人。人格の形成にも大きく関わった。
圧倒的なまでの実力を誇り、大罪王を倒したり、古代竜をピクニック感覚で狩ったりするなど、その強さは常軌を逸している。少なくとも十代のうちに理脱者に至っており、同業者の間では最強と称えられていた。
数年前にティステアにて5大公爵家の手によって死亡する。
・シロ
性別:女
年齢:20代前半から半ば
肩書き:情報屋兼バー「ホワイト」の店主
適性:無
固有能力:【俯瞰視点】
容姿:適当に切り揃えた黒いざんばら髪。右目の廻りには火傷がある。常に黒い軍服を着ている。
詳細:固有能力の【俯瞰視点】は、自分の望んだ場所に自分の視点を移動させ、そこで起きている事を見聞きする事を可能にする。その能力を活用して情報屋兼バーを営んでいるが、自分が実際にあって信用できると判断したものしか顧客として受け入れない。基本的に一度受け入れた者を拒否する事はないが、例外的にカインは無期限の出禁扱い。
幼少期に両親を失くしており、身寄りが無かった為に従軍婦に身を堕としていたが、エルンストの勝手な早とちりから自由を得た後に、エルジンの助言に従って情報屋を営み始める。両立しているバーは趣味の範囲だが、料理の腕はかなり良い。
・ベスタ
性別:女
年齢:不明
適性:無
固有能力:【移転門】
容姿:幼い子供と同じ程度の背丈で全身を布で覆っている。
詳細:シロの専属護衛。ヒビ割れて掠れた声に加え、常に顔や上半身を布で覆っている為に初対面では性別が判別し辛いが、一応女。非常に小柄で身長からかなり頻繁に子供と間違われるが、年齢的にはエルジンよりも上。その事をからかうと○○○○。煙草の臭いが嫌いで、近くで吸おうものならば烈火のごとく怒り狂う。
自分の声を嫌っている為に余り喋らず、その為無愛想と思われがちだが、一定以上の関係の相手にはそれなりの情を見せる。
保有している【移転門】の能力は、最大で10ヶ所に標を打ち込む事で、その場に繋がる扉を自分の領域に生み出す事ができる。扉を通れる質量には大きな制限があるという欠点があるものの、その能力は軍事的観点において非常に有用で、各国が手段を選ばずに手に入れようとするほどの価値があり、過去に能力絡みの騒動に何度も巻き込まれている。
シロには単純な雇用関係以上の恩義があり、それ故に通常ならば考えられないほど破格の値段で護衛を引き受けている。
・アキリア=ラル・アルフォリア
性別:女
肩書き:アルフォリア家嫡女
適性:火、水、地、風、雷+光
容姿:性別を鑑みても高い身長と長い手足、スレンダーな体型を誇り、妖しさを兼ね備えた優れた容姿を持つ。瞳は薄紫色に、髪は薄桃色にそれぞれ魔法の適性によって変色しており、源担ぎの一環で髪を後ろで一纏めに縛っている。
固有能力:無→【願望成就】
詳細:アルフォリア公爵家の宗家嫡女であり、歴代最高の能力者と呼ばれる天才。宗家の者ですら霞む程の膨大な魔力と全属性持ちという適性を持っている事に加えて【願望成就】という固有能力を持ち、また極めて高い魔力探知能力も併せ持つ。
現存する魔法のうち、一通り全ての属性魔法扱えるが、その中でも特に火と光、水の属性魔法を得意とし、その影響が髪と瞳に現れている。
本来は無能者であり、その事を知り嘆いていた事をエルジンに知られた事から、エルジンより魔力と【願望成就】の固有能力を明け渡される。その為固有能力を使いこなせてはおらず、普段は極力使わないように気を付けている。
本来ならばその生まれに相応しい、潤沢な魔力を持っている筈だったが、幼少期にレヴィアタンに眼を付けられ、その一切合財を妹のシアへと移されている。言わば後天的な無能者。
・ユナ=ラル・アルフォリア
性別:女
肩書き:アルフォリア家次女
適性:火、雷
固有能力:【血液支配】
容姿:癖のある背中まで伸びた赤い髪と強気な同色の目。身長はシアよりも高いが発育はどっこいどっこい。
詳細:アルフォリア家の令嬢であり、エルジンとは異母兄妹の関係。兄とは違い【血液支配】の固有能力を持って生まれたが、無能者の烙印を押された兄の妹という立場の為に生家での立場は相当悪く、それ故に無能者に対しては嫌悪の念を抱いている。
こと火の魔法に関してはシアよりも更に上の才を示し、独力で【鳳凰不死炎舞】等の実戦にも十分通用する高度な戦闘用魔法を幾つも編み出している。しかし固有能力である【血液支配】は自他を問わず全ての血を支配し、結晶化させて投擲したり、高圧力を掛けて変幻自在の刃にしたりする事を可能とする。またその能力故に血が本体である吸血鬼とは相乗効果を及ぼし、吸血鬼化した際には予測不可能な事態を引き起こした。
・シア=ラル・アルフォリア
性別:女
肩書き:アルフォリア家三女
適性:火、水、地、風
固有能力:【時間支配】
容姿:ショートカットの緑髪と同色の瞳。姉よりも発育に劣り、背丈はユナよりも僅かに低い。
詳細:アキリアの妹であり、姉には劣るものの宗家の者の倍近い魔力と【時間支配】という強力無比な固有能力の持ち主。4属性持ちという天性の適性を持ち、それを存分に生かした正統派の魔法戦を得意とする。
