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奴隷売買

 地下に潜るとそこには多くの奴隷が居た。

 一家揃っているのか四人程セットの奴隷、冒険者だったのかがたいの良いドワーフなど色々居た。


「意外と種類豊富だな」

「彼らは普通の奴隷ですよ。主に借金が原因で奴隷になった者達です。中には自慢の武具を売れば奴隷にならずにすんだ者もいます」

「ふーん。で、俺が欲しい類いの奴隷は?」

「良い商品は奥に仕舞っています。こちらです」

 おっさんの後を追うと何やら頑丈そうな扉が見えてくる。


「この奥におります。皆上玉ですのできっと満足なさると思います」

 いやらしい笑みを浮かべながらニタニタと笑うおっさんは不気味だ。

 いくつもの鍵を開けながら口は止まらない。


「ところでスポンサー様はどの様な女性がお好みなのでしょう?それさえ分かれば幼い者から熟した者まで手広く扱っています。中には亜人の類もたまにいますがほとんどは獣人ばかりですがね」

「へぇ、亜人も取り扱っているのか。ならスポンサー好みの亜人も見つかりそうだ」

 俺はいいことを聞いたように演じる。

 どんな亜人かはまだ言っていないが。


「ほう、亜人が好みのスポンサー様ですか。してどのような亜人で?犬型、それとも猫型で?」

「エルフだよ」

 その時おっさんの手が止まった。

 俺は揺さぶりをかけるために続いて言った。


「俺のスポンサーは大のエルフ好きでね、こうしてたまに買い付けに行くが毎度言うのは長身で金髪の髪が長く若い女がいいと言うもんでね、おかげで俺みたいな奴は大変だよ。少しでもエルフに似ていない所を見付けると怒鳴るんだ。と言ってもスポンサーもまだエルフを抱いた事は無いらしいけどな」

「なるほど、それは滅多に市場に出ませんね。私の店でもエルフを扱ったことがることは数回ですよ。冒険者になったエルフが依頼失敗になった際に金が払えない、と奴隷になりました」

「ちなみにそのエルフの代金は?」

「オークションにかけた際になんと大金貨十二枚になりました。この国で大稼ぎするならやはりオークションでしょうね」

 大金貨十二枚ね。だいぶ高いな。

 それにオークションも気を付けておかないといけないな。

 もしそこから別な国に渡ったら厄介だぞ。


「そのオークションならエルフを買えるのか?」

「それは他の貴族様達にもよりますが大抵の上玉はそちらに売られますよ。その方が利益が大きい」

「……店に買いに来ても断られるか?」

「おそらくは」

 ち、厄介な、一番いいのは金での解決だがオークションとなると別だ。

 まず貴族も出てくるオークションでの資金がどれだけ要るかが分からない、それに必ずエルフがそこに出品されるかも確かじゃないし不安定すぎる。

 となるとやはり強襲するしかないのか?


「……お悩みのようですね」

「あ、ああエルフが出品されるかも知れないのは嬉しいがスポンサーがどう言うか次第だな……」

 おっさんは悩む俺に小声でこう言った。


「特別にエルフを売ってもよろしいですよ」

「なに?居るのかエルフが」

「はい。最近資金集めのためか裏ギルドがエルフや精霊を狩っているのですよ。その資金で何をするかは分かりませんが、今は一人だけエルフがいます」

「初耳だな。その情報込みでエルフを買いたい」

「ありがとうございます。ではこちらです」

 おっさんは扉の最後の鍵を開けた。


 その扉からさらに地下に潜ると先ほどより数はいないが、おっさんが上玉というだけ確かに綺麗な女性が多く居た。

 ほかの奴隷のように枷は付いてなくただ檻に入れてある感じだ。

 その檻の中にはベッドがありそこに腰掛けている人がほとんどだ。

 しかしどこかで感じたいやな気配がする……確かこれはドワルの時に檻と同じ気配か?

 力の制限や怠さを起こす呪いに近い魔術、檻一つ一つに簡単なものを掛けていると予想する。

 そして一番奥に囚人でも入れておくような周りより頑丈そうな扉があった。


「この奥は特殊な力、もしくは大きな力を持った女性用の部屋です。呪いの影響で我々も怠さを感じますが命に別状はないのでご安心を」

 そう言って開けて先にはまばらに女性がいた。

 檻に入ってるには変わらないが小さな個室のようになっている。


「ここにエルフは居ます」

「どこだ?」

「奥から三番目の檻でございます」

 早速近づくと確かにエルフが居た。

 金髪ロングの髪に、白い肌、肢体は細いがその身体は女性らしさを出している。


「本物か?」

「はい。本物です。これは五日ほど前に買い取ったエルフです。味見していきますか?」

「嫌いい、それがスポンサーにばれたら厄介だ」

 エルフはベッドの上で小さく縮こまっている。


「おいエルフ、名前はなんだ」

「……」

「答えろ、買ってやらねーぞ」

「ウィロスです……」

「フルネームでだ」

「ウィロス・ラエ・ソロンです……」

 ラエ・ソロン?まさかアル長老の血縁者か?


「お気に召しましたか?」

「ああ、これが本物のエルフか。本当に上玉なんだな」

「お買い上げありがとうございます」

「買うが情報の方もよこせ。俺の買い物はそこまでだ」

「抜け目ありませんね。お話ししますが一度上に戻りましょう。契約書も書いていただきますし」

 さぁてどんな話が聞けるかな。

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