18/23
第七章:飛翔
手術の日を一週間後に控えた晩。さくらは銀座の街を歩いていた。
この街で、新しい自分の人生が始まる。そう思うと、胸が高鳴った。
夕暮れの空が、美しい茜色に染まっている。その光の中で、さくらは自分の歩んできた道を振り返っていた。
幼い頃の違和感、学生時代の苦悩、そして現在に至るまでの闘い。すべての経験が、今の自分を作り上げていた。
「私は、私の道を歩んできた」
さくらは空を見上げながら呟いた。その瞬間、一人の男性の後ろ姿が目に入った。
どこか懐かしい、でも新しい印象を持つ姿。
「もしかして……」
さくらの足が、自然とその人影の後を追い始めた。
これまでの人生で感じてきた孤独、戸惑い、そして希望。それらすべてが、この瞬間に向かって流れ込んでいくような予感があった。
さくらは、ゆっくりとその人に近づいていった。
夕暮れの街で、新しい物語が始まろうとしていた。