持ち得る適性の中でも特に風の属性魔法を得意としており、それが現れた緑色の瞳と髪を持つ。
戦闘狂の気があり、同時に享楽的な精神性を持つが、友人感覚は持ち合わせており、ユナの事は親友と認識し慕っている。精神性は無邪気そのものだが、それ故にあらゆる事を良心の呵責も持ち合わせずに実行できる。
本来ならば平均的な宗家の魔力と適性を持って生まれただけの筈だったが、姉の持つ魔力と適性を知らないうちにレヴィアタンに移されており、それが現在では完全に定着している。
・アゼトナ=ラル・アルフォリア
性別:男
年齢:40代後半
肩書き:アルフォリア家当主代理
異名:【雷帝】
適性:雷
固有能力:【雷帝】
容姿:白髪混じりの金髪と皺のより始めた顔立ち。
詳細:エルジンの実父であり、現アルフォリア当主であるシャヘルの実弟。過去のゾルバとの戦争に何度か参加しており、戦場で猛威を振るった固有能力はゾルバからは名前が異名となる程に恐れられている。
その実力はアルフォリア家内でも随一であり、たとえ万単位の軍隊を用意しようとも捉える事は叶わない。
エルジンと【ヌェダ】を執り行い、一時は読み合いにおいて優位に立つも【無拳】を喰らい押し込まれて死亡。
・シャヘル=ラル・アルフォリア
性別:男
年齢:50代
肩書き:アルフォリア家当主
固有能力:【空間支配】
詳細:アルフォリア家当主であり、アキリアとシアの実父であり、シャヘルの兄。カインの手によって殺された後、能力をミズキアに還元されて奪われる。
・カルネイラ=ラル・イゼルフォン
性別:男
年齢:不明
肩書き:イゼルフォン家当主
適性:不明
固有能力:【寄期介壊】
容姿:小柄な体を着崩した正装で包み、緑を基調とした髪を斑模様に染めている。
詳細:イゼルフォン家の現当主。混沌願望者と評されると同時に、歪んだ愛国心の持ち主。
分身とも分体とも言える同じ容姿の者が何人も居る。個々の間で情報の共有はされているようで、それ故に殺されても別の個体が現れるなど、ある種の不死性を有している。
自分の能力に掛かりながらも自我を失わずに居た者を、出身を問わず自身の側近として迎え入れている。その中には他の守護家の者も含まれている。
・セリオ=ルド・ジゴリウド
性別:男
固有能力:【理想郷】
詳細:イゼルフォン家の分家出身者であり、カルネイラの部下。
固有能力の【理想郷】は相手の潜在意識にある理想とする光景を見せる幻覚系の固有能力であり、カルネイラの指示の元でエルジンを殺そうと【理想郷】の術中に嵌めるも、返り討ちにあって死亡する。
・ミネア=ラル・ウフクスス
性別:女
年齢:10代後半
肩書き:ウフクスス家宗家嫡女
適性:無
固有能力:【並列演算】
容姿:金銀妖瞳だが適性は一切関係無の遺伝によるもの。背丈は平均的で体型も同様。後ろ髪の一部だけを伸ばした特徴的な髪形を持つ。
詳細:ウフクスス家第6師団長の娘であり【並列演算】の固有能力を持つ能力者。自ら望んでエルジンの奴隷になるなど、エルジンに対し一種病的なまでの執着を抱いている。
エルジンやその親しい間柄の相手には従順ないし柔軟な態度を取るが、それ以外の者に対しては辛らつで毒を吐く事も厭わない。ただしエルジンにとって利益となるならば、それを内心に押し留めて猫を被る事もできる。
自身の能力を有体に言えば頭が良くなるものと説明しているが、実態は不明。シロとベスタから絶賛疑われ中。
・テュード=ラル・ウフクスス
性別:男
年齢:45
肩書き:ウフクスス家第6師団長
固有能力:【砂眼】
容姿:金髪に魔眼故の銀眼を持つ。
詳細:ミネアの実の父親であり、同時に【レギオン】団員のヴァイスの実の兄。ミネア曰く重度の親馬鹿であるが、ミネア本人からは憎悪の対象でしかなく、ただ利益の為だけに可愛い娘を演じられていた。結局その事を最後まで見抜けず、ヴァイスとの交戦中にミネアに背後から刺され、眼を抉り取られた挙句に胸を開かれて心臓を抉り出されるという凄絶な殺され方をした。
・ゼイン=ルド・レスティレオ
性別:男
年齢:35
肩書き:ウフクスス家第11師団長
異名:【改定者】
適性:地
固有能力:【改変】
容姿:攻撃的に逆立った茶髪と抜き身の刃のような瞳を持ち、常にウフクスス家の制服に身を包んだ長身痩躯の男。
詳細:ウフクスス家分家のレスティレオ伯爵家出身。ウフクスス家の師団の中で3年前の作戦に参加しなかった師団の長であり、繰り上がりでなく正規の手順によって師団長となった生え抜き。その戦闘能力は宗家と比べても遜色がない。
部下と共にミズキアを襲撃し、巧みな連携で幾度と無く殺す事に成功するも途中で妨害が入り分断されて決着が着かずに終わる。その後分断された先でもカインとミズキアの両者を同時に相手にして互角の戦いを繰り広げるも、片目を抉られた上に想定外の事態に硬直した隙を突かれて重傷を負う。
