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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第02章:神託編
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0019:ギルドへ


あれから数日。

経過観察含め、イーリスの風邪が完治するまで、出発を見合わせていた。


だがその間に事態は一変。

鼻水は出るわ、くしゃみは出るわ、挙句目にまで影響が出てくる始末。

4月目前にして、この事態に俺は頭ではなく口を押さえた。


くしゃみの為に。



4月と言えば植物の息吹。

植物の息吹は木々の活性化。

活性化すれば同時に飛ぶは花粉。


目薬と鼻薬、さらにマスクまでつけてもこの始末。

花粉症には辛い季節の到来である。

なお発症者は俺だけの模様。


「辛そう…」

「花粉くたばれ」

「暗黒面に落ちてるんですがそれは」


焼き払いたい…今この手にある魔術で…杉林を全て……!


こっちに居続けても埒が明かない。

サッサと逃げるように、対花粉装備そのままで扉を越えた。




 ~~~




さぁ着いたぞ異世界に。

とは言っても、さぁ今から魔術都市マギスティアに行くぞ、という訳にはいかない。


という物も、マギスティアまでの道中に問題があるのだ。


元々マギスティアは、魔術都市の名の通り、魔法技術によって国と同等に発展した独立領。

冒険者の中には、当然この都市に縁のある者もいれば、興味があって行きたいと言う物も多数いる。

それこそ月間だけでも30~50組のパーティーが向かう程に。


そうなるとマギスティアへの道は、貴族達にとって絶好の稼ぎ場となる。

と言うのも、現在確認できるだけで4の国家領、3の貴族領、が入村入街料の徴収の為に、集落や街の入り口に税関を敷いているという。


しかもレイスティア公国前の街、ルスティまでは一本道同然。

途中の街で別の方向に向かっても、残念ながら独立領であったりと行き止まりの為、結局冒険者たちはルスティに行かないといけなくなる。

となると行きと帰り、マギスティアとルスティでの支払いも込みで15回近い支払いが必要になってくるという、貧乏冒険者には少々所か相当に厳しい金額がかかる。


当然、自分達4人も支払いが発生する訳だが…これが中々に厳しい。

入手した金銭でなら支払い自体は楽に出来る。

だが、結局手元にあるだけで増える訳ではない。

今ここで散財したとして、後の冒険に支障をきたすのは目に見えている。


一応転移扉でルスティに戻ることも出来なくはないが、残念なことに記憶力頼みなのが問題。

俺もそれ程記憶力がある訳でもないし、思い出す必要がある場所は裏路地。

しかもこれから2週間近く、各集落や街を経由して、その度に帰宅するのだ。

写真で撮っておいても、似たような裏路地だけで思い出せるほど頭の出来がいい訳じゃない。


映し鏡なら記憶の底から周囲の光景も纏めて、VRみたいにぐりぐり見渡せて確実なんだけども……


結局確実なのは、自分の足で確実に歩いていくのがいいという事だ。



じゃあ素直に支払うか、と聞かれればNOである。



と言うのも、テクス氏曰くギルドの登録次第で、一部免除が可能だと言う話だった。


ギルドと言うのは、単純に複数の業者のサポートを生業としている業者の事。

冒険者であったり商人であったり、果ては農民や漁民向けのギルドも存在しているとか。


ギルドに登録するには毎月の会費の支払いが前提条件に入る。

その代わりに、ギルド毎にサポートを受けられる。

冒険者ギルドであれば、登録ギルドが存在する街や国であれば、税関での支払いはギルドが代行。

農民漁民向けであれば、他の商人ギルドと協力して販売輸送の代行をしてもらえたり等。

登録時のメリットが非常に大きいそうだ。


また冒険者ギルドでは仕事の案内…所謂クエストの受注も行っているという。

これもあって非常に有益な存在なのだが、ライバル業者も多くギルド会員間でのいざこざも耐えないという。


もう一つ問題なのが、ギルド側からの受注クエストと呼ばれる仕事。

腕前次第で、ギルドからこの仕事を請けてくれと押し付けられるタイプの、言わば緊急の依頼。

これはギルド登録をした者は必ず受けなければならない物だとか。

登録時の契約書にも記載されてるらしい。


汚い。


まぁ登録してサポートだけ受ける、という訳にはいかないと言うのも判るが。



じゃあそのギルドの登録はどこでする、となって再び迷うことに。


いやね、俺とテクス氏は問題無いのよ。

前衛後衛、騎士と魔術師だし。

じゃあ残りの女性陣はどうするの、という事で。


イーリスのような幼い娘でも、一応冒険者としての登録自体は可能。

だが戦闘要員でないのが、ここに来てネックとなる。


無理に武器を持っても、登録時に技術力に関する実技面接があるので直ぐばれる。

じゃあ他に何かあるか、となるが、残念ながら何も……


といった所で、あやめが閃く。


「じゃあ冒険者と一緒に行動してる商人扱いって事で」

「できるか」

「…いや、いけるかも知れません」


マジすか。


「周辺国をまたぐ様に拡大した、一大冒険者ギルドがあります。

冒険者以外にも商人、輸送業なんかも手広くやっている。

4人纏めて登録できれば、うまくいく筈です」


そのテクス氏の一言で、目的地が決まる。

一大冒険者ギルド「双頭の竜」へ向かい、冒険者として登録。

そして魔術都市マギスティアへと出発する。


行き先が決まればもう早い。


すぐさま、俺たちはそのギルドへと向かった。


「いっきしッ!」

「マスクしててもくしゃみするなら下を向け」

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