悪役令嬢を処罰した後
学園の卒業パーティーで王太子ロジャー達6人は聖女加藤雅を護りながら舞台へと上がった。
そして大声でパーティー参加者に告げる。
「マーベル公爵家令嬢アリーナよ我が前に参上せよ」
その声に答えてアリーナは人混みの中から舞台の前に現れました。
そして王太子ロジャーは大声で告げる。
「悪女アリーナよ、異世界聖女雅への虐めの数々は許せぬ、婚約破棄の上国外追放を命ずる」
「私は虐めなど致しておりません」
「巫山戯るな、異世界聖女雅より虐めの数々の報告は受けている」
「私は虐めなど一切知りません」
すると壇上より騎士団長令息のクローズが飛び降りアリーナを無理やり引きずり倒し床に無理やり押さえ付けると告げる。
「異世界聖女の雅様が恐怖を抑えて王太子に告げたのに知らぬだと」
会場から女生徒の悲鳴が上がる。
そして王太子ロジャーは告げる
「貴様にはその様に地面に這いつくばるのがお似合いだ。1週間以内に国内から消えろ」
その後を引き取って6人が告げる。
まずはアリーナの義弟のマイケルが告げる。
「貴女の様に性根の腐った女性はマーベル公爵家には相応しくありません。私が帰ったら着のみ着のまま追い出します」
続いて騎士団長令息のクローズが告げる。
「貴様の様な女は床に這いつくばるのがお似合いだな」
続いて宰相嫡男のアックスが告げる。
「貴方の様な性悪女は国外追放しか有りませんね」
続いて神官長嫡男のルメールが告げる。
「大事な神からの授かり物の聖女を虐めるなど神は許しません」
続いてアルス商会令息のクリフトが告げる。
「貴方の様な悪女には我が商会の製品は勿体無いので身に付けない様に」
そして聖女雅が告げる。
「反省してくれたら罪は全て許しますので」
それを聞いた6人が褒め称える。
「こんな悪女にまで許すなんてなんて素晴らしい聖女でしょう」
そう言うと7人はざわめきだらけの会場を後にした。
そして婚約者への贈り物用の予算で高級レストランを借り切って3日3晩宴会を続けて酔も醒めぬまま別れて帰宅した。
***
騎士団長令息クローズの場合
酔っ払ったまま帰宅すると待ち構えていた父の騎士団長のアルトに殴り倒された。
「何をするのですか父上」
「それはこちらの台詞だ、3日前になんてことをしてくれた」
「悪女のアリーナに罪に相応しい罰を与えただけです」
「やはり気付いて居ないのかこの馬鹿者が、騎士ともあろう者が守る筈の女性に手を上げるとは許されると思うのか」
「貴方のせいで旦那様は騎士団長を辞任、長男も次男も騎士団を辞めて兵士になったわよ」
「何故正しい事をしてその様な事になるのですか」
「お前が遊んでいる3日の間に全ての貴族から女性を護らぬ様な家の者に騎士など相応しく無いと苦情が入ったからだ、貴様は廃嫡の上でお城の地下牢送りだ」
***
宰相嫡男アックスの場合
「漸く帰ってきたか大馬鹿者が」
「何ごとですか父上」
「お前がマーベル公爵家を侮辱したお陰で儂は宰相を辞任だ」
「何故その様な事態に成ったのですか」
「簡単な事だこの馬鹿者が、この国の税収の3割を納めて食料の5割を生産して塩はほぼ全てを生産して侵略国家アーリン帝国を抑えているマーベル公爵家を侮辱した息子を持つ宰相など存在出来るか、これでマーベル公爵家がアーリン帝国に味方したらこの国が存在出来ぬわ、お前は廃嫡の上お城の地下牢送りだ」
***
神官長嫡男ルメールの場合
「帰って来たかこの痴れ者が、お前がアリーナ様に罪を押し付けたから神殿は存在の危機だ」
「どう言う事ですか、悪女がまた何かしたのですか」
「お前の発言によりマーベル公爵家及び一族に寄り子たち全てが寄進を打ち切らせて貰うと通告が来たわ」
「兵糧攻めとは悪女らしい」
「馬鹿者が、貴様が人前でその様な事を言うから神殿に不信感を持って寄進を打ち切らせて貰うと言う事だ」
「寄付を取りやめた位で何が問題なのですか」