その後は生死不明だったが、部下を失い隻眼となる代わりに生存しており【レギオン】による王都襲撃の際にはミズキアと再戦する。
固有能力である【改変】は手で触れたものの情報を書き換える事を可能とし、これによって常に相手の情報を死んだ状態に書き換える事で、死んで生き返った側から即座に死に追いやる事ができる為、命の交換によって成立するミズキアの不死性とは非常に相性が良い。
残業はしない主義で、ヴァイス曰く、師団長となる以前の当時から既に頭角は現していたらしい。
アルトニアス=レデ・セリトリド
性別:女
年齢:10代後半
肩書き:セリトリド子爵家当主代理
適性:水、雷
固有能力:無
容姿:長い金髪に碧眼で、背丈は平均的だが発育は中々良い方。
詳細:オーヴィレヌ家の分家であるセリトリド家の現当主代理。元孤児で現神殿騎士見習いであり、聖女の1人であるティエリアとは幼馴染。
過去にエルジンと面識があるらしいが、エルジンはその事について心当たりがない模様。
・テオルード=ラル・オーヴィレヌ
性別:男
年齢:23
肩書き:オーヴィレヌ家現当主
適性:地、水
固有能力:無
容姿:大体の者が初対面でそこそこ整っていると評する程の顔立ちだが、何故か人の印象に残りにくい灰髪の青年。
詳細:オーヴィレヌ家の現当主であり極めて優秀な暗殺者。
戦いにおいては意識の隙間に入り込み、相手に気付かれる事なく接近して仕留める事を可能とする。また後天的な才能として極めて鋭敏な勘を持ち、何となくで対外の事態をやり過ごす。
5大公爵家の宗家の生まれではあると同時に無能力者ではあるが、身に着けている技術と勘によって能力者と互角以上に渡り合える。
【レギオン】の団員であるフランネルを、弱点を突いて殺しており、またザグバとミズキアを相手に交戦している。
・オリアナ=ラル・オーヴィレヌ
性別:女
年齢:10代後半
肩書き:オーヴィレヌ家嫡女
適性:地、水
固有能力:理数系
容姿:兄譲りの灰色の髪をセミロングまで伸ばしており、背丈は平均を下回っているが、体の肉付きはそれなりに良く、着飾れば良家の令嬢で通るような儚さと可憐さを併せ持つ。
詳細:テオルードの実妹であり、理数系の固有能力を持つ。兄に対しては誰よりもその能力を認めているが、本人の貴族としてのあり方に対する認識と仕事に対する姿勢に対しては悩みの種で、常に苦言を呈している。
・リグネスト=クル・ギァーツ
性別:男
年齢:30代後半
肩書き:【レギオン】団長兼第1団員
異名:【絶対強者】
適性:無
固有能力:【超感覚】
容姿:鳶色の逆立った髪と猛禽類を髣髴させる切れ長の目と鋭利な光を宿した瞳を持ち、エルンストと同様肉体は最盛期である20代の頃から一切老いていない。
詳細:大陸最強の傭兵集団である【レギオン】の創始者であり団長。【絶体強者】と呼ばれ、かつては【死神】エルンストと並んで最強と称された【超感覚】の能力者。その呼び名は伊達ではなく、かつてエルンストと2日2晩に渡って互角に打ち合った事がある他、ミズキアを容易に殺し、アキリアさえも一蹴するほど。
団員からは化物ないし怪物と呼ばれ恐れられている、根っからの異常者。第1副団長とは昔からの腐れ縁。
何をするにおいても、それが世間一般の価値観において当然の事だからこそ行い、尚且つそれを実現できる男。それでいてあらゆる当然の行為に対する実感が欠如しており、まるで自分の事ではなく他人の行いを見ているかのような感覚を覚えている。その為、自分から何かを明確な意思で行う事は滅多に無く、自分以外の全てが主体性の無い自身に対して行動指針を示してくれる存在として認識しており、同時にそれ以上でも以下でもなく、究極的には標識と同じにしか見えておらず、自喜怒哀楽でさえも他者と同調する形でしか感じる事ができず、そうする事でしか自分を周囲に対して示せない、アベル曰く絵画のような男。
それ故に自分とは何かという思春期に誰しもが直面する命題に対して、明確な意思を持って明確な答えを探し、それが見つからずに今も探し続けている。それは渇望にも近く、誰しもが無意識且つ自然に得る自分とは何かという答えを得られず、当たり前の事を達成できていない為に更なる答えを欲し、渇望を強めて行った。その渇望が皮肉にも理脱者に至る決定的要因となり、答えを見つけられるであろう最強の座を欲してエルンストを蘇生させてまで再戦を行った。
・アベル=アプス・ステュルクス
性別:男
年齢:リグネストと同い年
肩書き:【レギオン】第1副団長兼第2団員
異名:【竜帝】
適性:無(ただし能力によって擬似的に全属性を操れる)
固有能力:【吐竜息】
容姿:大陸中を探せば履いて捨てるほど居るような黒髪黒眼で長身痩躯の男。肉体は莫大な魔力故に全盛期のそれから一切老いていないにも関わらず、日頃のストレスと重圧から仕事疲れの中年と見紛うほどに疲れ切った雰囲気を纏っている。
