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チュートリアル―3

久々に活動再開(´・ω・`)

 先ほどと同様の兎相手に見据え、イメージを脳内で創って行く。

 そこでふと、先ほどのミロニアさんの台詞にどこか引っかかりを憶え、イメージ構築の途中で首だけ振り返る。

「なぁ、最初の兎って【ライトラビット】じゃなかったっけ? でもさっき言った名前は【キック――」

『あ、その子相手に余所見はオススメできませんよ?」

「らびげふぉおっ?!」


 うさ公から視線が切れたその一瞬、奴は土煙を残してその場から消え去り、そして俺のどてっぱらに突き刺さる肉球キックが凄まじい衝撃と共に俺を吹き飛ばす。

 俺は何が起きたのかもわからぬまま、草原で二転三転したあと倒れ伏し、痛覚40パーセント設定でも結構効くわこれ、などと遠のく意識の中に浮かべながらHPを全損させ、金の粒子と成って消え去るのだった。


「――ハッ!?」

『お目覚めですか? 初の死に戻りのご感想をどうぞ♪』

 次に気がつくと、何やら横になって上からぼやけた姿のミロニアさんに見下ろされている状態だったんだが。あれ、この体勢ってあれかな、後頭部が何やら幸せな柔らかさで、見上げる途中に素晴らしい御山が二つも遮ってくれてるんですが。

 なる程、これはあれですね、飴と鞭って奴。くっ、文句を言おうと思っていた気勢がどんどん削がれてしまうっ!でも仕方無いね、これは許さざるを得ないわぁ……あれ?


「ミロニアさんに触ってるのに、ハラスメント警告でないの?」

『これは私の意志で行っておりますので、ハラスメントには当たりませんよ。でもすりすりするのは止めて下さいね、任意で発動させる事も出来ますからね?』

「すいませんでしたーっ!!」

 ぼんやりと見える顔に冷たい殺気が混じるのを何故かはっきりと感じ取れ、慌てて転がり退いて土下座かましました! ひぃ、鳥肌がっ!

 うん、仕方無いんや、膝枕とか初めてされたんよおっさん。短い幸せでした……。


「で聞きたいんだけど、さっきのうさ公さ、何でチュートリアルのモンスがプレイヤー相手にLV1とは言え一撃必殺かましてくんの? あと最初の奴とは名前違ったよね?」

 取敢えず立ち上がって、女の子座りしていたミロニアさんが立ち上がるのを待って聞いて見る。


『ああ、それはですね、あの子の種族、【キックラビット】はアクティブスキルに【急襲】と【不意打ち】を備えているからですね。

 前者は【死角からの攻撃時クリティカルダメージ倍化】、後者は【死角からの攻撃時クリティカル確定攻撃】となっております♪

 それをアタックスキルの【バニーキック】という突進技に乗せて使いましたから。アタックスキル補正ダメージ1.2倍にクリティカルでダメージ二倍、そこに更にクリティカル倍化で』

「何それ怖い。そして最初の奴とはやっぱり違うモンスだし。というかラビットかバニーか統一しろよ」

『そこは開発スタッフの趣味らしくて。因みに先のあの子は、スキルを使えるのはプレイヤーだけではないというチュートリアルも含まれて居りましたから』

 そういえば、確か攻略サイトにも『チュートリアル内容設定した奴は、絶対性格悪い。でも実践的なのは否定できないから悔しいっ、びくんびくんっ』とか書きこまれてたな。

 でも確か、チュートリアル内容は運営の方針で情報開示禁止されてたんだよな。お陰で事前に知る事はできなかったんだが、蓋を開けてみればこれかい。


「さっきの、魔法作成チュートリアルでもあったんだよね?」

『はい、そうですよ?

 ただ、チュートリアルでは戦闘中に作成するという難易度の高いシチュエーションを体験して頂く事で、事前準備の大切さや油断大敵という部分を実感して頂く目的が御座います。

 実際のゲーム内では、訓練所などで動かない的を使って魔法作成して頂く事も可能ですので、しっかりと作成されてから冒険に出られる事を御薦め致します』

「……了解、身に沁みて理解したよ。でもまあこれだけは言わせてくれ。このチュートリアル設定した奴、絶対性格悪いだろ」

『その点に関しましては、否定できる要素を保ちえませんね』

 サポートAIにまで性格の悪さを認識されている開発スタッフって、一体どんな奴だよ。

 まあいいや、さっき作成途中だった魔法はと……お、一応仮登録されてるのか、なら今度こそ試し射ちして見たいんだが。


『はい、では再度【キックラビット】を♪』

「いや待って、というかあのうさ公、LVいくつ?」

『25ですね♪』

「チュートリアルで出すLVじゃねぇ!?」

『格上との戦闘経験も積めて、一石三鳥ですよ♪』

「そんな配慮いらないからっ! 最初のうさ公でどうかお願いします!」

『むー、そうですか。運よく倒せれば経験がっぽりのスタートダッシュになるのですけれど』

「聞くけど、今まで倒せた奴居るの? 分母と分子でお願い」

『クローズドではゼロ、正式サービス開始より現在まで、世界規模でなら約十五億分の一、日本サーバー限定でしたら、約一億分の二という所ですね』

「ライトラビットでお願いします、是非」

『承知致しました♪』

 開発スタッフだけじゃねぇ、サポートAIも十分いい性格してるわこれ。

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