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特訓その1

 ティアマトさんとの決闘に向けて特訓を開始した俺だが……


「なかなか上手くいかないもんだな」

『限界突破』の激しいエネルギー消費を少しでも抑えたいので、その方法を模索しているがなかなか見付からない。


 長期戦か短期戦かはティアマトさんの戦闘方法次第だが、長期戦になると多分俺の体力がもたないだろう。

 こうも上手くいかないと、自分で戦いのペースを掌握する必要がある。

 俺に出来るかな?相手はあのティアマトさんだし。


「あ~面倒臭え」

「そんな事言わないで欲しいのだ!元々リュウが原因なのだ!」

「はいはい分かってますよ」

 オウカも俺の特訓に付き合ってくれてる。


「それより他のドラゴンさん達には協力してもらえるようにちゃんと言ったんだよな」

「うむ。ただ意外な方が協力してくれると言ってくれたのだ!」

 意外な方?俺も知らない人かな。


「もうすぐ来ると言っていたが……やっぱりあの方はのんびりしてるのだ」

 のんびり……そういやオルムさん最近見てないな、どっかの住処に帰ったのか?


「あ!やっと来たのだ!」

 オウカの声に反応し、振り返ってみるとそこにいたのは。


「ヤッホー、リュウ。久しぶりだねぇ」

「オルムさん‼」

 戦闘に全く興味なさそうなのが来た!


 いや、でもオルムさんって爺さんの義兄弟だったよな。

 て事は意外と戦闘大好きドラゴンの一匹だったのか?まったくイメージがつかない。


「オルムさんが俺の練習相手になってくれるんですか?」

「そうだよぉ。流石にぃティアマト相手じゃぁ、リュウもぉ厳しいと思ってぇ手伝いに来たんだよぉ」

 すっげぇ読みづらい……じゃなかった聞きづらい。


「ありがとうございます。で、練習方法は?」

「ひたすら組手だねぇ」

 流石ドラゴン、どこまでも実戦を好む。


「分かりました。ご指導よろしくお願いします」

「うん。それじゃぁ始めよっかぁ」

 お互いに構え、対峙する。


「それじゃぁ僕から行くねぇ」

 いや別に宣言しなくてもいいような……

 ただなんだろな、この寒気は。


 俺の『生存本能』がなめてたら危険だとひしひしと感じる。

 そういやオルムさんの戦闘は見たことがない。

 どんな戦い方をするのか不明だ。

 気を付けて戦わないと。


「ふんっ!」

 デカ過ぎる拳が来た。

『思考加速』と『生存本能』があったからこそ目に見えたが、無かったら何も分からずぶん殴られてたぞ‼


「おおぉ。今の避けられるんだぁ、ならどんどん行くねぇ」

「ちっ!」

 やっぱ伝説級のドラゴンだったよこの人!なんだよこのスピードとパワーは!?

 ダハーカの付加術エンチャント状態とあんまし変わんねーぞ!

 何で俺は呼ばれたの?ティアマトさんとこの人いれば十分だったんじゃね!?


「僕はフェンリルと修行している間に近接戦闘に特化したドラゴンになったんだ。だから接近戦は得意だよ。それに僕はとても重い、地龍や鉄龍よりもね」

「流暢にしゃべった!」

「流石に戦闘ではのんびりできないからね」

 ちきしょう!やっとある程度は強くなったと思ったのに上にはまだまだ上がいるのかよ‼

 とにかくこの人には本気でぶつかんないとすぐにやられる!


「おっら!」

 俺だって一応はダハーカに戦って勝てたんだ。

 無様に負けたらダハーカにも悪い、なら勝ちにいこう全力で‼


「くっ」

 殴ったけどダハーカ並みに重い、ならアッパーを決める要領で下から上に向かって殴るのが正解。

 できるだけ殴った衝撃を逃がさないようダメージを確実にためさせる。


「凄いねリュウ!僕を殴って浮かされたのは久しぶりだよ!」

「そりゃどうも!こっちもダハーカに勝ったんでただではやられませんよ!」

「うんうん!ダハーカやフェンリルが君を気に入った理由が少しわかった気がするよ。だから僕も楽しませてもらうよ!」

「ばっちこーい‼」


「ゼェゼェ……」

「はぁはぁ……」

 ヤベェ……めっちゃ疲れた。

 何だよあれ、オルムさんマジ強い。

 俺も近接戦闘は得意なのにまるで決まらない。

 いくつか良い一撃も入ったはずだがオルムさんは構わず殴ってきた。


 爺さんと違いあまり避けようとはせず、軽い攻撃を受けても自分の重い一撃をあたえるバトルスタイルってところか?


「二人ともそろそろ止めるのだ!周りが更地になってしまうのだ‼」

 オウカがぴょんぴょん跳びながら俺達を止めた。


「ここまでだねぇ」

 オルムさんも力を抜いたので俺も止める。


「ありがとうございました」

 っと礼をしてからおもいっきり叫んだ。


「つっかれたー!」

 そして寝っ転がる。


「お疲れさまぁ、僕も疲れたよぉ」

 いつものオルムさんに戻ったので少し聞いてみる。


「ティアマトさんを相手にしたとき、どのぐらい戦えますか?」

「う~ん、10分ってところかなぁ?」

 10分か。短期戦になるな。


「リュウ大丈夫か?」

「大丈夫、疲れただけだ」

 背を起こしてオウカの頭を撫でる。

 その後は休憩を挟んでまたオルムさんと組手をする約束をした。

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― 新着の感想 ―
いやまぁたしかに当時は眷属で手一杯って言ってた当時がだいぶ昔だけどさぁ…… 主人公が短期決戦でも勝てんかもしれんってダカーハに勝った後に言うってことはあと人既にダカーハより強いのでは?? なんか強さの…
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