詳細:【レギオン】の第1副団長を務める、団長のリグネストとは同じ孤児院で育った腐れ縁の男。個性的且つ奔放な団員たちに振り回され、常に胃痛が絶えない、【レギオン】という集団を影ながらの努力によって成立させている1番の功労者。ただしその苦労が報われる事は無い。医師からは胃潰瘍を宣告されており、何度かそれで入院しているが、自分が団から離れ過ぎると崩壊してしまう為、気合で強制退院しては倒れるという負の循環を繰り返している。胃薬は友達を通り越して一蓮托生の間柄。
リグネストと同じ場所で幼少期を過ごし、尚且つ本人の性格も相まって常に行動を共にする羽目になった為、その後の人生を滅茶苦茶にされており、それ故にリグネストに対しては憎悪にも近い感情を抱いている。【レギオン】という集団を必死に成立させているのも、そんなリグネストの願いを叶え続ける事で価値観を否定し、存在を否定するというアベルなりの復讐の為。ただし完全に憎悪に染まっている訳ではなく、憎しみと同じかそれ以上にリグネストに対して友情を感じており、何かと心配していたりもする。
その複雑で歪なあり方は誰よりも【忌み数】に近く、また理脱者足り得る資格にもなっており、大陸で最も理脱者に近い男と評されている。
・カイン・イェンバー
性別:男
年齢:25
肩書き:【レギオン】第2副団長兼第17団員
異名:【天秤のカイン】
適性:火
固有能力:【同値相殺】
容姿:黒い髪に橙色の瞳と、黙っていれば柔和で紳士的な顔立ちを持っている。
詳細:剣の柄に鈴を括り付けており、それを絶えず鳴らしたり、硬貨を手に持ち擦り合わせる事で常に音を発している。
芸術国家テクネットの名家であるイェンバル家の落ちこぼれ。絶対音感と色聴という先天的要素に加え、驚異的な色別眼を併せ持っている。それらによって運用される音の技術によって、他人の意識や感情を操ったりする事ができる。その生家故に演奏技術や歌唱能力は非常に高く、運が良ければその演奏会を聞く事ができる。
しかし他人の作った曲を真似る事はできても、無から新しく曲を作る才能が決定的に欠如しており、それ故に勘当されている。
座右の銘は「急いては事を仕損じる」。
・フランネル
性別:男
年齢:24
肩書き:【レギオン】第16団員
異名:【見えずのフランネル】
適性:無
固有能力:【液体化】
詳細:【レギオン】の中でも暗殺の任務を請け負う暗殺者であり、決闘には向かない反面、暗殺に従事すれば環境にもよるが、単身で1個連隊を滅ぼせる程の実力を誇る。
街中でテオルードと遭遇し、能力の弱点を突かれて死亡する。
・ウェイン
性別:男
年齢:16
肩書き:【レギオン】第50団員
固有能力:【獄門】
容姿:小柄で痩せた体躯を持ち、年齢に似合わない総白髪の少年。
詳細:団長の事は尊敬しているが、副団長の事は舐めている。若白髪と良く言われるが地毛。口が非常に軽く、酒場で素面でありながら機密事項を平然と言い触らすなど自覚がまるで足りていない。
その能力故に半分保護という形で【レギオン】に加入しているが、アベルによって地獄のようにしごかれた結果、そこそこの実力を持つに至る。ただしその時に味わった苦痛と屈辱が裏返り、アベルに対する舐めた態度を取るようになった。
・ギレデア
性別:男
年齢:18
肩書き:【レギオン】第39団員
異名:【家具職人】
適性:水
固有能力:【追憶】
容姿:薄い空色の髪を髪留めでとめた、中性的な容貌の少年。
詳細:副団長になりたがっており、何かと副団長の座を得ようと第3副団長の座を創設したり、あるいはアベルを副団長の座から引き摺り下ろそうと企んだりする。ただしあくまで副団長の座に座るのが目的であり、その後に何をするかという目的がある訳ではない。
【レギオン】内において最も治癒魔法が上手く、人間を原材料にした家具を製作し愛でる趣味がある。アベル曰くこの上なくエゲツなく、人間性にやや難がある人物。
・ミズキア
性別:男
年齢:半世紀以上1世紀未満
肩書き:【レギオン】第26団員
異名:【死なずのミズキア】
適性:無(ただし還元する事で全属性を扱える)
固有能力:【還元】
容姿:不吉な空気を着ているような印象を与える。服は全て魔法で作っている為、気分次第で服装がころころ変わる。全身に魔道具を装飾具代わりに身につけている。あらゆる能力を還元した結果、完全に不老化しており、100年近い歳月を同じ容姿で生きている。
詳細:【レギオン】団員であり、【忌み数】の1人。【還元】の固有能力を持つ。
能力は範囲内のあらゆるものを己のものとするというもので、それによって【レギオン】団長からは【超感覚】の能力を借りたり、あるいは今までに自分が殺してきた相手の命を自分のものにしたりしている。
徹底した弱肉強食主義者であり、弱い奴が全て悪いという信念を持つ。その信念は元々は弱小国家の王族であり、その国がとある小国に侵略を受けた際に味方の寝返りに遭って親類を皆殺しにされた経緯から来ている。尚、その後に単身で寝返った自国と侵略してきた小国を滅ぼしている。
その後に大陸全土に渡って指名手配を受けるも、手が付けられないと判断されて撤回。後に【レギオン】の最古参のメンバーとして君臨している。
