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第八話 境界線

冷蔵庫から出て生存しているリリカは高揚しており、名医の谷岡は飛び跳ねた。


「成功だ!今宵は相馬家・月城家、両名の祝宴の開幕だ!!!」


相馬家に仕えるマシロ、コヨリのメイドたちが一斉に動き出す。

両家の一貫の祝賀が開催される。

相馬家の高貴皇女両名、月城家の貴族両名。

メイドがバタバタと豪勢な食事を運んでいる。

両家の顔合わせは相馬悠斗生存時と月城リリカ生存時の際にしか豪会していない。


相馬泰嘉高貴、相馬桐乃皇女は微笑みを崩さず、悠人と談話している中、月城 玄継、静苑は凛として、リリカと微笑みあっている。


「悠斗、丈夫に育てたんだな。月城リリカ嬢は健康体ではないか」

「そうね、リリカ嬢は白成美人だからこの世界では一番映えるんじゃないかしら。やっと私たちのものになるわね」

「お母様、リリカのいる前で言わないでよ」


リリカは相馬泰嘉高貴、桐乃皇女の前で床に座り、誓いの座をする。


「相馬家に従えるものとして生命を全うし、相馬悠斗のお嫁さんに相応しい皇女になります、ご指導のほどお願い致します」

「立派だ。それでこそ相馬に値できる者だ」


月城リリカは満開で微笑みながら、この違和感に気づいていない。相馬泰嘉高貴、桐乃皇女は異能を出せなくなったリリカは不必要という意味で言葉を発している。これは俺宛ての触るな危険のメッセージだ。


月城 玄継、静苑の両名は、月城家の貴族でありながら相馬家に身を預け、永くその傍に仕えてきた者たちである。

相馬 泰嘉高貴、相馬 桐乃皇女の挨拶が斎賀する。


「月城リリカ。その名を、本日より宴席に記す」

「名前はいずれ相馬家に関わる命名にさせていただきます」

「それでは、マシロ、コヨリ見せまいの舞踊を」

「御意、相馬と月城の命に従って」


相馬家に仕えるメイド、マシロ、コヨリの舞の舞踊が蓮香される。舞は優雅に高揚に、相馬家と月城家の乱舞が始まる。

俺はリリカに微笑むと同時に、相馬高貴、皇女の目的を知っているので、計画に乗らないように一線を引くように準備する。


隣で俺の手を繋いでいるリリカの手がぎゅっと強くなった。リリカの息ずかいが聞こえる、その心拍がいつも以上にドキドキしているのはリリカも同じなのだろうか。

リリカの音が好きだ、リリカの面と態度が好きだ、この手が離れることがないように俺はより強く握り返す。


ーーー私立天照学園

月城リリカが、例の帰国子女の転校生として入ってきたのはつい最近だ。

リリカは担任に自己紹介され、珍しげに教室を舐め回していた。担任もリリカの美貌にやられているようだ。


「月城さん、では自己紹介を」

「あ、はい!みなさまごきげんよう、私は帰国子女です!これから皆さんと共に学生生活を過ごせるなんて夢みたいです!皆さまと一緒に分かち合い、皆さまに相応しい月城リリカになることを誓います!よろしくお願い致します」


