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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第04章:魔術学園編
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0079:捜査


さて、狙われてる事がわかった物の、一体なんで狙われたのかが不明瞭。

まずそこから調べる必要がある。


最初に調べるのはどれだけ毒があるのかと、贈ってきた品物の渡し主。

…が、コレが最初から大変。


「コレは無し…むぐむぐ…これも無し……」

「次コレな」

「菓子系多いねぇ…大体が茶菓子ばっかり」

「それはいいんだけど…乾物の連続は勘弁してくりゃれぇ……」

「黙って調べろ、次コレ」

「むぐぁ」


泣き言を言うトールを無視して、とりあえず菓子系を全部調べていく。

最初はクッキーやらの菓子系から。


こういうの、魔術とかで一発で判断できないのか?とアルバート氏に聞いてみたが、無理だそうだ。


曰く、毒といっても千差万別。

しかも混入時に性質や成分が僅かに変わる可能性もある。

そうなると例え毒があっても検出できないそうだ。


機械と同じで、100%一致すれば検出するけど、0.1%でも違えば検出しない。

しかも毒の種類も分かっているだけで百近く、それ以外にもまだあるとなれば調べようが無いとの事。


もはや完全にプログラムだよね、とのあやめの呟きに同意せざる終えない。


対して毒見は確実。

魔術検出と違って身体に毒が回ってから発光する関係上、どんな変質があっても確実に分かる。

しかも光るからなおさら確実に。


まぁ、メリットデメリットあるから一概にいいとは言えない…まぁ蛇足である。



…とは言え、問題はまだある。


何せ大部分がアソートみたいな複数入りの木箱。

少しだけだと分からないんじゃないか、とは思ったが、コレも問題ないとの事。


曰く、効果的に毒性を出すには液状のものが一番。

その場合、少しでも毒が入っていれば、密閉中に拡散して全体に付着するから確実に分かる、とは猫兄トールの弁。

そしてそれに便乗して、じゃあ乾物から全部調べようぜ!とは猫妹エールの弁。


…主な理由として、子供組みの存在がある。


順応が早いのもあって、気が付くと隠してあった茶菓子が減ってたりするんだなコレが。

食べるなって書いたり、口頭で言っても一枚減ってたりが良くあるんだ……

そうなると、あたらないだろうと高をくくって大()たり、なんてなる可能性もある。

…結局、毒入りの可能性があっても、絶対に食べない、なんて言い切れないので……


後は…ただの兄弄りだろうか。

まぁさっきの(シリアス発光)もあるし、特に否定せず許可したけどさ。


口の中パッサパサになるがいいわ。

…途中で紅茶は出したけどね。


毒見として。


「さぁ次はコレだぁ」

「腹ぁ一杯だぁ…もぅ勘弁してくれよぉ!」




 ~~~




…結果は茶菓子の8割が安全、残り2割に毒が検出された。

トールの(大量摂取による腹痛といった)尊い犠牲によって。


「もう…暫く菓子は見たくない…」

「お疲れさんで」

「胃薬飲むー?」

「…くらはい」


あやめの一言にイーリスが薬箱を持ってくる中、毒が検出された菓子類を見やる。


全てが差出人不明。

名前も所属も無い。

しかも半分がアルバート氏の書斎に直接配送で誰からかも余計に分からない。

直接手渡された物もあるが…多すぎてどれが誰のか……


「はぁつっかえ!ホンマつっかえ!」


あやめがここぞとばかりに煽ってきよる。


泣くぞ。


…まぁ幸運だったのは、毒の入っていた茶菓子の殆どが、非致死性のものだった点。

麻痺だったり、昏倒だったり、睡眠だったりで、死に至る物はごく少数のみ。


…余計に狙いが分からん。


「うーん…毒なら暗殺って線で確定なんだけども……」

「麻痺とか睡眠とか、完全にただの嫌がらせだもんね」

「睡眠とか寝不足に最適ネ☆」

「麻痺とか強制休憩って感じだよネ☆」


ネ☆、ネ☆、なんてあやめと言い合う。

そんな背後で、ソファーからフラフラと手を伸ばす影。


「そ、それでも…長時間麻痺とかの強烈なの…ありましたがな……」

「お(みゃー)はいいから寝てろ」

「にゅー…」

「あぁ、明日は他の奴の毒見、よろしくね」

「鬼かッ!」


トールの泣き言はスルーするとして……

とりあえず調べた物の、犯人とその動機が分からない。


犯行内容は毒の混入。

一部は致死性のある物、更に一部は非致死性の麻痺・睡眠系。

何の為かもよく分からない……


「うー…推理系苦手なんだよなぁ…」

「フフフ…夕方6時の推理物を見ていた私にとってはお茶の子歳々よ!」

「それアニメだろ」

「アニメじゃない」


ホントの事さ。

じゃなくて。


とりあえず容疑者としては、魔術学園の関係者である事は確実。

その中で、自分を知っている存在となると…授業に参加した賢者連中や教師陣。

自分の立ち位置は、派閥争いにポッと出の無所属……

でも、俺達を殺す事に何の意味がある?


…余計に頭がこんがらがってきた。


「…推測ですが、この毒に関しては複数犯なのでは?」

「複数?」

「つまり、幾人かの目的が重なっていて、同じ行動に出た可能性です」


テクスのその推理におぉ、となる俺達。

そりゃそうだ、複数の菓子があって、その複数から複数の毒が出た。

つまり同一犯ではない可能性…!


「その線はあり得ますね…」

「だねぇ」


シャルリア様も、その言葉にむむ、と首を傾げる。

いいぞ…冴えてきた……!


が。


「…余計に犯人が分からんでは無いか」


ドランの一言が、真実を告げた。


真実はいつも一つ!

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