・ザグバ・バグドール
性別:男
年齢:半世紀前後
肩書き:【レギオン】第6団員
異名:【超人】
適性:無
固有能力:無
容姿:黒髪黒目で身長160センチ前後の小柄で華奢な体の少年
詳細:【レギオン】団員であり、【忌み数】の1人。道理を外れるほどの闘争心を持つ。
【レギオン】の中でも最古参だが、容姿は子供のまま一切変化が無い。魔力は皆無に近く、圧倒的なまでの身体能力を武器に戦う。
かつて魔界に足を踏み入れた事があり、その際にベルフェゴールに拉致されて人体実験を施されるも失敗作として破棄されている。
全力で拳を振るえば要塞すらも畳むことができる。
ティステアに襲撃を仕掛けた際はテオルードを相手に圧倒し、その後はミズキアと合流してゼインを相手に加えて戦い互角に渡り合う。
ヴァイスの介入によって一応の決着が付いた後にエルジンと遭遇し、大罪王に施しを受けた自分に対して、大罪王を従えるエルジンと自分との違いを知る為に戦いを挑む。
膂力、速さ共に終始エルジンを圧倒するも一時は策に嵌まり命を落としかける。しかし土壇場で自身の特性を利用して脱出し、答えの一端を掴んだ事を確信して猛攻を仕掛け、エルジンを殺す寸前までいくも直前に寿命が枯渇して死亡する。
アベル曰く、死にはしたが負けてはいないとの事。エルジンもそれは認めており、勝ち逃げされたと語っている。
・キュール
性別:男
年齢:30前後
肩書き:【レギオン】第21団員
異名:【不絶群体】
適性:地
固有能力:【増殖】
容姿:青白い顔色を常に外套で隠す、痩せ細った少年の姿。
詳細:【レギオン】の団員であり【忌み数】の1人。同じ【忌み数】であるレフィアは姉に当たる。
【増殖】の固有能力は変異系統に属し、能力発動時の自分と全く同じ状態の自分を出現させる事のできる能力で【分裂】の上位互換。増加した個体も増加させた個体も偽者という訳ではなく全員が本物、あるいはキュール曰く、最初に能力を発動させた個体を無理やり本物と仮定すれば全員が偽者。本人によるとそのオリジナルは既に死んでいるらしい。
保有魔力も総合的に増えたり、また全ての個体同士で感覚を共有できるというメリットがある反面、負傷や死の苦痛すら共有してしまったり、意識数の増大化に伴って自己の同一性が危うくなるというデメリットもある。そのデメリットを肯定できる者は滅多に居らず、にも関わらず当たり前のように能力を行使する為に【忌み数】に数えられるようになった。
その不死性故に団内での扱いは相当酷い。本人もその事については半ば諦めている節がある。
生まれてから30年以上が経過しているが、外見年齢は少年そのもの。これは少年期の増殖体を冷凍保存し各地に埋め、必要に応じて掘り起こして増殖する事で群体の平均年齢を一定に保っている為である。
・ヴァイス/オーウェン=ラル・ウフクスス
性別:男
年齢:30代後半
肩書き:【レギオン】第41団員
異名:【無刃帝】
適性:無
固有能力:【無刃】
容姿:黒髪黒目、長身痩躯の好青年。
詳細:【レギオン】であり【忌み数】の1人。ヴァイスという名前は偽名で、本名はオーウェン。ウフクスス家の元宗家出身者であり、ミネアの父親の弟。つまりはミネアの叔父にあたる。
能力者ではあるが能力を使いこなす才能を持たず、その才能を手に入れようとした結果二重人格となる。本来の人格を私、もう1つの人格をオレと人称で分けており、オレの方は心の底から殺戮を楽しむ凶暴性と絶大な干渉力、そして能力を万単位で同時発動し自在に操る事を可能とする才能を持つ。
・レフィア
性別:女
年齢:30前後
肩書き:【レギオン】第33団員
異名:【凶星】
適性:無
固有能力:【漆魔眼】
容姿:吸血鬼由来の白髪赤眼で、日の下に出ない為に病的に白い肌を持ち、小柄な体躯を真っ黒い外套で覆い隠している。肉体は十台半ばの年齢で成長を止めている。
詳細:【レギオン】の団員。通称【凶星レフィア】。【忌み数】の1人。固有能力は【即死の魔眼】。
種族は吸血鬼であり、それ故に病的以上に白い肌と髪に赤い瞳を持つ。
吸血鬼の中でも万能の免疫機構を備えている免疫性吸血鬼であり、その特性を利用して魔眼系統の能力者の眼をいくつも自身に移植しており、その結果全部で7種類の魔眼系統の能力を手に入れている。
性格は享楽そのものであり、喜怒哀楽の全ての感情と快楽とが同居している。
エルンストの手によって【転血法】の魔法を施され、後天的に転化させられたらしく、その元凶とされている【死神】に対して執着を見せる。
・諧謔
性別:女
年齢:10代前半から半ば
肩書き:【レギオン】
異名:【諧謔】
適性:無
固有能力:【操骨】
容姿:2メートルを越える、一分の隙間も存在しない白濁色の全身装甲/鳶色の髪と猛禽類を髣髴させる瞳を持った、幼さの残る少女
詳細:【レギオン】の団員であり【忌み数】の1人。
