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回復術士のやり直し~即死魔法とスキルコピーの超越ヒール~ 作者:月夜 涙(るい)

第六章:回復術士は復讐を終える

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第三話:回復術士は空から舞い降りる

 懐かしいブラニッカで一晩を過ごした。
 広くて清潔な宿をとり、全員を性的な意味で可愛がった。
 四人を一度に相手にするのは、体力的にきつかったがすっきりして良かった。
 みんな、ぐっすりと眠っている。
 美少女たちが全裸で眠っているのは絵になる。

「出発前に用事を一つ片づけるか」

 俺は一足先に起きて、書き起こしを残して外にでる。
 ブラニッカを出発するために、さらなる情報収集をしておきたかった。
 竜騎士たちとの合流時間までに済ませよう。

 ◇

 商業が活発な街だけあって、街の人たちの朝も早い。
 適当に買い物をしながら、店主に二、三質問をする。
 聞きたかったのは、酒場でも噂になっていた黒い騎士についてだ。

 思ったより多くの情報が集まった。ほとんどはまた聞きで信ぴょう性が薄いが、目撃例が多いし、それぞれの情報に大きな矛盾がなく真実に思えた。

 最近になって、目撃例が増えているそうだ。
 ジオラル王国の目的がいまいちわからない。
 話を聞いていると黒い騎士は手綱を離して暴れさせているだけのように見える。

 ……そうか暴れるだけいいのだ。黒騎士は襲った相手を黒騎士にすると噂になっている。
 黒騎士の数を増やすことが目的であれば辻褄が合う。
 なら次だ。どうして、こんな強引な手を使ってまで戦力を補充しているかだ。黒い騎士を作るのが魔王からもたらせた力だというなら、まともな神経ではこんなことをしない。

 ここまで強引に戦力を増やして行うことの選択肢はあまりない。
 戦争の準備だ。
 戦争をするために、黒騎士の数を増やしているとすれば、ますます早急にジオラル王を倒さないといけないだろう。
 戦争が起こってしまえば、人間も魔族も魔物も、多くの血が流れる。
 見知らぬ他人がいくら死のうと知ったことではないが、長い旅でいろんな場所に知り合いが増えた。
 なにより、イヴを悲しませたくない。

「兄ちゃん、おまけだよ」
「ありがとう。悪いな」

 話を聞かせてくれた果物屋のおばちゃんがリンゴを一つ投げてくれた。
 いい人だ。
 ブラニッカはいい街だ。うまい酒場があるし、親切な人もいる。できればなくなってほしくない。
 そのためにも、さっさと復讐を終わらせよう。
 ジオラル王国を滅ぼし、ジオラル王と【砲】の勇者ブレットを倒せば、長かった復讐の旅にも終わりが見えてくる。
 復讐のついでに世界が平和になれば、最高だ。

 ◇

 買い物と情報収集を終えた俺は宿に戻り、セツナたちと食堂で朝食を済ませる。
 昨日、彼女たちは昨日たっぷり可愛がったこともあり、疲れているかと思ったが元気そうだ。

 むしろ肌に艶があり、笑顔が多い。
 きっと俺と同じように彼女たちも要求不満だったのだろう。久しぶりのセックスで潤ったのだ。
 魔王城にいるイヴは可愛がってやれていない。あの城に戻ったら一日中愛し合おう。
 食後の紅茶を楽しみ、さきほど情報収集のついでに買ったお菓子や果物を味わう。

「ケアルガ様、そろそろ時間」

 セツナが懐中時計を見て声を上げる。

「もう、そんな時間か。行こう、待たせては悪い」

 竜騎士たちにはよくしてもらっている不義理はできない。
 宿を出る際に、昨日のうちに頼んでいたお弁当と酒を受け取る。
 これは竜騎士たちへの差し入れだ。
 俺たちのように、ブラニッカで羽を休められなかった彼らに少しでも楽しんでほしい。

 ◇

 竜騎士たちと合流し、再び空の旅を楽しむ。
 ここまでと同じで、俺はグレンとセツナ、向うにはフレア、クレハ・エレン。
 相変わらず、グレンはキツネ耳美少女形態で俺にしがみ付いている。

「グレン、いいかげん慣れないのか」
「むう、慣れるわけないの! 落ちたら死ぬの!」

 顔を俺の背中に押し付けながら、グレンは文句を言う。

「なら、いっそのこと子ギツネ姿になって俺のリュックに入るか? クッションを敷きとめていれば、落ちても死なないかもな」
「いい考えなの! さっさと毛布が詰まったクッションを用意するの!」
「ラナリッタについたらな。まあ、グレンがこの場で手を離して変身して鞄にもぐりこむ勇気があるなら話は別だが」
「がまんするの……」