礼儀が行きすぎる、業が深すぎるんだよ。俺だけでいいのに、このクラスごと月城リリカの領域にしてしまう。


「マジで、、リリカちゃんが、、出てきている」


隣で坂口真福はどうしても信じられないと、手をバタバタさせて首をぐわんぐわん回して、この光景を異世界転生をしたような反応をしている。長年の夢が目の前に御意。


「ペンタゴン魔法のおかげだよ、信じられないだろ月城リリカだ、真福ありがとうな」

「、、、おうよっと!さすが相馬家代々当主の相馬悠人くん!!」


リリカが天照学園で挨拶している。誰もが振り向く透きとおる肌に白い髪色に、白人美人のリリカが言葉を発している、身体が動いている。

俺は嬉しさのあまり口元に手を当てて、頬の高揚をおさえる様に息を吐き切る。


「ーーーーっっっく」


危うく泣きそうになるのを抑えこみ、リリカの視線に入る様にグッと力を入れる。リリカは俺の席の隣まできてそっと手を繋いできた。


「相馬悠斗さま、月城リリカです。よろしくお願いします」


窓越しにピンクの桜がひらひらと舞っていた。

リリカには精霊がいるんだ、そうか女神さまか。この笑顔の為に俺は存在していると断言しよう。月城リリカを月城リリカとして、共に一生にいよう。


放課後、視聴覚室の一角でこの活動は、行われていないが行われている。神霊部、部員の坂口真福と林道咲江が美徳にノロノロと机に突っ伏している。

行きたいとどうしても懇願していたリリカと神霊部にお邪魔することにした。ドアの前で俺は考える。


「待て、リリカ様子をみよう」


真福と林道咲江はひそひそ声で、まるで後ろに尋問者がいるように脅迫されている。


「、、、林道、もうすぐ事件の2日前だ。ここで整理したいと思う」

「ええ、坂口くん。私の持論を展開させてもらうわ。いいかしら」

「どこからでもかかってこい!」

「ときに三年a組の小林大河くん。生徒はなぜか2ヶ月月に一回のペースで数学にだけ参加して1コマだけ受けて帰る。そのペースは必ず、毎週金曜日。数学の先生は美濃腰郡司先生。美濃腰先生は小林大河くんの出席率については知っているが疑問にも問わないでいる。一種の不登校兼登校拒否の様に思われているが、それには少しのすれ違いが起こっている。ここで、神霊部立っての謎です。ーー小林大河くんだけの、境界線があるのだと言います」


「境界線とは一体どこを言うんだい」

「なんと小林大河くんは毎週数学の授業以外が

出れない理由は、境界線があり学校に行けないとゆうのです」 

「境界線か、どんな現象か我々が直接聞きに行くってことだね」

「そうです。我々はその境界線がどこにあるのかを探り、小林大河くんに学校に来てもらいたい。以上、意見、意義がない場合は実行に移します」

「意義なし!僕からの提案がある。林道くんは座りたまえ」


これって、、、と疑問系が逸している様にリリカは俺に視線をぶつけてきた。

まあそうなるのも当然だろう、俺も本当の初見はこの類の話をドア越しに聞いて、心身共にゾッとして帰ったのだ。


「ところでさ、そこにいる覗きの変人魔級、相馬悠斗くん、月城リリカちゃんは至急神霊部!

全域区域に入るように!至急入るように」

「気づいてるんならさっさと言えよ」

「展開は中盤が異様に面白くなくっちゃ。ささ入ってよ」


俺とリリカは左足から揃えて入ってしまった。

ここは神社の一角で儀式が始まるのか自然と足並みが揃ってしまい、ついでに足取りが重かった。


「こんにちは月城リリカさん。こんばんは相馬悠斗くん。おはよう林咲江です」


挨拶を、昼、夕方、朝と独特な使い方をするのはここにいる神霊部の部員林咲江だ。


「えっと、同じクラスの林咲江さん。教室では無言に徹しているのか?声を始めて聞いたよ」

「そうかな。私はごくごく平凡な家庭に生まれ、ごくごく平凡な人種だけれども」

「話が飛びすぎだ、、その点に関してはまだ聞いていない」

「ところで、リリカ姫が一体何のようでここに来たんだい」


真福が聞くとリリカがもじもじし身体全体のくねくねが往復している。さあどうするリリカ、本当にいいのか、あの事を言ってしまうのか。


「ま、真福くん、神霊部にい、入れてください!悠斗さまから真福くんの神霊部での事柄を知り、私も、この物語に入れて欲しくってたまらないのです!」


勢いよく真福に飛び出すリリカは息を荒げていた。


「おおー!歓迎するよ。部員は入ればいるほど活動記録に載るしね」

「そこかよ真福、まあいい。じゃそんなとこで

リリカをよろしく」

帰ろうと椅子を立つと真福はドアを塞いだ。

「おっと悠人くん!君はまだ居残りだ、あの文言を聞いていない」

「おれは入りたくない!絶対に!リリカだけでいいだろ、あとリリカの安全だけは確保しろ」

「それはどうかな?境界線ごとリリカちゃんをかっぱらっていくけどいいのかい」

「かっぱらう?お前の企みはわかっているぞ、

はあ、入部サイン書けばいいんだろ」

「それでこそ相馬悠斗くん、月城リリカちゃん

は今日も守られる!一緒に参加だ!」


面倒なことに重なって面倒を起こす。

一体何がどうしてこうなった。平和に平穏に

リリカの為に過ごすだけが、愛と希望が膨らんだリリカを最大限守ることに変換された。

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