物語の中でしか聞かないような悲劇的な事象を意図的に幾つも引き起こしており、直接的には数千人、間接的には数十万もの人間を死に追いやっている。大陸中からは多額の懸賞金を掛けられており、現行の中ではハルキアに次ぐ金額を誇る。その正体は傭兵たちの間でも詳細は不明とされており、口調もその時々によって変わる為、複数人存在するのではないかという説もあるほど。
その正体は10代の少女であり、リグネスト=クル・ギァーツの実の娘。名前はなく、【諧謔】という呼び名を自らの名前の代わりとして使っている。本人曰くそれなりに気に入っている。
この世の全てを台本とそれによって役割を与えられた駒で捉えようとしており、その世界観の中には他者がなく、何者も存在する事ができない。だがあくまでそういうように捉えようとしているだけで、心の底からそう思い込んでいる訳では無い。
自分の父親であるリグネストを理解することができず、かといって理解する事を放棄する事もできなかった結果、父親を推し量る物差しを得ようと人類の敵とまで言われるような凶行に手を染める事となった。
有する【操骨】の能力は骨格を増大させ、自在に操作する事を可能とする。その能力下に置かれた骨格は極限まで圧縮されており物理的強度は勿論の事、内部に存在する魔力抵抗力そのものが剥き出しになっている状態に近く、魔力に対して異常なまでの抵抗力を持つ。その骨格を分離して従魔として使役したり、あるいは鎧や武器を生成して用いるだけでなく、自分の身の丈を大きく上回る全身装甲を纏い操作する事で、理想的に近い剣技や動きを想像力によって再現したりする事を可能とする。
アベル曰く、似なくて良いところばかり父親に似てしまった。
・デルヴァン
【レギオン】団員。団員ナンバーは11番であり、比較的新しく参入したメンバー。
領域干渉系の固有能力を持ち、アベルの命令に従いその能力を用いてアキリアを捉えるも、能力を看破されて心臓を刺される。
その後は自ら能力を解除し、尚も命令に従って足止めをしようとするも、途中で介入してきたリグネストに余計な真似をしたと認識されて急所を刺されて死亡する。
・ハルキア=サビャーヤ・ランタレス
性別:男
年齢:40代から50代
肩書き:【レギオン】第4団員
異名:【腑別の魔人】
適性:水、地
固有能力:不明
容姿:錆色の髪と群青色の瞳。顔面から上半身に革製の帯布を巻きつけている。
詳細:【レギオン】創設時より在籍する最古参の傭兵であり、黎明期を支えた立役者の1人。同時に現行で最高額の懸賞金を掛けられた賞金首にして、大陸中から蛇蝎の如く嫌われている最凶にして最悪の殺人者。彼によって殺された者は直視が躊躇われるほど凄惨な殺され方をする事から【腑別の魔人】と呼ばれるようになった。
・クレイン・クラウン
性別:男
年齢:27
肩書き:元【レギオン】第9団員
異名:【勇者】
適性:無
固有能力:無
詳細:クラフテル王国出身の軍人であり、祖国で勇者と呼ばれ称えられるほどの実力と人望を兼ね備えていた人物。国を出奔し、【レギオン】に属した後も、団内でも指折りの実力者であり、良識ある人格者として君臨していた。
マヌエリオル戦線に参加し、そこで自らの信念を元にエルジンと交戦し、敗れて死んでいる。だがその当時の実力はエルジンよりも数段上であり、エルジンが勝てたのはいくつもの幸運な偶然が積み重なった事で生まれた、針先ほどの微小な可能性を手繰り寄せられた為であると評されている。
・ベルゼブブ
性別:女
年齢:数千年から数万年
肩書き:元四大天使の熾天使にして、現【暴食】の罪科を司る大罪王
異名:【暴食王】
適性:無
固有能力:無(ただし暴食の権能と、無理をすれば四大天使の秘術を扱える)
容姿:金色の縦長の瞳孔と白磁のように滑らかな純白の肌に髪、それに相反する漆黒の左の三枚羽を持つ。背は高く、見てくれの体型もかなり良い。
詳細:かつては神界の中でも五指に入る四大天使の立場を持っていたが、後にその立場に疑問を覚えて堕天。以後は魔族として魔界を彷徨ううちに【暴食】の権能に目覚め、身体性吸血鬼の始祖であった先代の【暴食王】を殺して喰らい、【暴食王】として長年君臨していた。
20年ほど前に対立した同じ大罪王であり、【憤怒王】であったサタンを殺して喰らうも、その後エルンストと戦って敗北し、それから20年に渡って厳重に封印された空間に幽閉される事となった。
【暴食】の権能に目覚めた結果、自身の魔力を生産能力を上回る量で常に自食しており、数年以内に餓えて死ぬ筈だったが、魔界の魔力が蓄積した石や土を喰らい続ける事で何とか生き続け、3年ほど前にエルジンの手によって解放される。またその際にエルジンと交戦するが、極限まで達していた餓えの為に往来の力の殆どを失っており、エルジンに敗れて自身にとってかなり不利な契約を結ぶ事となった。
ただしエルジンの事を恨んではおらず、封印から解き放ってくれた事、また魔剣へと姿を変えた自分を振るい、魔力を喰らわせてくれている事に対して多大な恩義は感じている。本来ならば自分の糧に変えても問題のない筈のエルジンの良質な魂の欠片を消化せずに保持し、またレヴィアタンへと供給される魂を掠め取り、隙を見ては戻して魂を修復しているのもその為。しかし恩を感じている事自体は屈辱的な事であるため、当人にその事を明かしてはいない。