 グレンは一秒だって、怖くて俺から手を離すことはできない。
 変身してリュックに移動なんて不可能だろう。
 俺たちが数日駆けて旅した距離を、あっという間に飛竜は踏破していく。
 飛竜に乗せてもらってよかった。この気持ちよさは飛竜じゃないと味わえない。
 見知った風景が広がり始める。

「ケアルガ様、もう少しでつきますよ」
「そうだな」

 竜騎士が声をかけてくる。
 ブラニッカもいい街だが、ラナリッタも素晴らしい街だ。
 いい意味でも、悪い意味でもひたすら自由な街。善も悪もすべて飲み込み反映していく混沌の街だ。

 あそこで俺はセツナと出会った。運が良かったと思う。セツナほどの奴隷はなかなか手に入るものではない。
 そろそろ、ラナリッタが見えて来るな。
 そう、考えたときだった。

「ラナリッタが燃えている?」

 黒い煙がもくもくと燃え広がり、地上が赤く染まっている。
 まさか、戦争が起こっている?

 ラナリッタはジオラル王国に属する国だ。圧倒的な力を持つジオラル王国に喧嘩を売る人間の国なんて存在しないうえ、ラナリッタは弱肉強食、自分の身は自分で守るというルールがあるおかげで、金持ちは施設の軍隊を持っているし、その自由な気質から強力で高レベルな冒険者たちも多く非常に強い。
 どんな命知らずがラナリッタに喧嘩を売ったのだろう?

 竜が近づいていく。
【翡翠眼】を起動して視力を強化して様子を見る。
 すでに街を守る防壁が砕かれ、そこから黒い騎士たちがなだれ込み暴れまわっていた。ラナリッタの人々が必死に抵抗をしている。

「なぜ、ジオラル王国がラナリッタを!? 自国の街じゃないか」

 ……黒い騎士がいるということは、ジオラル王国が襲撃していることになる。
 事実、黒い騎士が前衛であり、後衛の弓使いが魔術士たちはジオラル王国の紋章が入った装備を使っている。

「ケアルガ様、これ以上、近づくのはまずいです」
「予定を変更する。ラナリッタに立ち寄らず、迂回してジオラル王国を目指してくれ。このことを向うにも伝えられるか」
「可能です!」

 竜騎士がサインを送り、もう一人の竜騎士がこくりと頷く。
 俺たちならラナリッタを救えるかもしれないが、それよりも賢者の石が届けられる前に、ジオラル王を始末するほうが重要だ。
 あれがジオラル王に渡ってしまえば詰む。

 二匹の竜が旋回する。
 グレンの抱き着く力が一層強くなる。
 そして、それは起こった。
 魔術で強化された矢が飛んでくる。普通の弓ではありえない速度と軌道で。

 俺たちが乗った竜は華麗に回避したが、フレアたちが乗っている竜が羽を矢に貫かれた。
 この高度に届くだけでも以上なのに、鋼鉄より硬い竜種の羽を貫くなんて並じゃない。今の矢を放った弓使い、三英雄にも匹敵するかもしれない。
 フレアたちの乗った竜が高度を落としていく。

「俺は、あいつらの救援に向かう。俺の【回復ヒール】なら竜を癒して飛べるようにできる。おまえは離れた場所に控えていろ。癒せば、向こうの竜騎士に合図を遅らせる。もしものときのための救難信号ぐらいあるだろう?」
「それはもちろんありますが、この高さですよ。あの弓がある以上、これ以上高度は落とせません」
「大丈夫だ。このまま飛び降りる。セツナ、来い」
「ん。ケアルガ様」

 セツナをお姫様抱っこする。竜の上で立ち上がると、グレンが悲鳴を上げた。
 それでも手を離さない。いい子だ。

「行ってくる。また後で拾ってくれ」

 竜騎士に挨拶してから、飛び降りる。

「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ、死ぬ、死んじゃうの! 自殺は止めるの! どうしてもやるなら死ぬなら一人で死ぬのおおおおおおおおおおお!」
「グレン、黙らないと舌を噛む」

 まったくやってくれる。
 フレア、エレン、クレハをここで置き去りにするわけにはいかない。
 大きなロスタイムになってしまうが助けざるを得ない。
 ……前向きに考えよう。竜の翼を貫くほどの実力者なら、ある程度の情報を持っている。この礼はきっちりしつつ、情報を入手しよう。

 何を考えて、ラナリッタとの戦争なんてとち狂ったことをしているのか。
 それを知らなけば足元を救われる気がする。
 もうそろそろ地面だ。地面にぶつかる瞬間に爆裂魔法を叩きつけ、運動エネルギーを相殺。
 魔術の起点となった腕がぐしゃぐしゃに潰れるが、それ以外の被害はない。
 即座に【回復ヒール】しセツナとグレンを地上に降ろして俺は走り出した。
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