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ドワーフの国、『フォールクラウン』に到着!

 三日間歩いたり走ったりしていると目的地の鉱山が見えてきた。


「ほ~、彼処にドワーフの国があるのか」

 ドワーフの住む鉱山。その麓に国があるらしいのだが……


「何処だろうねぇ」

 遠くから見る限り、国らしき町の影もない。


「とりあえず麓をぐるっと見て回るか」

 それしか思い付かないのでそうする。


「後リル。悪いが入国する時は狼の姿になってもらっていいか?」

「良いけど何で?」

「だってお前、カード持ってないだろ」


 そう、大体の国に入国する時はカードで身分証明をするのが一般的だ。

 逆にリルの場合は狼の姿で俺の従魔と言った方がすんなり入国出来るが、人の姿だと絶対に検問に引っ掛かる。


「て事でリルは狼の姿でいて欲しいんだよ」

「じゃあ面倒だからここで術を解除しとくね」

「ああ、頼む」

 そしてリルは術を解除した。

 そして入国出来る場所を探して歩いていると行列が出来ていた。


「あのすみません。ここって入国審査の列ですか?」

 一番後ろに並んでいた男の人に話し掛けた。

「そうだよ。君はもしかして『フォールクラウン』は初めてなのかな?」

「はい。魔物の素材を売る以外に、その素材で服を作って貰おうと思いまして」

「へぇ、それなら確かにフォールクラウンは最適だね」

 と、こんな感じで話を始めた男は商人のマークさん、行商でこの国に来たらしい。


 マークさんも審査まで暇だからいい退屈しのぎだ、と言って俺と色々話してくれた。

 どうもこの国は鉄を掘り出す時に使った坑道を拡げて造った国らしくこの鉱山の中に国があるらしい。

 それじゃぁ外から見てもわからない訳だ、と言ったらその通りだと爆笑していた。


 因みにリルは俺の腕の中で寝ていた。暇だ暇だと五月蝿いので抱っこしたら落ち着いて寝た。


 そして遂に俺達の審査の番が回ってきた。


「それでは国内で会いましょう」

「ええまた会いましょう」

 そして別々の窓口へ。


「今日はどのようなご用件でしょう」

「素材を売りに来ました」

「素材の売買ですね。商人ギルドに登録はしてますか?」

「していません。なので冒険者ギルドで売ろうかと」

「わかりました。素材は何でしょう?」

「全部売る訳ではありませんが、ほとんど魔物の革です」

「魔物の革ですね。後で拝見してもよろしいですか?」

「はいどうぞ」

 面倒なのでさっさと渡した。盗むようならぶん殴れば良いだけだし。


 しかし受付の人は中身を見ると「失礼します」と言ってどっかに行ってしまった。

 訳もわからず暫く待つと別の人が出てきた。


「すみません。詰所の者ですが少しよろしいですか?」

 はぁ?何で詰所の人が出て来るんだよ?


「えっと何でしょう」

「こちらの革素材を売りに来た、で合ってますか?」

「はい」

「冒険者ギルドの方で売ると聞きました」

「はい。と言っても全部ではありませんが」

「残りは何に使う予定で?」

「自分の服を作って貰うために残します」


 すると詰所の人は悩むような素振りをすると。「こちらに来てください」と、言われたのでリルと一緒に詰所に移動した。

 詰所にはこの人の他に二人いた。

 何か狩っちゃいけない魔物でもいたのかな?


「どうぞお座り下さい」

「あ、どうも」

 と言って座ったけど大丈夫だよな。


「実は今回お引き留めしたのはこちらの革を国で買い取る事は出来るかの相談なのです」

 え、国で買い取る!?


「どれも質の良い素材です。出来れば国で買い取りたいと、上からの話でして」

 ……マジか。でもなぁ、これ職人の人に見せて貰ってから売ろうと考えてたからなぁ。


「……ダメでしょうか?」

「いえ売るのは構いませんが、この国に居ると言う職人の方に会ってからと考えていたもので」

「ちなみにその職人の方とは」

「ドワル・クラウンと言う方だそうです。聞いた話では良い職人だとか」

 その名前を出した時、周りの人達が固まった。


「ドワル・クラウンと、言いましたか?」

 え、何この空気。ヤバイ人なの?


「えっと、知り合いの爺さんに紹介してもらっただけでその人の事はよく知らないのですが……」

 すると詰所の人は俺の袋を一目見てため息をしたら小さな声で「この素材じゃぁなぁ」と言った。その後俺を見て言った。


「ドワル・クラウン様はこの国の国王です」

 と言った。


 …………マジで?

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