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戦闘間近

 まさか大金貨を一枚使う事になるとは、流石高級店恐ろしい場所。


「まさかお前が大金貨を持っているとは思っても見なかったのだ。いつそんなに稼いだのだ?」

「フォールクラウンで大稼ぎしただけ」

 そう実際フォールクラウンで数ヶ月間暮らしていた時にマークさんの商売に協力したりギルドで魔物を売ったりと色々やった。

 ドワルに直接俺達がよく食ってた鳥の身体を守っていた鉄を売ったりしているうちにかなりの金に変わっていたのだ。


「お前は運も良いのか?」

「運はかなり良い方だと思う。実際リルとカリンに出会えたわけだし」

「………納得」

 やけに疲れたような顔をした王女。

 そんなにカリンのことが怖いかね?


「次はどうするのだ?さすがに土産を買って終わりではないだろ」

「いや一旦城に帰るぞ。腹減ったし土産も部屋に置いておきたいし」

「そこはどこかの店で食べるべきだろう。観光ならそれも楽しみ方ではないのか?」

「まーね。でもティアマトさんの飯旨いからいいかなって」

「そうです。今すぐお戻りください、昼食はご準備できています」

「お祖母様!なぜここに!」

 やっぱり出てきたか達人世話役ティアマトさん。


「今帰るよ」

「では冷めないうちにお戻りください」

 そしてまた消えるようにいなくなった。


「メイド長って皆あのぐらい出来るものなのか?」

「いや、お祖母様が凄過ぎるだけだと思う」

「そっか。とりあえず飯が冷める前に食えるよう走るか」

「ああ、そうだな」


 飯が冷める前にどうにか食えた俺達、午後は………どうしようか?

「なあリュウ。お前はどのぐらい世界を知っている?」

 王女から突然の質問が来た。


「さあ?たぶんちっこい世界だと思うぞ。俺が行ったことのある国はここで三つ目だ」

「二つ目はフォールクラウンだよな、では一つ目は?」

「俺が生まれた国だよ。と言っても知ってるのは俺が育った町のことだけで、更にここみたいな城下町じゃないから大した名産も、事業もない小さな町。それが俺の知ってるあの国だ」

 きっと城下町の方には何かしら産業ぐらいはあっただろう、でも俺は平民で大した向上心も特に持っていなかったから何が優れ、何を他国から頼っていたのかはわからない。


 わからない以上俺の知っている国は俺が住んでいた町のことしか知らない。

 所詮そんなもんだ。


「お前はあまり祖国を愛してないのか?てっきり皆祖国を愛してるものだと思っていた」

「別に嫌いなわけじゃないさ。と言っても国から見れば俺は数多くいる平民の中の一人程度の認識だったと思うけどね」

 特にこれといった感情があるわけではない。

 逆に何も無かったと、いった方が正しいと思う。


「………親しい友人は?」

「さあ?今どこで何やってんだろうな~。腐れ縁の一人は勇者でもう片方は賢者として勇者をサポートしてるって聞いたことがあるぐらいだし」

「あの残虐非道な勇者はリュウの友人だったのか!?」

「残虐非道って。あれでも人間から見れば十分勇者なんだぞ。人間からのみ慕われてる勇者様」

「あれホントにどうにかしてくれないか?お父様が今回のアジ・ダハーカをどうにかする際後ろから逆に刺されるとまで言った狂気の勇者なのだ。魔物(こちら)としては恐ろしすぎる」

 良かったなティア、お前の存在は多くの魔物に怯えられているようだぞ。


「と言ってもな。あいつ最初の頃はそこまで魔物を敵視してたわけじゃないからな。原因がわからんから俺にはどうしようもないぞ」

「そこは『調教師』だろ!どうにか調教してくれ‼」

「言い方が酷過ぎじゃね‼相手は同族だぞ!んな事出来るか‼」

「私には無理やり殴って分からせる主義だと言っていたではないか‼」

「よく覚えてたな!?そっちに驚いたわ」

 しばらくぎゃあぎゃあとやかましく騒いでいたがお互い一時休戦となった。


「あ~、喉痛い」

「水貰ってくる……」

「水ならありますよ」

 ここでも出てくるかティアマトさん。

 いや有り難いんだけど、こうもちょいちょい出てくると普段どこから見張ってるのか気になってきた。

 でも喉が痛いので水はありがたく頂戴する。


「少々厄介なことになりました」

「アジ・ダハーカの事ですか?」

「はい。かの邪龍を封印している術式が予定していた時刻より早く解けているのでおそらく予定より早く戦いが始まる可能性が出てきました」

 かなり嫌な情報だな。

 当時の賢者め、もっとガッチガッチに封印しとけや。


「このスピードだと今日中に現れる可能性があります。今のうちに覚悟を決めてください」

 って今日中!?いきなり過ぎるだろ!


「もう始まるのか………」

 王女もなんだか緊張した顔になっちまたし俺もそろそろ気合い入れておかないとダメか?


「ティアマトさんその封印されている洞窟に行くことは可能ですか」

「……何をする気ですか?」

「いやただの興味だ。相手がどこから出てくるか確認しておきたい」

「それなら資料を」

「それじゃ俺は納得できない。実際にいる場所の方が相手がどのぐらいやばいか分かる」

 相手を直接見ないと相手がどのくらいヤバいかわからない。

 無理なら素直に逃げさせてもらうとしよう。


「………私が同伴します。それでも良いですか?」

「むしろこっちから頼みたいぐらいだ。お願いする」

「なら私も」

「いけません。あなたはこの国の未来なのです、そのぐらいご理解しているでしょう」

 王女も言ったがティアマトさんにばっさり切り捨てられた。

 そりゃ当たり前だよな、大事な孫を危険なとこに行かせたくないのは。


「それではリュウ様また後でお伺いに参ります」

 もうすぐ、伝説達が厄介という伝説の邪龍が姿を現す。

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