プロローグ~静かな夜のEクラス~
AIで自分で読む様作ったやつなんですけど面白かったのでみんなに共有しようと思います
夜の首都高環状線は、週末にしては妙に静かだった。
時計は午前2時を指したところ。流れるように光の帯となって景色は後ろへ流れていく。俺はハンドルに左肘をかけ、古いメルセデスの直列6気筒の鼓動を感じながら湾岸線へ向けて走っていた。
W124型 E280。1995年式。走行距離13万km、5速AT。
中古車検索サイトで見つけて、気づけば現車確認の翌日には契約していた。当時の俺には選択肢がなかったのかもしれない。
他に欲しいものも、何かやりたいこともなく。ただ──走りたかった。それだけだった。
この車は速くない。いや、現代の目で見れば遅い部類に入る。
だが、高速を走ると妙に落ち着く。車というよりも鉄と油でできた生き物のような意思を感じる。
この感じが、俺にはたまらなく心地よかった。
仕事は整備工場でメカニックをやっている。25歳。学歴も家柄も何もない。ただの底辺労働者だ。気づけば周りの友人たちは結婚だの子供だのと、勝手に人生の次のステージへ進んでいた。
俺だけ取り残されたように感じていた。
──だからといって、誰かに理解されたいとも思わない。
人は孤独だ。
それは生き物としての仕様みたいなものだと俺は思う。
それでも、人は何かを求めてアクセルを踏むことがある。
行き場のない衝動を抱えて、夜の高速へと出る。
その夜、ミラーの奥に姿を現したのは──黒い車影だった。
湾岸線東行き。辰巳JCTが近づいてくるあたりで、そいつは俺の後ろに突如として現れた。ライトを点けず、影のように忍び寄ってくる。
首都高の夜を無灯火で走る車は、ただのバカじゃない。
──走り屋だ。
距離を詰めてくるその車は、やがて左車線から姿を現した。
三菱・F34A ディアマンテ。
いや、ただのディアマンテではない。車高は落ち、ホイールはADVANの旧モデル。フロントにはオイルクーラー。排気音は重低音でまとわりつくように太い──恐らく3.0Lの6G72を弄ってある。
ディアマンテは俺の横に並んだ。そしてひと呼吸置いた後、ドライバーがこちらを見た。
──目が笑っていない。
ただのイキりとは明らかに違う、戦場の匂いがする。
相手は首を小さく縦に動かし、前を指さす。
行くぞという合図だ。
俺は前を見据え、右足に力を込めた。
W124の直6が吠える。
ディアマンテが並ぶ。
そして──2台は辰巳の闇の中へ消えていった。
ここから始まるとは、このとき俺はまだ知らなかった。
この夜が、俺の人生を狂わせる第一歩になるということを。
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✅ 主人公のW124「ほぼノーマル」
•エンジン:M104 2.8 NA
•吸排気:ノーマル
•脚:ノーマル(ややヘタリ)
•タイヤ:中古で妥協したミシュランの残り溝少なめ
•外装:少しヤレた銀
•内装:革が擦れたグレー
•カスタム:無し
W124も2代目ディアマンテも好きなんですよね。
羊の皮を被った狼みたいな感じで。本気のカスタムすればどちらもかなり化けますしね。