また元天使の為か意外と面倒見は良く、契約主であるエルジンが死に自ら飛び込んで行く事は歓迎するべき事であるのにも関わらずそれを諌め、己の利益を度外視して最大限の力を貸している。だがそれも当人には伝えていない。早い話が面倒くさいツンデレ。
黙っていれば絶世の美女で通じるが、人称と粗野な態度が全てを台無しにしている。
・マモン
性別:男
年齢:数千年から数万年
肩書き:【強欲】の罪科を司る大罪王
異名:【強欲王】(後に【怠惰王】)
適性:闇
固有能力:無(代わりに強欲の権能を扱える)
容姿:艶のある長い金色の髪と質の良い礼服を持つ貴公子と見紛う容姿を持つが、完全に【怠惰】に飲み込まれている為に、駄目人間の見本のような状態となっている。
詳細:魔界に君臨する大罪王の中でも【強欲】の大罪を司る魔族。
かつては高潔な貴族のように紳士的だったらしいが、現在ではその面影の欠片も無い。
20年ほど前に、その強欲さゆえに【怠惰】の大罪を司るベルフェゴールを殺して力を奪った結果、自身が【怠惰】の大罪を司る羽目になり、以来配下に愛想を尽かされて出て行かれる程に怠惰な日々を送っている。だたしそれは表向きの話であり、真相は大罪王同士の主張の食い違いにより、争いに発展した結果によるもの。
・アスモデウス
性別:女
年齢:数千年から数万年
肩書き:【色欲】の罪科を司る大罪王
異名:【色欲王】
適性:闇
固有能力:無(代わりに色欲の権能を扱える)
容姿:ショートカットの赤い髪と瞳を持ち、長い手足と華奢な肩幅を併せ持つ、一見すると男にも女にも見える中性的容姿。
詳細:魔界に君臨する大罪王の中でも【色欲】の大罪を司る魔族。
万物間の関係を表す数値の概念を自在に操る権能を持ち、本人曰く極めて応用幅の高い能力。普段はそれを使いどこにでも存在する事ができる他、戦闘時には逆に確かに存在している筈なのにどこにも存在しなくなる事で何者にも干渉を受けなくなる事ができ、エルンストを持ってして無敵と言わしめていた。
ただしそういった権能の用い方は自身に対してしかできない上に、自身もまた自分以外に干渉できなくなる。
本名を聞かれると女であると思われる為に本名で呼ばれる事を嫌い、普段は権能に掛けやすくする為(それとミステリアスな為)にシュマと名乗っている。
エルジンですら性別は知らなかったが、拉致された際にベルゼブブに売女呼ばわりされた事によって女と発覚。つまりは男と間違えても違和感の無いレベルの貧○。
大罪王の中での純粋な実力は最下位に位置している(それでも大罪王となれるだけの力はある)が、ベルゼブブ曰く権能をフルに用いて戦えば自分と互角に戦えるらしい。
世界の法則によって神族の発生に対するバランスを取る為に初めから【色欲】を司るように生み出された為に神族に対して極めて強い嫌悪感を抱いている。
・5大公爵家
ティステア神国に君臨する、アルフォリア、イゼルフォン、ウフクスス、エミティエスト、オーヴィレヌの5つの公爵家の総称。守護家とも呼ばれる。
詳しい内約は以下の通り。
・アルフォリア家
軍事方面の一切を取り仕切る王の懐刀。
・イゼルフォン家
国内の情報の一切および国外の諜報活動を司っている。
・ウフクスス家
秩序を保ち、絶対中立を謳う法の番人。師団長を含めて51人からなる20の師団で構成される。
・エミティエスト家
教育機関である学園の運営や国内の研究部門の取り仕切りを行っている。
・オーヴィレヌ家
裏方の一切の仕事を請け負っている。
・ミドルネーム
ティステア国内の貴族は、
公爵家・ラル
侯爵家・リヴァ
伯爵家・ルド
子爵家・レデ
男爵家・ロニ
といった具合にミドルネームで爵位を表している
・属性
火・地・風・水・雷の5つからなる。
ただし人間以外に神族のみが使える光と魔族のみが使える闇の属性がある。
・大罪王
魔界に君臨する、7つの大罪を特性として、あるいは存在意義として司る7柱の魔族の総称。その力は魔界でも10指に入り、単独で国を滅ぼせる程。
現在は【憤怒】を司るサタンがベルゼブブに殺されて喰われ、【怠惰】を司るベルフェゴールがマモンに取り込まれるなど空位が存在する。
・【害悪】
主に傭兵たちの間で用いられる、賞金首の中でも特定の条件を満たした者たちの非公式の総称。
賞金首となってから1年以上が経過しており、且つ公的な賞金総額が金貨10000枚を超える者。もしくは1年以内に賞金首となった者の中でも、公的な賞金総額が共通金貨2万枚を超える者。
ゼンディル、ティステア、ゾルバの三ヶ国のうち二ヶ国以上、あるいは一ヶ国とその他三ヶ国以上から、もしくはその他五ヶ国以上から懸賞金を掛けられている者。
何らかの形で1年以内の活動が確認できている者。
