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ランクアップ

「すいませーん、依頼ありますか?」

別の窓口に駆け寄っているレギアスを見ながら、ファリーンのいる窓口に駆け寄る。

「ファーさん、いい依頼ある?」

「アイテムウインドウがあるのは解ったし、荷運びとかかな。あとラピッドの肉、今倒せる人員が減っててね。倒せるなら倒して来て欲しいのよ。あ、これ依頼書。受けるなら階級章を押し付けて」

言われた通りやると、赤く焼け焦げたように光って黒くなる。

「じゃあ、森のラピッド狩りついでに炭坑の石炭運びやって来ます」

「ええ、でもソロじゃない。大丈夫なの?」

「まあ、誰にでも最初ってありますから」

今までずっとソロでやって来た。学校も親戚も弁護士すら全てソロで扱って来て、ゲームの中ですら超大所帯のギルドに入って声をかけられない様に必死で強くなった。一人で構わない。

ずうっと一人で。


「せいやぁぁーーっ!!」

連続攻撃でウサギを屠っていく。『波状攻撃(ウェイビング)』、それに『雷電衣(エレクトロフォース)』を加えながら走り抜ける。

振り返ると魔石が28、肉が21、毛皮が28。

肉はドロップアイテム扱いなのだろう。今のでMPは約65減少した。群れに出くわしていなかったら、そんなに効率良くは出来なかっただろう。左手を添えたまま、短刀は抜いていない。

と、目的の炭坑が見えてきた。

「すみません、派遣された冒険者ですが」

「おう?なんだ女か、そこの山全部運んでくんな」

「あ、はい」

なんだか知らないが、アイテムウインドウ舐めるな。お使い系クエストは毎日やってたんだ。

「あのー、まだ持てますけど」

山が綺麗に無くなってしまったので穴の奥にクエスチョンを投げかけると、「ほぁ!?」と中から聞こえた。

「持ったってもしやあんたウインドウ持ちかい?」

「ええ、運べるだけ運んじゃいますよ」

ちなみにこれが㎏いくらのお仕事なので、そう言っただけなのだが、ノームのおじさんはいたく喜び、掘り出した時に一緒に出て来たという何かの原石をくれた。

調べてみるが、鑑定スキルがないため『???』と表示されるだけ。

街に返ったら見てみよう。


「に、28…突っ込んじゃダメよ、しかも無傷であることなんて、突っ込んじゃ…はい、受け取ったわ。1金貨と8銀貨。所持が不安ならギルドで預かることもできるわよ」

「なんだかDQだな…まあ良いか、お願いできますか?」

「はい、じゃあお預かりします。今日は他にやっていく?」

「まだあるなら、いくらでも!」


その後聞いたところによると、雑用チックなものは全てやり切ってしまい、その日来たディアの数人が肩を落とす結果になったそうだ。


「ランク…ですか?」

「そう、初日から今日までで雑用討伐依頼とか高額なもの結構やっちゃったでしょ。それでよ。ギルドマスターがね、ランクアップの要請をして来たの。もちろん他にも二人。アッシュとセイジね」

「へぇ…はい、分かりました。それでランクアップの条件って?」

「その三人でパーティーを組んで、」

「どうしろと」

思わず剣呑な声が出てしまった。

「ど、どうしたの?赤秀…」

「…ごめんなさい、話を続けて」

「ええ」

尺然としない顔でファリーンは話を再開した。

「森の深奥にいる怪物を倒すための斥候をして欲しいの。魔石っていうのはたいてい自然に魔素が集まって生まれるものなの。森の深奥は特に酷いのね、だからその道作りをお願いしたいのよ」

「…分かりました。アッシュとセイジ、ですか。期間は?」

「深奥に辿り着くまで3日は見た方が良いわね。迷路になっているから」

「…分かりました。終わったらまた来ます、ありがとうございます」

迷路、ね。

パーティーを組みたくはない。偽善の指輪をはめるのをやめたいと思う程。けれど、致し方ないことではあるのだろう。

「そう言えば炭坑のおじさんがこれをお礼にってくれたんですけど」

「どれ、鑑定してあげましょう」

ルーペを取り出し、目の前で鑑定を始める。

「こ、これは…!!」

「何なんですか?」

「暗黒龍の欠片だわ!」

ファンタジー世界の厨二病はいるのだろうか。

「こんなものただでもらったの~!羨ましい!あ、磨いたら魔具にも加工できるわよ。使うと良いんじゃない?」

「あ、はあ…」

と、目前に鑑定スキルの入手を知らせるメッセージが現れた。ぶっちゃけこっちが本命だったのだがこ黙っておこう。

パーティーを組んでる時一人だけ通信環境が酷すぎるせいで会話が成り立ちません(;´Д`A

フォルダ整理でもすっかな…。

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