0001:宅呑みから始まる異世界召喚
どうも、作者の神風です。
本作は、仕事やゲームで本命の「エンテの鷹」の筆が止まった状態でありながら、仕事中に思いついてしまったお話を勢いで書き殴った作品です。
メモ帳での下書き無し、プロットも無し、見通しも見当つかず、と勢い任せなのでご注意ください。
では、平和な異世界召喚をお楽しみください。
…なにこれ?
周りは絢爛豪華な装飾で飾られた広間。
左右には鎧や槍を持った兵士達。
正面には貴金属やら何やらで装飾されまくった偉いお姫様。
…そして足元には光り輝く魔方陣。
対する俺たちは仕事終わりでパッと上を脱いだだけのリクルートスーツ。
片手には半分にまで減った缶チューハイ。
挙句魔方陣の上に胡坐かいて座ってると来た。
対面には「宅呑みしようぜ!」と数週間ぶりの休暇で、思考が射出した勢いで誘った幼馴染の姿。
お姫様の周りにいた偉い人達は俺たちを見て「おぉ、異世界からの勇者よ!」とか言ってるし。
あやめと互いに顔を見合わせるもポカンとしたままで状況変わらず。
だからといって正面を見ても変わる訳も無く。
とりあえず残ってたチューハイを一気に飲み干す。
…なるほど。
どういう状況これ?
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加藤 悠馬、24歳、独身。
幼少期は今目の前にいる幼馴染の「澤野 あやめ」と共にスクスク育った。
大学卒業後、事故で両親が揃って他界。
遺産相続諸々の面倒事を片付け、収入をどうするかと思案。
その後彼女と共に実家を飛び出し、都心での一人暮らしを初める。
…が、就職先がどうしようもないブラックで、生活費等々の為にやめる事も出来ず悶々とすごして……
あやめはホワイトなのになんで俺は真っ黒な会社に……なんて凹みつつ、現実であることをようやく(口の中に残っていたカキピーと共に)飲み込めた。
で、現在の状況もある程度は飲み込むことに成功する。
曰く、ここは剣と魔法のファンタジーな異世界だそうで。
曰く、召喚理由はわが国を襲う異人族…所謂「亜人」によって襲われているようで。
曰く、最早滅びも時間の問題であり、戦火の拡大と戦力の疲弊を何とかするべく、王家の秘宝によって異世界召喚を行ったそうで。
曰く、召喚条件として「魔法の適正が高い人間」を選んだ所、俺が選ばれたそうで。
結果、何故か魔法の適性もないあやめが一緒に召喚されてしまった訳で。
…アホくさ。
学生時代に馬鹿みたいに読んでたネット小説かっつーの。
滅ぶのも時間の問題とか言っておきながら素人召喚するとか何なの。
素人が実戦投入可能までにどれだけ費用と時間が掛かるとお思いか。
…まぁ魔法適正があるってのは嬉しいし、現実逃避先としては万々歳だけど…さ?
ぐるりと周囲を見渡せば、思った以上に寂れた様子は無し。
ぴたりと目の前のお姫様を見れば、困ってる様子も瀕してる様子も無い。
ちらりと横を見れば、一切の力を持たないあやめの姿のみ。
どう見てもアカン奴です本当にありがとうございました ミ☆
時間の問題といった割にはこの場に悲壮感は一切無い。
兵士達も少年兵とかでもない、傷だらけの大ベテランに見える。
装備の質も装飾込み込みでお幾ら万円するのか見当もつかん。
しかもお姫様も異世界召喚の罪悪感とか、悲壮感とかなーんにも感じない。
絢爛豪華な服装に金銀宝石の類が散りばめられた装飾品を身につけてる。
挙句すんごいうさんくせー笑顔。
あの笑顔クソ上司と同じ奴、絶対コレ滅びるとか無いわ。
戦争の道具として異世界から御しやすい兵隊として呼ばれた奴だ。
しかも態々幼馴染たるあやめを人質にする形で一緒に呼んだな間違いなく。
謝罪云々の後に帰還の手段は今のところ何とも言えないとは言ったが…ぜってぇなにか隠してる。
しかも部屋は別々にー、とか、魔法の訓練がー、とか言ってあやめは兵士に護送されて連れてかれたし。
姫は姫で笑み浮かべて腕を絡めてくるし何なんだ。
「不安なのは分かりますが、どうかご安心を」
テメーの目が笑ってねぇんだよ畜生。




