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王女は世界を見たい

いつの間にかブックマーク数が4桁までいってました!

皆さんありがとうございます‼

 褒賞も決まり中庭で軽く自主練中。

 スキル『魔賢邪龍アジ・ダハーカ』はまるで使えなかった。


 いや悪い意味で使えないじゃなくて、どちらかと言うとまだ完全に馴染んで無いと言った方が正しいか。

 元々このスキルはダハーカの魂によって俺の中で生まれたスキル。となるとダハーカの魂が復活しないと使えない可能性が出てきた。


 と、言っても基礎的なスキルは使えた。

『思考加速』『詠唱破棄』等の魔術師向きのスキルばかりだが今の俺にはこのぐらいがちょうどいいと思う。

 正直生活を補う程度の魔術しか使えない俺に『詠唱破棄』とか無駄なスキルだし、使いこなすなら何処かで魔術を習わないといけない。

 どっかの魔術本でも読めば済むかも知れないが今はどうしようもない。


 あ~あ、こうなるんならタイガの奴にでも少しは攻撃魔術を聞いておくんだった。


 ただ『思考加速』は普通に使える。

 今も使ってるがこのスキルを使いながら『念話』を使えば戦闘中でも邪魔にならない。

 本来の使い方とは少し違う気もするが問題無いだろう。


 他に使えるスキルは『魔力削減』だろうか?

 魔術や魔力放出で使う魔力を少ない力で使えるスキル。

 いわゆる魔力の節約が出来るようになった。

 流石に本来の力を半分の魔力で、と言うほど便利なスキルではないが7割~8割の魔力で使えるようになった。

 そんなスキルの確認をしながら自主練に没頭していた。


「リュウ、水とタオルなのだ!」

 オウカが元気に走って来た。


「おーサンキューなオウカ」

「うむ!」

 オウカは俺にタオルを手渡してくれた。

 そのタオルで汗を拭い休憩をとる。


「どうなのだ?アジ・ダハーカの贈物ギフトは?」

「まだ全然使いこなせてねぇ。今まではその場の勘やらで使ってきたがダハーカのスキルは逆に思考を求めるタイプみたいで俺とは相性が良いとは言えないかも」

 水を呷りながら答えた。


「リュウは前衛向きの性格だからな。魔術師のようにいちいち呪文を唱えるより殴った方が早いと思っているのだろ?」

「まぁね。でもダハーカのを見て思ったよ。魔術師の長所は手数の多さだって事」

 実際5桁の魔術を見たときヤバいと思った。

 あの中には禁呪も含まれてたかもしれないし、付加術エンチャントによる身体能力の強化も凄まじいものを感じた。


「それは……アジ・ダハーカだからではないか?普通の魔術師はあそこまで至るにはそれこそ人間を辞める必要がある」

「それでも手数は多い方が良い。もしダハーカのような人間が出て来ないとは限らないだろ?」

「それでも2桁いけばよいほうなのだ。ダハーカのように5桁など魔王でも難しいのだ」

 …………それってダハーカは魔王以上に厄介だったて事だよな。

 よく勝てたな俺、そしてそのダハーカの魂が体内にあるのは黙っておかないといけないな。


「とにかく俺もそろそろ魔術を学ぶか。手数は多いに方が良いのは変わんねぇ」

 となると問題は誰に学ぶかだが……ダハーカが復活するのを待った方が良いのかね?


「ところでリュウよ、褒賞を貰った後はどうするのだ?」

 ……ん?何だろこれ、どっかで似た事があった気がする?


「そう……だな。とりあえずフォールクラウンで爪を加工してもらいに行こうかな、ぐらいか」

 パッと思い付くのはそのぐらい、その後はどうすっかな?


「その、出来れば……その。連れて行ってくれない…だろか」

「え、オウカをか?それは俺一人で決められねーよ。龍皇とかティアマトさんとかいろんな人に相談しねーと」

 流石に一国の王女を勝手に連れ出すわけにはいかない。


「それは……ほとんど大丈夫なのだ!お父様もそろそろ世界を見て回れと言っていたし、リュウなら護衛としても問題は無いはずなのだ!だから……その時は一緒に………」

 ……そういや前に世界をどのぐらい知ってるか、みたいな事聞いてきた事があったな。

 あの話はここに繋がる話だったのか。


 ま、誰に付いて行こうがこいつの勝手だ。

 ならちょっとだけ大人として言っておくか。


「ならその話は龍皇とグウィバーさんに言いな。俺に言っても困る」

「しかし反対されたら?」

「そんな時は意地だして何度も言え。それでもダメって言われたら決闘でも何でもやって黙らせろ」

「お父様もお母様もとても強い事を分かっているのか!?」

「だからそこは意地でも根性でも出して頑張んな。………勝手に付いてくるとしても、親に何も言わず出ていくよりよっぽどましだ」

 軽い後悔が俺にあるとすれば親に何も言わずに勝手に出ていった事。

 それは親がいる存在にとってやってはいけない事だと思う。

 だから。


「必ず親に言え、許可が出たなら堂々と付いて来れば良い。それすら出来ないなら俺は即行で送り返すからな」

 キチンとこのぐらいは言っておかないとな。


「……分かったのだ。お父様とお母様にキチンと言って堂々と付いて行くのだ‼」

「分かればよし」

 理解したようなので頭を撫でてやる。


「では早速お父様達に言ってくるのだ‼」

「なら俺は自主練に戻りますか」

「ではリュウ、楽しみに報告を待っていると良い‼」

 タオルとコップを回収してまた走って行った。


「おう。説得頑張んな!」

「うむ!」

 さてとスキル確認と俺自身の調整再開といきますか。

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