「マーベル公爵家の寄進額は神殿への寄進額の3割に及び、付き合いのある貴族も続くだろうから例年の半分以下になるだろう、それでどう神殿を運営すれば良いのか答えてみろ」
流石に運営費が半分以下になると神殿が回らなくなるのは分かるが他の貴族に寄進を頼んで支出を減らせばどうにかなると考えてそう発言する。
「馬鹿者が、孤児院など支出が減らせない所が多い上にお前の態度を見た令嬢、令息の意見により他の貴族にも寄進を断わられだしておるわ」
ルメールは事態の深刻さに顔色を悪くしていく。
「こうなった以上原因のお前は神殿から除籍の上に廃嫡してお城の地下牢送りだ」
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大商会のアルス商会の後継者クリフトの場合
クリフトは帰宅すると父親に呼び出されて殴り飛ばされる。
「この馬鹿者がようやく帰って来たか、お前のせいで我が商会は解散だ」
「何故ですか父さん」
「お前が公爵令嬢ですら我が商会には格下だと言ったせいで出入りしていた全ての貴族家から我が家には勿体無いので取引は遠慮しますと言われて全ての取引を打ち切られたぞ」
「それでは我が家は」
「資金は殆ど無くなるので町の小規模商会として何とか生活するしか無いな、お前はお城の地下牢送りだ」
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マーベル公爵家の義理の息子のマイケルの場合
「帰って来たかこの薄情者が、10年も可愛がってくれた義姉を守る所か責めたてるような愚か者が、貴様などお城の地下牢送りだ」
「義父上それではマーベル公爵家の跡取りはどうするのですか」
「貴様のような愚か者には関係ないがアリーナが王太子と結婚しなければアリーナが婿を取るだけだ、養子縁組は既に解消したから安心して地下牢へ行け」
そうしてマイケルは騎士に拘束されて王城へ連れて行かれた。
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王太子ロジャーの場合
「やっと帰って来たか馬鹿者が」
「何事ですか父上、アリーナとの婚約破棄は正しい事ですよ」
「ほー、何時から貴様は王命の婚約を破棄できる程偉くなったのだ、その上公爵令嬢を追放などとたかが王太子如きに許されると思っているのか」
「それはアリーナが悪役令嬢ですので仕方の無い事です」
「まあ良い貴様の様な愚か者は地下牢で罪に見合った罰を与える事にする」
そうしてロジャーは騎士に拘束されて地下牢へ連れて行かれた。
***
地下牢に王太子とその側近の6人が集められた。
「まずは身分が誰にもバレない様に顔に重犯罪者の証の烙印を焼きごてで刻むのだ」
6人は抵抗するが騎士が押さえ付けて叫び声を無視して烙印を入れた。
「続いて落胤が出来ぬ様に性器を切り落とせ」
失神している6人の性器を切り落としてポーションにて治療をして直ぐに死なない様にする。
「これで問題無いので無地の馬車にて水銀鉱山に送り強制労働をさせろ」
こうして6人は秘密裡に水銀鉱山に送られた。
その後1週間が過ぎたある日マーベル公爵家でスミスが娘の部屋を訪ねて問い掛ける。
「今日は偽聖女の処刑の日で私は夫婦で見に行くがアリーナはどうするのかな」
「見ても済む気がもう有りませんので部屋で休んで居ます」
「それならゆっくりと休みなさい」
「はい、分かりました」
そして公爵夫妻は王城前の広場に出かけます。
正午の広場では多数の民衆が磔にされた偽聖女へ罵声を浴びせる。
時間が来ると騎士が声を張り上げる。
「これより王太子など多数を誑かして国内を混乱させようとした偽聖女の処刑を開始する」
騎士は偽聖女を起こして薪に火を着ける。
火は徐々に大きくなるが死ぬには時間が掛かるので雅は悲鳴を上げて助けを求めるが民衆は罵声と歓声を掛けるだけで火炙りの刑を楽しんでいた。
悲鳴を上げていた雅の声が消えた頃に設置されていた油に火が着いて死体を燃やし尽くした。
これにて婚約破棄の代償は払われました。