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盗賊襲来

 馬車の外では剣と盾がぶつかり合う金属音が至るところで響いている。

 私はレヴァンの背中に回りさらにその後ろをもう一人の騎士の人がかばうように陣取っていた。

「決して壁に近寄らないで下さいね? 壁を突き抜いて来るかも知れませんから」

 レヴァンは落ち着いた声で私に語りかける。

 安心させようとしているのだろう。だがその瞳は冷静に馬車の周囲を観察していた。

「盗賊って言ってましたよね?」

「えぇ、おそらく。しかしこの森は一度街道からそれてしまえば戻ることは難しい迷いの森と言われておりました。そんな場所を縄張りにする盗賊団なんて今まで聞いたこと無かったのですが……」

 富士の樹海みたいなものなのかな? たしか似たような景色が続いて方向感覚が狂うからだとか聞いた気がする。

 そんなことを考えていると、徐々に外の金属音は少なくなっていく。

「敵はあとわずかだ! 油断せず殲滅するんだ!」

 レヴァンは馬車の中で私を庇いながら外の騎士たちに檄を飛ばす。

 その声に呼応するかのように騎士たちの剣が加速する。

 もう大丈夫だと安心した瞬間、森の影が大きく動いた気がした。

「伏兵だ! 気をつけろ!」

 外の兵士の大声が聞こえたかと思ったら、森の奥からさらに盗賊が飛び出してきた。

 最初と同じかそれ以上の数の盗賊がまた襲いかかってくる。

「奴らの技量はそう高くない! 落ち着いて各個撃破だ!」

 レヴァンも声を荒げる。

 さすが王国の騎士団と言うべきかな? 突然の伏兵にも落ち着いて対処できているみたい。

 それにしても伏兵なんて……。この襲撃が長引かなければ良いけど……。


「くそっ! また新手か!」

「一体何人潜んでやがるんだ!」

 馬車の外からは騎士団の面々の荒いい声が聞こえる。

 相当な回数伏兵に襲われているようだ。

「続々と伏兵が現れているようです」

 レヴァンが少し渋い顔をしながらそうつぶやく。

「幸い個々の練度は良くて中の下程度の様ですが、いかんせん数が多すぎる。個人の技量では圧倒的にこちらが有利ですので問題ないかとは思いますが」

「格下相手に手こずることは無いって事?」

「その通りです」

 レヴァンの言いたい事は解るけど……。それでも素直に受け入れられない。

 私だって剣道有段者だった訳だし、大きく段位の開いた相手に対して後れをとる事は普通に考えたらあり得ない。

 それでも伏兵が迫ってきたら多少は動揺するんじゃないかな?

 もし、そこから崩れてしまえばその先どうなるかなんて判らない。

 私が不安そうにしているのを感じたのかレヴァンはまた頭に手をやりなでてくれた。

「大丈夫です。フラン様が心配されることは一切ありません。何せ我らは王国が誇る騎士団なのですから」

 騎士隊長のレヴァン自ら率いてきた救援隊だし、少数精鋭なんだろう。

 であれば今戦ってる騎士団の力量は非常に高いんだと思う。

 事実外から聞こえる声は盗賊の物と思われる断末魔やうめき声ばかりだから、今のところ持ちこたえられてるんだと思う。

 ただ、視界の奥に見える森の先に蠢く黒い影に私は不安を取り除くことができなかった。


「一体いつまで続くんだ?」

「奴らどんだけ手駒抱えてるんだ!」

 あれからどれくらい時間が経っただろう。

 今田盗賊の襲撃はやむ気配が無い。もう十数回の伏兵が現れてるみたい。

 さすがの騎士団も負傷者が出始めてるようで、団員の声からも焦りの色が感じられた。

「それにしてもおかしいですね。こんな規模の盗賊団今まで聞いたことがありませんよ」

 そりゃそうでしょ。私も驚いてるよ。

 良くある小説とか漫画なんかじゃ、物語が始まったばかりでこんな大規模な襲撃なんてされないよ。

 まさか私がそんな設定を考えていたからじゃと思って黒歴史情報を探ってみたけど、この大規模盗賊団に関して私がわかる情報は無いみたいだ。

 現時点で解るだけの魂を集めてないか、そう言う設定をしてないかのどちらかって事になる。私としては後者を強く推したいです。

「いくら騎士団の方との力量差があると言っても、このままじゃまずいんじゃないですか?」

 そう問いかける私にレヴァンは困ったような顔で答える。

「さすがにここまでとなると厳しいですね」

 そう言うとレヴァンは馬車のすぐ近くの騎士を掴み、馬車の中に引き込む。

「交代だ! フラン様を任せる。傷一つ追わせてみろ、後で後悔させてやるからな?」

 そう言うとレヴァンは戦場へ駆け出した。


 それからのレヴァンはそれはもう凄かった。

 さすが騎士隊長というか、バーサーカーというか。

 次々と盗賊をなぎ倒していく姿はゲームの何とか無双とかに出てくるキャラクターのようで、ただただ凄いとしか言い表せなかった。

 レヴァンがあらかた片付け、武器をぶつけ合う音が鳴り止んだかと思った瞬間、暗いはずの森が赤い光に包まれた。

「レヴァン様! 後ろです!」

「なっ! 魔術だと!」

 驚くレヴァンの声と、轟々と鳴り響く炎の音が聞こえた。

 私は恐怖を感じながらも、初日にレヴァンから貰った剣を手に取り馬車の外へ飛び出していた。

戦闘描写は難しいですね。精進します。

お付き合いありがとう御座いました。

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