表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/238

狼の群れ

 着きました!大森林‼しかもめっちゃ深い所で降ろされた!何もしてないのに涙出てきた!


 しっかし本当にデカイ森だよな、森に入ってから数分かかったしな。


 ま、今は後悔より目の前の連中に集中しないとだめか……


 目の前に居るのは狼の群れ、数は……ざっと20匹…いや、俺を拉致ってきた連中も含めれば34匹ってとこか。


 結構多いな。普通の狼の群れなら少なくて3匹、多くて10匹いるかいないかって所なんだが、一番多い状態の3倍近くとなるとここのボスがかなり強いか、ただ単に大家族なだけか……判断を間違えたら集中攻撃くらうはめになるかも。


 特にヤバそうなのは少し白髪が入った真ん中の一番デカイ狼、多分あれがボスだ。


 あぁ、マジでヤバい。何がヤバいって俺を取り囲んで皆で威嚇してんだよ、すでに。


『娘よ、その人間は何だ?なぜここに連れて来た』


『私が気に入ったので連れて来ました』


 この二人親子だったんだ。そして俺、気まずい。


『理由を聞いている』


『私が気に入ったからだと言ったでしょう、それが理由です』


『理由になっていない‼』


 っだ!何だよ今の、視線ぶつけられただけでかなり痛かったんだけど!?


 そして娘の方はさらっと流すなよどんだけ強いんだよ!


 ヤッパ駄目だ、この森で生きてく自信ねぇよ……周りが強すぎる。


『おい、貴様‼貴様は娘と何処で知り合った!』


 俺に矛先が向いた!何処って言われても、

「職場の牧場で知り合いました!」


『どうやって知り合った!』


「罠に掛かっていたとこを助けたのがきっかけです!」


『娘が人間の作った罠などすぐ壊せるわ‼』


「罠に掛かったふりをする遊びだと、この狼は言ってました‼」


『またそれか…』


 あ、何かボスのテンション下がった。途中まで変なテンションだったけど何か落ち着いた。


 って狼や、その目は何だ?そして鼻先でツンツンするのは何だ?


『余計な事は言わないで』


 余計って、仕方ないじゃん。お前の親父さん恐いし…


『とにかくそれは元の場所に返してこい』


 ………本当に娘が勝手にペット拾ってきて困ってる父親じゃん。


『嫌です』


『…それが何の役に立つ?力も無い、魔力も無い。そんな存在を引き入れてどうする』


『これは『調教師』です。これならお祖父様の具合も少しは善くなるかと』


 するとボスは俺の方を見た、何か品定めをしている様にも見える視線。それに狼の爺さんの話もでてきたし、何か訳有りみてぇだな。


『これがお義父様を救うとでも?お義父様は寿命だ。その人間でも救えん』


『それを知るために連れて来たのです』


 よくわからんが狼の爺さんは死にかけってとこか?その理由を知りたいために拉致った、てことでいいのかね?

 ま、とりあえずこの会話に参加しないと次に行きそうに無いな。


「親子喧嘩中悪いがその爺さんに会わせてくれないか?俺がそいつを診断してやりゃ良いんだろ?」


『貴様、生意気な口を‼』


「俺を連れて来たこいつは、その爺さんを診断して助けられるなら助けたい。でもあんたが言うように寿命なら俺にもどうしようも無い。ならとりあえず診せろ」


『リュウ?』


 こいつは俺を不思議そうに見てるがそれが一番手っ取り早い。


『……ならやってみせろ。その代わり診た後は消えろ』


「構わない、でも情報が欲しい。お前らの種族、その爺さんの歳、後いつからその状態になったか教えろ」


 ボスは舌打ちした後、背を向けると『来い』とだけ言った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