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情報交換と裏ギルド

 飯も終わり宿に戻ったらさっそく情報交換に入る。

 内容は精霊の乱獲を依頼した貴族を中心に裏ギルドの様子など。


「で、アリス達はどのぐらいは調べが付いてんだ?」

「ざっと八割程でしょうか。精霊を裏ギルドで購入した貴族は分かったのですが、乱獲に同行し、直接購入した貴族はまだ分かっていません。しかもその貴族達は位の高い人達で手が出し難くて苦戦中です」

「ならそっちは俺が忍び込んで直接逃がす。他の三下貴族はそっちでどうにか出来るか?」

「はい。この国の騎士団に協力してもらい、国際問題として締め上げる予定です。リュウさんの情報は?」

「俺が言える情報はエルフ関連だな。エルフ達が連れ去られた仲間を取り返そうと躍起になってる。それで貴族共にも復讐したいってさ」

「……お怒りはごもっともですが、これは人間の問題でもあります。どうか人間の法に基づいて裁かせてもらえないですかね?」

「さぁ?全てのエルフを取り返したら大人しくしてくれると思うけど?」

 かなり難しい要求なのは分かっている。

 俺が欲しいのはエルフの情報だからこれさえ聞ければ構わない。


「流石に全てとはいきませんがある程度のエルフを買った貴族の資料なら提供出来ます。リュウさんの目的はエルフの解放でいいんですよね?」

「その認識であってる。本当は精霊も、何だがそっちはアリス達でもある程度は大丈夫だろうから俺はアリス達が手の出しにくいところで暗躍する事にする」

「すみません。本来は私達がするべき仕事ですのに」

「良いよ別に。俺だってアリス達の情報のおかげでかなり早く仕事が終わりそうだ。ところでオークションの方はお前らも握ってるんだよな?」

「オークション?いえ、初耳です」

 なら教えておかないとな。

 俺は細かく情報を話す。


「非合法の奴隷オークションですか。ちなみに場所は?」

「教えてくれなかった。相手も奴隷商でいい稼ぎ場になってるみたいだしそりゃ教えるわけないよな」

「そうですか……」

「今回はあくまで精霊の解放が目的ならこれは次回にでも取っておきな」

「そうですね。二つの事件を同時に捌けるほど人材もいませんし、これはいつか別の時に告発しましょう」

 アリスはそういって話をまた精霊に戻す。


 そんな感じで話をしていると奴隷商との買取時間が迫ってきていた。

 これにはアリスを連れていくわけにはいかないので話を一旦切る。


「悪いアリス、仕事の時間だ」

「あ、そうでしたか。では今日はお開きですね」

「そうなるな。早めに帰って来るつもりだが先に寝てていいからな」

「……襲わないですよね?」

「襲って欲しかったらもっと成長してから言え」

「これ以上成長できない年齢なんですよ!」

「それじゃお休み」

「お休みなさいです」

 アリスが布団をかぶったのを確認してからランプの灯を消した。

 さてと、さっさと買ってさっさと寝よ。


 宿を出て奴隷商に向かう。

 敵意の無い気配が五つ、二つはエルフで残りの三つはアリスの仲間かな?

 一応の監視って事でほっとくか。

 奴隷商の店に着いて遠慮なく扉を開ける。


「店主、買いに来ました……よ?」

 店主の周りには仮面を被った連中がおっさんを取り囲んでた。

 胸元のマークは多分どっかの裏ギルドだろう。

 その中の一人が俺に言葉を掛けてきた。


「ああ、あんたがエルフを買おうとした冒険者か。悪いがあのエルフは俺達が貰っていくぞ」

「店主?この人達は?」

「裏ギルドの者です!絶対に抵抗してはいけません‼」

「そう言うこった。さっさと手を上げて大人しくしな」

 裏ギルドのメンバーの一人が俺に短剣を向けながら言う。

 俺は大人しく手を上げながら聞いた。


「何で急にあのエルフを狙う?大金はたいて買ったんだけど」

「誰が言うかよ。ほらおっさん早く連れて来い」

「は、はい」

 おっさんは抵抗出来ずに店の奥に行こうとした所に一つ交渉する。


「店主、これは交渉だが俺がこの状況をどうにかしたら残りの金チャラにしてくんね?」

「な、何を言って」

「店は汚さないからさ、頼むよ」

「お前この状況分かってないのか?」

 うっせーな雑魚共、この状況も利用させてもらうぞ。


「勝てるのか?」

「楽勝楽勝」

「頼む‼」

 言質は取った。それじゃやろうかね。


「生意気言ってんじゃ!?」

 俺は容赦無く鳩尾に拳をめり込ませる。

 おっさんを取り囲んでた三人は心臓を止めてやった。

 蘇生を行わない限り復活出来ない。

 生き残ったのはたった一人だけ。


「これで残りの金はチャラだな」

 生かしておいた一人はダメージで動けないしお得だったな。

 生きてるこいつはアリスの仲間にでもあげるか。


「店主、早くエルフ連れて来てくれ。またこんなのが出てきたら面倒だ」

「はい‼」

 店主は慌ててウィロスを連れて来た。

 裏ギルドが何故このエルフを狙ったかは本人に聞いて欲しいと。


 仕方ないので俺は裏ギルドのメンバーを近くのゴミ捨て場に捨てた後、ウィロスを連れて路地裏に移動した。

 路地裏に入るとすでに二人が居た。


「ほれ、連れて帰んな」

「ウィロス様帰りますよ」

 ウィロスは久し振りに同胞会えて気が抜けたのか二人に支えられながら村に帰った。


 俺は宿に戻りすぐに寝た。

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