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はなむけに贈る -Philia-  作者: セイル
エメラルドブルー
14/17


夢中でスケッチブックに風景を展開していくと、途中で「ぐう」という音がなった。

僕のお腹の音だった。

スマホの画面を見るともう正午を回っていた。

今日は暑いしここでエネルギー補給をしておかないと下手したら倒れてしまうかもしれない。

さっき海浜公園沿いをドライブしていたらおしゃれな飲食店がたくさんあった。

どうせこのキャンバスに絵が書けるのももう少し先だから、車に置いて行きがてらなにか食べるとしよう。

それに体に水分も足りない気がする。


芝生の上に乱雑に出しておいた画材を丁寧にリュックの中に入れて、キャンバスは片脇に。

ランチに出発だ。


海浜公園も朝来たときはランニングをする人や日光浴をするおばあちゃんとか主に早起きしそうな人々がいたが、昼の海浜公園は子連れが多い。

噴水広場で水遊びをする子どもたちの表情は心から夏を楽しんでいるようだった。

よくニュースとかでこういう風景を見たけれど、こう生で見るのは初めてかもしれない。

珍しいものではないけれど、やっぱり夏を感じる。


海浜公園の遊歩道には日陰が少ない。

この暑さだと少し歩くだけですぐに汗ばんでしまう。

僕の代謝が良いだけかもしれないが、このお気に入りの青シャツに汗がしみないか心配だ。

さっきよりも足早に車のある駐車場に向かった。


さっき車を止めたときには結構余裕のあった駐車スペースもすこし窮屈になっていた。

平日だというのにみんな夏を楽しみに来ているのだろうか。


自分の車のロックを解除してまずはトランクを開けた。

これから作品になるキャンバス様のベッド作りだ。

トランクから後部座席を倒すのにも一汗かくくらい車内は暑かった。

なんなら車内は外よりも暑いからキャンバスもよく乾いてくれるんじゃないか。

それでも湿気がすごいから少し窓を開けていかないと。

後部座席にたまたまあった小さめのブルーシートを後部座席にかけてやるとキャンバス様のベッドの完成だ。

たっぷりと日光を浴びて暑かっただろうが今度は蒸し地獄だ。

そう思うとちょっとキャンバスが可哀想になった。

人間だったら拷問だ。


無事にキャンバスを寝かせるとトランクを閉めて運転席に回った。

助手席にリュックを置き、中から母親が持たせてくれた水筒を取り出す。

あっつい。

確かに今日は熱中症になってもおかしくない。

これは途中で飲み物を買い足す必要がありそうだ。

……だから母はペットボトルホルダーを持って行けと言っていたのかもしれない。

さすがだ。

反発せずに素直に持ってきた僕もさすがだ。


水分を補給すると一気に汗が出てきた。

なんで今日はこんなに暑いんだ。

車のキーを回し、すぐさまエアコンを入れる。


これは長袖なんか着ている場合じゃないかもしれない。

チェーン店でいいからこの辺に服屋はないだろうか。

いや、むしろおしゃれな服屋なんて僕のアウェーだからいらない。

少し涼む目的でスマホで調べてみよう。

僕はスマホのタイピング機能が苦手だ。

だからいつも音声入力に頼る。


「ここから近くの服屋を教えて。」


そういえば前世これを同期の前でやったらおじいちゃんみたいだと言われたことがあったな。

便利な機能なんだからもっと若い人だって使えばいいのに。

みんなタイピングが早すぎてそんな機能がいらないのかもしれないが。

AIだって仕事をしたくてたまらないだろうに。

いや、AIに感情はないか。

なにしろ、音声入力は高齢者のものではない、と僕は思う。


検索結果を見るとすぐ近くに服屋があるらしい。

そこで半袖を買ってからランチにしよう。


最近更新をサボっていてすみませんでした。

今日から令和ですね。心機一転更新頑張ります。

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