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from清水寺to異世界

異世界チートライフ。

「うう、いてて…」

ひどく頭痛がする。こんなのは小学校でインフルエンザにかかって以来だ。まあその時に叔父と叔母の密談で両親の財産目当てであることがわかり、法律を小6ながらにしてマスターする羽目になったのだから。

「空が青い、草がくすぐったい」

何一つない空は抜ける様に、という表現が適切なほど晴れている。雲一つない空を見上げていると、徐々に頭痛が収まってきて状況を思い出し始めた。


私の名前は七海赤秀(ななみ あこう)と言う。中学三年の修学旅行に、楽しくもないのに行くことになった。積立もこうギリギリとなると、返ってこないこともありうるし、行ってみようと考えた。

だが、グループ行動になった途端に他の人は逃げる様に消え、仕方がないので集合時刻までいろいろな場所を巡ろうと思ったのだ。初めは銀閣寺、伏見稲荷大社の鳥居の森、そして東山区を回り切ったところで最後に清水寺に行った時だった。

清水の舞台から落ちた。

より正確には、清水の舞台から突き落とされた。

ああ、死ぬんだと走馬灯のようなこともなく、これで両親の元へいけると安堵した程だった。


そして、今この草原にいる訳だが。

「っていうか、どう考えてもこれは清水の舞台の下じゃないだろ」

そうひとりごちて体を起こす。立ち上がって辺りを見回すと、その言葉が確かだと証明された。そんな事されても困ります。

辺り一面、デスクトップ背景にある様な丘と茂み。見渡す限りそれで、森らしきものが遠くにあるものの、かなり遠い。

加えて、服装が一変していた。白と黒のツートンカラーのタイトなミニ(すぎる)ワンピース、ニーハイのロングブーツ、これもモノトーンだ。148cmの体躯に比べいささか大き(すぎる)い胸は軽量のボディーアーマーに覆われている。腕部分にもマダムたちが紫外線よけに付けている様な物があるがあきらかにこれは物理防御用。そして極め付けは腰に提げたレイピアと二振りの短刀。

間違いない。

「Lv99で放置したルテチオン・イクスの格好だなこれは」

ルテチオン・イクス。

数年前に爆発的人気を誇りかけたタイトルで、リアル感あふれるCGグラフィック、キャラのカスタマイズ、豊富なモンスターの種類が人気を博し、かけた。

かけたというのは、これがまた初心者お断り位のとんだクソゲーであったからだ。

1、レベルが上がらない。

最低十回は死なないとレベル2になれない。そして上がってもたいして強くならない。

2、経験値はモンスター討伐でしか得られない。

クエストだけじゃ上がらない。ホントこのシステムだけは勘弁して欲しかった。

3、上級職開放の条件が鬼畜。

五職、ファイター、スペルキャスター、プリースト、シーフ、パラディンが選択でき、武器装備さえあれば簡単どこでも転職可能だったのだが、いかんせんその上級職開放においての条件が酷すぎた。

五職全てを最大レベル、Lv99まで上げると開放される。その名もマルチユーザー。

それがLv1から。プレイヤーがコントローラー(ないけど)を投げたくなるのもわかるというものだ。

そして、そのとんだマゾゲー、上級職開放してLv99まで上げたドMがここにいる。


お分かりだろうか。

それではもう一度言わせていただこう。

え?いい?

…ですよね。


という訳でそんなマゾゲー、ぷっつりとサービス終了のお知らせ以降やめてしまった。無課金廚でソロだったからあっけないものだった。

「それにしてもLvはそのままなのか?メニューとかないし、」

と、その言葉に反応したようにパッと半透明のウインドウが現れた。指を恐る恐る伸ばして触ると、冷たい大理石に触れた様な硬さが返ってきた。

ステータスを開いてみる。

『Akou マルチユーザー : 99 種族 アンデッド

HP 99879985

MP 39784215』

見るのやめた。ちょっと忘れていたが全ステータス最終ダンジョンボス越えするんだった。

「これは末恐ろしい…」

スキルの欄をみると、やっぱり全部使えるらしい。マルチユーザーの特権というのも何だが、今まで習得したスキルは職業関係なく武器さえ持っていれば発動させられる。

「異世界なのか死後の世界なのかはわからないがとにかくすごいチートっぷりだなこれは。実際に最強ってのもつまらないが…そう言えば、面白いアクセサリーがあったな」

メニューから探索していると、見つかった。

『偽善の指輪 : つけるとステータスはLv10まで下がり、通常のペースで成長する。外すと元のステータスにもどる』

これを入手した当初は何故偽善の指輪か分からなかった。だが、今ならわかる。

あまりに強すぎる力は仲間の自信喪失さえ招くからだろう。そしてわざと強さを隠すという事がどれほどひどい痛手を相手に与えるか。

マルチユーザーのLv10ならば一応人の範囲、いや今は種族通りとするならアンデッドの範囲に留まれる。指輪を嵌めると、少しアーマー類が重くなった。

『Akou マルチユーザー : Lv10 種族 アンデッド

HP 1982

MP 6720』

他のステータスも軒並み十分の一以下に下がっている。

「何とかステータス問題は解決だな。さてと、村でも探してみるか。…ダメだマップは見える範囲か。となると、森の方が人に、っていやいや、アンデッドに会うかもしれないな」

そう言えば、アンデッドはアンデッドでも何のアンデッドなのだろう。

ノーライフキングとかは憧れるが。

とりあえずの目的地は、森に定まった。

初投稿です、なまあたたか~い目で見てもらえると嬉しいです。

赤秀ちゃんの名前は絞め殺しの木からきています。これからどんどん偽善者っぽくできればと思います。

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