これらの条件全てを満たした者は【害悪】と呼ばれる。例として、【レギオン】の【諧謔】やハルキアが該当する。またミズキアもかつてはその一人とされていた。
・【無拳】
魔力の循環の仲介地点である部位、肝臓→丹田→右腎臓→水月→人中→左腎臓→眉間→心臓の順に拳を打ち込み、相手の体内の魔力経路をかき乱す事で短時間の間魔力が一切練れなくし、無能者と同じ状態に陥らせる。
各部位に拳が打ち込まれた際に、その部位の機能が停止する事でその部位を通ろうとしていた魔力は次の部位に向かおうとする。その魔力が通過する瞬間を的確に打つ事が重要であり、無能者の中でも特に魔力探知能力に優れた者にしか使用する事はできない。
効果時間はおよそ90秒続くが、2回目以降は体が同じ状態に陥った経験を憶えている為に循環が元通りとなる動きがスムーズに進み、効果が極端に低下する他、打ち込む順番も決まっている為警戒されると打ち込む事が困難となる。
・【促進剤】
増強薬の材料となるウーレリーフに魔界原産の特殊な藻を混ぜて煮詰めたエキスの上澄みだけを掬い取り、そこに妖精の鱗粉を溶かして作ったもの。
体内に投与する事で濾過細胞の穴を塞ぎ、内圧を高めることで、一時的に身体能力を跳ね上げる。
その性質上無能者にしか使う事はできず、魔力持ちが使用した場合は全身が破裂して死亡する。
1回の投与で1.5倍、2回の投与で1.7倍、3回目の投与で2倍の身体能力を手にする事ができるが、反面投与数が増すほど持続時間が短くなる。
持続時間は1回目で15分、2回目で7分、3回目で3分となる。ただし投与の度に持続時間はリセットされる為、うまく繋ぎ合わせれば25分間の猶予を手に入れられる。
例え無能者であっても4回目以降の投与は非常に危険で、また効果が切れた後は反動で指1本動かす事も困難となる。ただしこの反動は【抑制剤】を投与する事で多少は改善される。
・【レギオン】
大陸最強と名高い傭兵集団。構成人数は50人弱と比較的小規模だが、その戦力は大国の1個軍団に匹敵すると言われている。
団員それぞれに団員ナンバーと呼ばれる数字が割り振られている。
詳細不明。
・【ジオランテ】
【レギオン】と並び称えられる程の戦力を持ち、また大陸最大規模を誇る傭兵団。ただし傭兵業はあくまで組織の一部門でしかなく、密輸や密造、賭博の元締めや売春の斡旋に高利貸し、果ては禁忌魔法の研究など、様々な事業を手広くやっており、その実態は傭兵団というよりも犯罪シンジケートに近い。
全体像はおろか、目的や本拠地さえも不明とされており、【レギオン】以上にその実態は謎に包まれている。しかし多数の傭兵団を始めとした組織を傘下に持っている他、一部の国の中枢にまで構成員を潜ませている事が判明しており、その影響力は小国に比肩するとも言われている。
・【忌み数】
【レギオン】のメンバーの中でも、体外的に特にヤバイと認識されている団員たちの非公式の総称。
あくまで非公式である為に、場所によって挙げられるメンバーはまちまちだが、大半の場合において共通して挙げられているのが、6、21、26、33、37、41の6人である。
・ティステア神国
かつて大陸統一を果たした巨大国家。混迷期の後に多数の国が独立した後も大陸最大の国力を誇る。特に人材の豊富さは他の髄を許さず、能力者の比率は他国と比べても圧倒的で、同じ超大国と位置付けられている他の二国と同程度の兵数でありながら、総戦力はその数倍はあると評されるほど。
大陸の東端に位置している。
・ゾルバ帝国
ティステアと国境を接する、ここ100年間で飛躍的に勢力を伸ばしている大国。代々が覇権主義を掲げる皇帝によって統治されており、完全なる中央集権と絶対君主制を実現すると共に、国民に夢を見させ続ける事で、急速な拡大を可能とした。しかし近年ではその拡大速度にも陰りが見られている。
・ゼンディル魔導国家
大陸第2位の国力と大陸トップの経済力を誇る、魔導研究の盛んな超大国。主に魔道具の輸出や魔導技術の提供などによって得られた資金は、懸賞金の手配や大陸中の賞金首の管理、そして自国の軍事力に注がれている。
代々魔導王と呼ばれる、国で最も優れた魔導士が王となって統治を行う。超大国の頂点の称号に相応しく、その力は歴代全てが理脱者に匹敵するほど。その実力故に一代が数十年の任期を全うするが、20年ほど前からは相次いで重病に罹患しての引退や不慮の死などが続き、前例がないほど頻繁に代替わりしている。
・魔界
大陸の北側に存在する、全体像すら不明の世界。
極めて過酷な環境と、個々の力が強大な魔族が多数跋扈する。
・理脱者
世界の理から逸脱した者。時代が時代ならば、勇者や英雄と呼ばれたような人物すら彼方に置き去りにする、圧倒的理不尽の塊。その領域に足を踏み入れた者にはもはや、この世の理が適用される事は無い。
どのようにすればその領域にまで達するのかは未だ正確には不明だが、常人には理解できない、正負を問わぬ、狂気にも近く、また越えるほどの意思を持っている事が大前提とされている。