大きな決断
「莉奈ちゃん、朝だよ。起きて」
「うっ~ん。朝?」
「うん」
「そっか」
(ポタ ポタ)
「あっ」
「莉奈ちゃん、鼻血?」
「うんっ。最近止まらないんだ。鼻血」
「いつから、出て、どのくらいとまらない?」
「一時間は止まらない。抗がん剤打って、二週間くらいの時かなぁ?」
「なんで、早く言わないんだよ~」
「だって・・・」
「ちょっと、すぐ先生呼んでくるから」
「うん・・」
私は、抗がん剤を打ってからあっという間の時間が流れました。私は、嘔吐や吐き気、めまいや息切れが激しい。友達がお見舞いに来ても断ってもらっています。だから、美香と恵梨香には入院してからは会っていない。
「先生、莉奈ちゃんが!!」
すぐに、先生は私のところに来ました。見てもらうと、抗がん剤の副作用だとわかりました。そして、私にもっと残酷な運命がこの後待っていました。
その日は、雨が降っていました。私はその日は災厄な健康状態で体中痛かった日でした。私は、呼ばれなかったけど、お母さんとお父さんが担当の先生に呼ばれました。そこで話されたのは、足の切断の話でした。また、抗がん剤の副作用で、両足が壊死したのです。私は、そのことをまったく知らされていなかった。
足の切断の手術の日は、その日は検査のための手術と言われて手術させられました。
「大丈夫ですか?先生」
「大丈夫。すぐ終わるから。安心して?」
「うん」
そして、私の足は太ももから下切断されました。私が目が覚めたのは翌日の朝のことでした。私が目をあけると、担当の看護師が起こしに来ました。いつもと変わらない日常でした。ですが、私は下の方に違和感を感じました。
「ねぇっ」
「なに?莉奈ちゃん」
「ちょっと、下の方に違和感あるんだけど」
担当看護師が、なんだか悲しい顔をしていました。思いっ切って聞きました。
「どうしたの?私の下どうなってるの?」
「あのねぇ。莉奈ちゃん。抗がん剤の副作用で両足が壊死して、両足切断したんだ。」
「えっ?なんで勝手に、私の足きったの?なんでなのよ!!私の足!!どこにあるの!!なんでなんで!!なんで、私の足をきったりしたの!!」
「莉奈ちゃんの命を救うためには仕方なかったんだよ!!」
「だったら、私なんか死んだ方がいいよ!!」
「莉奈!!」
ママが、私の言い放った言葉に起こって私に怒鳴りつけました。
「なによ!!勝手に私の足切って!!面白いの?」
「しょうがなかったの!!ママだって苦しかったのよ~」
「でも、ママ!!私は一生このかっこうで生きていくんだよ?ママはちゃんと足あるし、私なんてないんだよ?」
「莉奈!なんていうことを言うんだ。ママに謝りなさい。」
「パパだって、なんで私の足を切ったの?教えてよ!!ねぇ?」
私は、家族にあたってしまいました。一番苦しかったのは、パパとママなのに、私は何でやつあたりしたのか、私は反省しました。もちろん、医者の方がもっと辛い、人の足を簡単に切っていいのかって迷った気がすると思うし、担当の看護師の直樹さんだって、何て声かけようか迷ったと思います。
次の日、私は家族と先生と看護師さんに謝りました。看護師さんはこう言いました。
「なに謝ってるん?莉奈ちゃん」
「いや、やつあたりしたから」
「あれ?莉奈ちゃん、かわいいところあるね?」
「うるさ。バカじゃん!!」
「いつもの莉奈ちゃんに戻ったね」
「でも、ありがとう。そして、ごめんなさい」
「ええよ。その前に、両親に謝りな?家の人の方が苦しかったと思うし、今生きてるのは、両親のおかげだからね?」
「うん」
私は、その後、パパとママに謝りました。
「ごめんね?パパ・ママ」
「いいのよ。私たちもごめんね?莉奈の意見も聞かないままで」
「いいよ。消えたものはしょうがない!!前を向いて歩くから」
「ごめんね」
ママは、泣きながらずっと謝っていました。相当苦しかったんだと思います。私は、みんなの気持ちをわからないままあたってしまいました。
私の体は、足を切ってからは徐々によくなりました。体調もよくなり、移動は自動車椅子に乗って、廊下を移動しています。案外、病院生活も悪くないと思いました。
一か月後、抗がん剤治療は終わり、様子を見ることになりました。体調は安定し、恵梨香と美香と会うことができました。二人は、私の体系を見ると、少しあ然としていました。
「莉奈!!元気にしてた?」
「うん!!元気!!」
「今日サプライズがあるの!!莉奈に!!」
「なに?」
「じゃ~~~~~~~~~~~~~~ん」
「せっせんぱい?」
サプライズで、登場したのは憧れの先輩でした。
「どう?元気でた?」
「ねぇ、私のことバカにしてるの?」
「えっ?」
「なんで、先輩連れてくるの?ありえあいんだけど!!」
「えっ。莉奈が喜ぶと思って・・・」
「もうやめて!!なんの!!もう、ぜっこう!!」
「ちょっ。喧嘩はやめようぜ?」
「先輩も私が醜いのを面白いからって見に来たんですよね?そうですよね?」
「俺は、そんなことないぞ!!」
「もう、本当になに!!恵梨香と美香はいいよね!!足もあるから!!髪だってあるし!!もう、うんざり!!帰れ!!」
「なんの!!莉奈!!ありえない」
「帰りましょ?先輩」
「うん・・・」
私は、なんて先輩と友人にひどいことを言ってしまったのだろうか?私は、どうして、いつもこうなのだろうか?
「莉奈ちゃん!!」
「あっ。直樹さん」
「莉奈ちゃんの友達かわいいね」
「えっ?キモイ」
「看護師さんにキモイとかNGだし~。莉奈ちゃんの彼氏もかっけーやん」
「彼氏じゃないですけどね・・・ 先輩ですけど」
「その子としゃべったぞ?友達と先輩と」
「えっ?先輩の名前かっけ~な。内田優翔だって」
「名前聞いたの?」
「うん」
「でも、変な目で見たよね」
「そんなことはないよ?ちゃんと、莉奈ちゃんが頑張ってること俺はいっといたよ」
「ほんと?」
「ほんとほんと。告ってみなよ!!あと、友達は俺から謝っといたから」
「早いですよ。てか、ありがとうございます。」
「いえいえ、莉奈ちゃんの担当看護師ですから」
「うん」
私は、SNSで美香と恵梨香に謝りました。そしたら、二人とも許してくれました。今度、チアリーダー部の部員でお見舞いに行くと言っていました。
私は、これからどうなるかわからないけど、生きてるうちに先輩に告白したいなぁって思っています。だって、先輩に会って謝りたいし、告白したい!!
私の恋はまだまだ続きます。病と一緒に・・・