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救出作戦開始!

「マークさんお久し振りです」

「お久し振りもなにも昨日会ったじゃありませんか。お仕事は順調で?」

「順調ですよ。今夜奴さん達が勝負を仕掛けるらしいから俺はそれに便乗して、仕事を一気に終わらせるつもりです」

 俺は普通に返すとマークさんは何故か苦笑いで返す。


「リュウさんは相変わらず凄いですね。昨日来たばっかりなのにもう終わるとは」

「予想外の協力者がいたおかげで楽に進んだんですよ。その協力者がこの子とこの子の仲間です」

「この幼い子が?」

「幼くありません。十九歳です」

 その言葉に軽く目を大きくしたがすぐにいつもの商人スマイルに戻った。


「失礼しました。私はマークです」

「アリスです。マークさん、リュウさんとはどのような関係で?」

「一時期共に商売をしていた者、ですよ」

 握手を交わしながら話すアリスとマークさん。

 アリスの奴、話術苦手とか言っときながら普通に話せてるじゃん。


「リュウさんはまたとんでもない作戦でも?」

「はい、今回は裏ギルドを一つ潰そうかと」

「……流石に止めておいた方が良いのでは?奴らはしつこいですよ」

「大丈夫ですって。そいつら絶滅させるんで」

「……リュウさんが言うと本当にしてしまいそうで恐いです」

 マークさんは呆れながら言うがどこか期待している様にも聞こえる。


「マークさんからも強く言ってください!止めてって」

「無駄ですよ。リュウさんは我が強いのでいくら言っても無駄です」

「え。俺そんなに我、強いですか?」

「「強いです」」

「……申し訳ありません」

 何となく謝ってしまった。

 確かに色々皆に無茶言ったりしたけど、そんときは俺も協力したし、ちょっとぐらいは……


「それでどの裏ギルドを潰す予定ですか」

「黒牙の狼って所です。マークさんはその裏ギルドの事知ってます?」

「黒牙ですか。あの裏ギルドは主に密猟を専門としたギルドなので納得です」

「……あの、マークさんって何者ですか?色々裏事情に詳しい様な」

「マークさんは商人だ。商人ならちょっとは裏に詳しいと思ってたが違うのか?」

 小声で俺に聞くアリスに返したが普通は違うのか?


「いえ、気になっただけです。そうですか商人なら納得です」

 何か引っ掛かる言い方だな。

 マークさんは悪い人じゃない。


「そんな訳でマークさん、今回は危ないので少し俺から離れた方が良いですよ」

「そのようですね。リュウさん、また商売の時は呼んで下さいね」

 マークさんはそう言ってどこかに行った。

 それじゃ俺達も飯食い終わったし、作戦立てますか。


「アリス、食い終ったなら宿で作戦会議だ」

「はいはい、仲間には私の方から話しておきますよ」

「おう、頼んだ」

 さて、俺の方も準備しておかないとな。


 宿に戻ってアリスと相談中、俺が裏ギルドで暴れている間にアリス達の仲間が精霊とエルフを助け出すのが大雑把な流れになった。

 完全に俺が囮になってるが、まぁエルフと精霊の安全を第一にするなら仕方ないって事で納得した。


 精霊を違法に手に入れた貴族達の屋敷も普段は裏ギルドの連中が守っているらしい。

 しかし今夜は精霊を乱獲するため裏ギルドの連中ではなく正規の騎士を雇って屋敷を守るので戦闘にならなければ大丈夫だと。


 正面から戦うなら勝てないが、こっそり動けばバレないのでその内に解放するから問題無いとか。


 エルフの村に向かってる連中は俺の仲間が護衛についてるから問題無いと言っておいた。

 そうしたらアリスは何故か顔をしかめて「リュウさんの仲間……」と呟いていたが多分問題無いだろう。


 連中が動くのは夜中なので妨害工作をするか?とアリスに聞かれたが断った。

 リル達が不必要と言ったから。


 ただ予想外だったのは裏ギルド連合とでも言うべき各、裏ギルドの連中が五百人程集まった集団だった事。

 おかげで俺は裏ギルドを一つ一つ潰しに行くことになった。面倒だが仕方ない。


 そんな話をしている間に既に夜中。

 俺はアリスの仲間からフォード付きのマントを借りて格好良く人の家の屋根の上に居た。


「雰囲気出るなぁ。月明かりの無い夜に屋根の上に立ってるのは」

「降ろして下さい降ろして下さい!」

「騒ぐな、気付かれるかも知れないだろ」

 アリスは今俺が肩に担いでいる状態で待機中。


「何が雰囲気ですか!?非戦闘員はこんな所に普通来ないんです!」

「そうなの?闇夜に紛れてーみたいなイメージあったんだが……」

 軽くショック。

 イメージあったのになぁ、格好いい暗殺者はこう月明かりをバックにするイメージ。


「こんなの隊長ぐらいしか出来ませんよ……」

「出来る人いるの!?」

「多分ですが。隊長は勇者様の情報収集兼暗殺担当ですから」

「……勇者パーティーってどんだけいるの?」

 普通に気になったがティアの仲間ってよく話に出てくるおっさんぐらいしか知らね。

 確か騎士団長のおっさん。


「えっとメインメンバーは勇者様と賢者様、騎士団長に僧侶様の四名ですが、状況によっては隊長や魔術師団長もいますので全員で……十名?」

「勇者込みでか?てか何で疑問形?」

「込みです。ただ戦うのが鍛冶屋のドワーフだったり、盗賊のお頭だったりと色々いるんですよ」

「おーい、犯罪者が紛れてるぞー」

「大丈夫です。盗賊と言ってもお宝探ししてた人ですから」

 なら良いのか?墓場荒らしとかじゃないよな?


「……動きました」

 アリスの言葉で目線を森に向ける。

 確かに多くの人間が森に入って行った。


「それじゃ俺達も動くか。アリス、掴まってろよ」

「むしろ私としては離さないで下さいと、言いたいです」

「離さねぇよ。それじゃ、行きますか」

 俺が屋根から飛び降りた時、アリスが悲鳴を上げたが作戦は開始した。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] おかげで俺は裏ギルドを一つ一つ潰しに行かなくなったのは面倒だが仕方ない。 文が何かもやっとしました。 意味的にはどんな感じですか?
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